PR 人気の薬系書籍ベスト30 「くすり本NAVI 」 おくすり 110番

成分(一般名) アンプレナビル
製品例 プローゼカプセル ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/プロテアーゼ阻害剤/HIVプロテアーゼ阻害剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 エイズウイルスの増殖をおさえるお薬です。エイズの治療に用います。
作用

【働き】

エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介してうつります。そして、体に入ったエイズウイルスは、免疫系の細胞(CD4リンパ球系細胞)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。その結果、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。

このお薬は、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。プロテアーゼ阻害薬の部類で、ウイルスの成熟を阻止する作用があります。ウイルスが減るとともに、免疫力が回復し、病状が改善します。また、エイズの発症や進行を遅らせ、長生きにもつながるのです。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。したがって、生涯にわたり治療を続けなければなりません。

  • ※エイズ:後天性免疫不全症候群
  • ※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

【薬理】

エイズウイルスのプロテアーゼという酵素の働きを阻害することで、感染性をもつ成熟ウイルスができるのを抑えます。このような作用から「プロテアーゼ阻害薬」と呼ばれます。
特徴
  • プロテアーゼ阻害薬(PI)に分類される抗ウイルス薬です。
  • この薬に、別系統の2種類の逆転写酵素阻害薬を加えた3剤併用療法が試みられています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
  • 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。

【注意する人】

肝臓の悪い人は、用量に注意するなど慎重に用います。血友病の人は、出血の増加に注意が必要です。

  • 注意が必要なケース..肝臓病、血友病、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、薬の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 睡眠薬のトリアゾラム(ハルシオン)や、安定剤のピモジド(オーラップ)、抗不整脈薬のベプリジル(ベプリコール)、片頭痛の薬のエルゴタミン製剤(カフェルゴット、ジヒデルゴット)、子宮収縮薬のメチルエルゴメトリン(メテルギン)・・これらとの併用は禁止されています。併用により、これらの薬の代謝が遅れ、重い副作用を起こすおそれがあるためです。
  • 抗結核薬のリファンピシン(リファジン)と併用すると、この薬の作用が極端に弱まります。2週間ほど間隔を置くことが望ましいです。
  • セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないでください。この薬の作用を弱めるおそれがあります。
  • 制酸薬の胃薬や、エイズ治療薬のジダノシン(錠剤)と併用するときは、1時間以上服用間隔をあけてください。
  • 脂肪分の多い食事と同時に飲むと、吸収が悪くなります。

【使用にあたり】
  • 決められた時間に正確に飲んでください。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する“すき”を与えないために重要です。飲み忘れにも十分注意しましょう。抗エイズ薬の服薬率が95%を割ると、薬の効きにくい耐性ウイルスの出現が多くなるという報告があります。
  • 自分だけの判断で量を変えたり、飲むのをやめてはいけません。不用意な減量や中断は、薬の効き目を悪くし、治療を困難にします。

【検査】

効果や副作用をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。とくに、血液と肝臓の検査が重要です。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中の服用については、医師とよく相談してください。この薬を飲むことで、赤ちゃんの感染リスクを減らせる可能性があります。
  • 授乳は避けてください。乳汁中に薬が移行すると考えられます。また、母乳中のエイズウイルスにより赤ちゃんが感染するおそれがあります。

【食生活】

エイズウイルス(HIV)の感染力は非常に弱く、ふつうの社会的な接触であれば感染することはありません。ただし、性的接触により感染する危険性があります。この薬を飲んでいたとしても、その点は同様です。

【備考】
  • エイズの薬は、大きく「逆転写酵素阻害薬」と「プロテアーゼ阻害薬」の2系統に分類されます。前者は、さらに「ヌクレオシド系(核酸系)」と「非ヌクレオシド系」に分かれます。これら系統の異なる3種類以上の薬を組み合わせる多剤併用療法がおこなわれています。この治療法により予後も大変改善されました。最近は、薬の有効性を引き伸ばすため、治療開始時期を遅らせるようになっています。
  • 免疫力が低下しエイズを発症すると、別のいろいろな感染症にかかりやすくなります。サイトメガロウイルス、カンジダ、ニューモシスチス(カリニ)・・ふつうなら感染しにくい微生物にまで侵されてしまうのです。このような2次感染症に対しては、抗菌薬、抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などで強力な治療をおこないます。
効能 HIV−1感染症。
用法 通常、成人はアンプレナビルとして1回1200mgを1日2回経口服用する。服用に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。なお、肝機能低下の程度により減量を考慮する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

もっとも注意が必要なのは発疹などの皮膚症状です。軽い場合は継続可能ですが、ときに重症化することがあります。発疹やじん麻疹を生じた場合は医師に連絡し、継続の可否を判断してもらってください。

そのほか、吐き気や嘔吐、下痢、口周囲の感覚異常、頭痛なども多くみられます。下痢が続くと脱水を起こしますので、早めに受診してください。多くはありませんが、高血糖や糖尿病などにも注意が必要です。いつもと違う症状に気づいたら、すぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)..発疹・発赤、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 高血糖、糖尿病..異常にのどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、頻尿、体重増加または減少。

【その他】
  • 発疹、じん麻疹、かゆみ
  • 吐き気、吐く、下痢、お腹のゴロゴロ、おなら、腹痛、食欲不振、味覚異常
  • 口周囲の感覚異常、視力の異常
  • 頭痛、めまい、けん怠感、異常感覚
  • 高脂血症、血糖値上昇、リポジストロフィー(手足がやせ、胸や肩・腹部が太る)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。