概説 |
B型肝炎ウイルスを減らすお薬です。B型慢性肝炎の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 肝臓病のおおよそ9割はウイルス性です。とくに、B型とC型ウイルスによる慢性肝炎が問題となります。慢性肝炎になると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長いあいだに一部が肝硬変へとすすみ、さらに肝臓がんに至ることもあります。この流れを絶つこと、あるいは遅らせることが治療の最大の目標です。
このお薬は、B型肝炎ウイルスに有効な抗ウイルス薬です。ウイルスの遺伝子が複製されるのをじゃまして、ウイルスの増殖をおさえます。臨床では、B型肝炎ウイルスが増殖し肝機能値が悪い(高い)場合に用います。目安は正常値の1.5倍以上です。ウイルスが減少すれば、肝臓の炎症がひき肝機能値も改善します。肝機能値を正常に保つことは、肝硬変や肝臓がんを予防することにつながるのです。

- 【臨床試験】

- 既存の同類薬ラミブジン(ゼフィックス)と効き具合を比較する臨床試験がおこなわれています。対象となった患者さんは、抗ウイルス薬未治療でHBe抗原陰性のB型慢性肝炎の638人です。約2年にわたる治療で、ウイルスが非常に低減(測定限界以下)した人の割合は、この薬で94%、ラミブジンで77%でした。
|
特徴 |
- 核酸類似物質(核酸アナログ)で、ヌクレオシド系に分類される抗ウイルス薬です。いくつかの臨床試験において、同系のラミブジンをしのぐ有効性が示されています。また、ラミブジンに比べ耐性ウイルスが生じにくく、ラミブジンが効かない耐性ウイルスに対しても一定の効果が期待できます(交差耐性はありとされます)。おもに中高年の進行したB型慢性肝炎に第一選択されます。
- ウイルスを完全に消滅させるのは難しく、飲むのをやめると再びウイルスが増えはじめ肝炎が再燃してしまうことが少なくありません。したがって、予防的にかなり長く飲み続けなければなりません。
|
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 腎臓の働きが落ちていると、この薬の排泄が遅れ、高い血中濃度が持続するおそれがあります。そのため、腎臓の悪い人は、服用間隔を延ばすなど慎重に用いる必要があります。
 【使用にあたり】
- ふつう、1日1回1錠を飲みます。必ず食間(食事と食事の間)の空腹時に飲んでください。前後の食事の間隔を2時間以上あけるようにします。食間にするのは、食事の影響による吸収率の低下を避けるためです。
- 治療期間は長めになります。安易に中断すると、急激に病状が悪化するおそれがありますから、自分だけの判断で中止してはいけません。治療終了時期の判断は、専門医により慎重に見極める必要があります。指示された期間、根気よく続けましょう。

- 【検査】

- 定期的に肝機能検査が必要です。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠中の安全性は確認されていません。また、母子感染の予防効果についてもよく分かっていません。妊娠中の服用については、医師とよく相談してください。
- 服用中、これからの妊娠は避けるようにしてください。
- 服用中は授乳を控えてください。

- 【食生活】

- B型肝炎ウイルスの感染力は弱く、ふつうの社会的な接触であれば感染することはありません。ただし、性的接触により感染する危険性があります。この薬により、ウイルスが測定限界以下になったとしても、完全に消滅したとは言えません。また、他人へのウイルス感染を避けられることは証明されていません。このへんのことも十分留意してください。

- 【備考】

- 肝炎ウイルスの再増殖を予防するため長期の服用になることが多いです。けれども、ウイルスが非常に低減し、かつ抗体が十分にできていれば、服薬を中止することも可能です。
|
効能 |
B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制 |
用法 |
本剤は、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口服用する。通常、成人はエンテカビルとして0.5mgを1日1回経口服用する。なお、ラミブジン不応(ラミブジン服用中にB型肝炎ウイルス血症が認められる又はラミブジン耐性変異ウイルスを有するなど)患者には、エンテカビルとして1mgを1日1回経口服用することが推奨される。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
比較的多いのは、吐き気や下痢など胃腸症状、頭痛やけん怠感などです。また、服用中止後に肝炎が急激に悪化し深刻化するケースがありますから、治療終了後もしばらくのあいだ、定期的に病状をチェックしなければなりません。
そのほかの重い副作用はまずありませんが、きわめてまれに重篤な乳酸アシドーシスを起こすおそれがあります。また、類似の抗ウイルス薬において、肝臓の脂肪化にともなう肝障害が報告されているようです。初期症状として、ひどい疲れ、呼吸困難、筋肉痛、吐き気、腹痛、下痢、急激な体重減少、皮膚や白目が黄色くなといった症状があらわれます。念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
- アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
- 乳酸アシドーシス..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、息苦しい、息が荒い、筋肉痛、手足の脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、意識がうすれる。
 【その他】
- 頭痛、倦怠感
- 腹痛、下痢、吐き気
- 服用中断後の肝機能値の再悪化
|