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成分(一般名) バルガンシクロビル塩酸塩
製品例 バリキサ錠450mg、バリキサドライシロップ5000mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/その他/抗サイトメガロウイルス化学療法剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 サイトメガロウイルスを抑えるお薬です。サイトメガロウイルス感染症の治療や予防に用います。
作用エイズやがん、あるいは臓器移植で免疫力が低下すると、いろいろな感染症にかかりやすくなります。サイトメガロウイルス、カリニ原虫、カンジダ・・ふつうなら感染しにくい微生物にまで侵されてしまうのです。

このお薬は、サイトメガロウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。サイトメガロウイルスの感染で起こる肺炎や肝炎、腸炎、食道炎、目の網膜炎などの治療に使います。完治は難しくても、進行をおさえ病状を落ち着かせることができます。臓器移植においては、発症抑制のため予防的に用いることがあります。
特徴
  • サイトメガロウイルスに直接作用する抗サイトメガロウイルス化学療法薬。ウイルスの遺伝情報をもつDNAの複製をじゃますることで、サイトメガロウイルスの増殖をおさえます。DNAポリメラーゼ阻害薬とも呼ばれます。
  • 点滴静注用のガンシクロビル(デノシン)の内服版ともいえ、吸収後すみやかに活性代謝物のガンシクロビルに変換されます(プロドラッグ)。ガンシクロビルそのものよりも経口吸収率が高く、生物学的利用率は約10倍です。作用や効能はガンシクロビルと同じです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
  • 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。

【注意する人】

血液に病気のある人は慎重に用いる必要があります。ひどい白血球減少症など その病状によっては使用できません。また、腎臓の働きの悪い人は用量を少な目にします。妊娠中は禁止です。

  • 適さないケース..重い血液の病気(白血球減少症、血小板減少症)、著しい骨髄抑制、妊娠中もしくはその可能性のある人など。
  • 注意が必要なケース..血液の病気、肝臓病、腎臓病、胃腸病、精神神経系に病気のある人、子供、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。服用中の薬を必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 骨髄抑制作用のある抗リウマチ薬や免疫抑制薬、抗がん剤、あるいはエイズ治療薬のジドブジン(レトロビル)などと併用すると、血液障害の副作用がでやすくなります。
  • 痛風の薬のプロベネシド(ヘネシッド)は、この薬の排泄を遅らせ副作用を強めるおそれがあります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。飲み忘れにも十分注意しましょう。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する“すき”を与えないために重要です。
  • 食後もしくは軽食とともに服用します。空腹時ですと、吸収率がよくありません。
  • 錠剤を割ったり、粉砕しないで飲んでください。
  • 液剤の場合、皮膚や粘膜に直接触れないように注意してください。触れた場合は、石鹸と水で十分に洗い流してください。眼に入った場合も水で十分洗浄しましょう。
  • 飲み忘れた場合は、気づいたときにすぐ飲んでください。ただし、次の服用時間が近ければ、忘れた分は抜かし、次の時間に1回分飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 液剤は冷蔵庫(2〜8度)に保存してください。
  • 妊娠の可能性のある場合は、男女とも避妊してください。男性は薬を止めてからもさらに90日間パートナーの妊娠を避ける必要があります。

【検査】

効果や副作用をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。とくに、血液の検査が重要です。

【妊娠・授乳】

動物実験で催奇形性や遺伝毒性、精子形成機能障害が報告されています。人でも同様と考えられるので、妊娠中は使用禁止です。また、服薬中は妊娠しないように気を付けでください。

  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性..服用しないでください。
  • 妊娠する可能性のある女性..服薬中は、確実な方法で避妊してください。
  • パートナーが妊娠する可能性のある男性..服薬中および服薬終了後90日間は、パートナーが妊娠しないよう有効な避妊を行なってください。
  • 授乳中の女性..母乳へ薬が移行するため、服薬中は授乳しないほうがいいです。授乳の可否は医師の指示に従ってください。
効能

【効能A】

下記におけるサイトメガロウイルス感染症

  • 後天性免疫不全症候群(エイズ)
  • 臓器移植(造血幹細胞移植も含む)
  • 悪性腫瘍

    ※注意:本剤の投与による重篤な副作用が報告されているので、サイトメガロウイルス感染が確認された患者において、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

【効能B】

臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制

  • ※注意:本剤の投与による重篤な副作用が報告されているので、発症リスクの高い患者(サイトメガロウイルス抗体ドナー陽性かつレシピエント陰性等)において治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
用法
【効能A】
<初期治療>

通常、成人はバルガンシクロビルとして1回900mgを1日2回、食後に21日間経口服用する。
<維持治療>

通常、成人はバルガンシクロビルとして1回900mgを1日1回、食後に経口服用する。

【効能B】

通常、成人はバルガンシクロビルとして1回900mgを1日1回、食後に経口服用する。

通常、小児はバルガンシクロビルとして次式により算出した服用量を1日1回、食後に経口服用する。ただし、1日用量として900mgを超えないこと。推定糸球体ろ過量が150より高値の場合は150を用いること。

  • 服用量(mg) = 7 X 体表面積(m2) X 推定糸球体ろ過量(mL/min/1.73m2)

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

もっとも多く、また注意しなければならないのは、骨髄抑制にともなう“血液障害”です。白血球や赤血球、血小板が異常に減少したりします。初期症状として、発熱やのどの痛み、異常なだるさ、皮下出血など出血傾向に注意してください。重症化を防ぐため、頻回な検査も欠かせません。

人によっては、精神神経系の調子が悪くなることがあります。頭痛、めまい、不眠、思考の異常、不安感などを生じます。そのほか、頻度的にわりと多いのは、吐き気や嘔吐、下痢、発熱、腹痛、発疹などです。いつもと違う症状に気づいたら、どのようなことでも医師に話してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い感染症..発熱、寒気、だるさ、食欲不振、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚発赤・小水疱・ピリピリ痛い、水ぶくれ、できもの。
  • 幻覚、せん妄、錯乱、けいれん..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、非現実な体験、もうろう状態、混乱・興奮、取り乱す、けいれん
  • 腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
  • 膵炎..吐き気、吐く、持続的な激しい腹痛、上腹部または腰から背中の激痛、発熱。

【その他】
  • 下痢、吐き気、吐く、食欲不振、腹痛
  • 頭痛、めまい、けん怠感、不眠、思考の異常、不安感
  • 発熱、発疹、かゆみ

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。