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成分(一般名) リネゾリド
製品例 ザイボックス錠600mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 合成抗菌剤/その他/オキサゾリジノン系合成抗菌剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 細菌を死滅させるお薬です。抗生物質に抵抗力を持つ腸球菌やブドウ球菌による感染症に用います。
作用

【働き】

腸球菌は、もともと人の腸の中に住んでいる細菌です。健康な人に害はありませんが、抵抗力が落ちている人の体内で増えだすと、命にかかわる重い症状を引き起こすことがあります。とくに、抗生物質の切り札「バンコマイシン」が効かない「バンコマイシ耐性腸球菌(VRE)」にいったん感染すると、非常に治療が難しくなります。

このお薬「リネゾリド(ザイボックス)」は、唯一、バンコマイシ耐性腸球菌に有効な抗菌薬です。バンコマイシをはじめ他のすべての抗菌薬が無効な場合でも、最後の切り札として使用可能です。さらに、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対しても強い抗菌力を示すことから、MRSAによる各種感染症にも適応します。

【薬理】

細菌の増殖につながるタンパク質合成を初期段階で阻害します。従来の抗生物質とはまったく異なる作用機序を持っているので、他の抗生物質が効かない細菌に対しても抗菌力を発揮します。バンコマイシン耐性腸球菌の一種、E・フェシウム菌(VREF)にも有効です。
特徴
  • 新しいタイプの合成抗菌薬として、30数年ぶりに新規開発されました。
  • 腸球菌やブドウ球菌など グラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示します。一方、大腸菌や緑膿菌などグラム陰性菌には無効です。
注意
【診察で】
  • 血液の病気やアレルギーのある人は医師に伝えておいてください。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中の人は、医師にお伝えください。

【注意する人】

血液に病気のある人、また抗がん薬など骨髄抑制作用のある薬を飲んでいる人は、血液検査値に注意するなど慎重に用いるようにします。やせている人は貧血の発現に注意が必要です。

  • 血液に病気のある人、抗がん薬など骨髄抑制作用のある薬を飲んでいる人、重い腎臓病、体重40kg未満の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • パーキンソン病治療薬のセレギリン(エフピー)と飲み合わせると、血圧が上昇するおそれがあります。また、SSRI系の抗うつ薬との併用により、セロトニン症候群という抗うつ薬の副作用が出やすくなります。
  • 結核の薬のリファンピシン(リファジン)は、この薬の血中濃度を低下させ効力を弱める可能性があります。
  • 骨髄抑制作用のある薬と併用する場合、血液検査値に注意する必要があります。服用中の薬は、必ず医師に報告しておきましょう。
  • この薬を服用中は、チーズ、ビール、赤ワインは控えめにしておきましょう。これらの飲食物には「チラミン」という物質が多く含まれ、過量摂取により血圧が上がったり動悸を起こすおそれがあります。

【使用にあたり】
  • ふつう1日2回、12時間ごとに服用します。飲み忘れに気をつけてください。
  • 指示された期間、きちんと飲み続けてください。
  • 服用中または中止後2〜3週間までに、腹痛や頻回な下痢があらわれた場合、すぐに医師に連絡してください。
  • 視力低下やかすみ目、色覚異常など目の異常に気付いたら、直ちに医師に連絡してください。

【検査】

週に1回、血液検査をおこなう必要があります。貧血がないか、白血球や血小板に異常がないか調べます。血清ナトリウム値の測定もおこないます。

【備考】

難治性の感染症において最後の切り札として使用する抗菌薬です。耐性菌の出現を防ぐため、安易な使用は控えなければなりません。
効能
【効能A】
<適応菌種>

本剤に感性のバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム
<適応症>

各種感染症

【効能B】
<適応菌種>

本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
<適応症>

敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎
用法 通常、成人及び12歳以上の小児はリネゾリドとして1日1200mgを2回に分け、1回600mgを12時間ごとに経口服用する。

通常、12歳未満の小児はリネゾリドとして1回10mg/kgを8時間ごとに経口服用する。なお、1回服用量として600mgを超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 骨髄抑制傾向から、赤血球や白血球、血小板などが減少してくることがあります。中止をすれば、まもなく回復しますので、早期発見のために、定期的に血液検査をおこなわなければなりません。

また、まれに乳酸アシドーシスや重い大腸炎を起こすことがあります。服用中および中止後2〜3週間までに、吐き気や嘔吐が繰り返しあらわれたり、頻回な下痢が続くようでしたら、すみやかに診察を受けるようにしてください。

そのほか、特異な副作用として視神経障害があります。とくに長期服用時に発現しやすいです。視力低下、色覚異常、かすみ目、視野の異常などに注意しましょう。もし、そのような症状に気付いたら、直ちに医師と連絡をとってください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 乳酸アシドーシス..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、筋肉痛、手足の震え・脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、息苦しい、息が荒い、深く大きい呼吸、意識低下。
  • 視神経症..物が見えにくい、ぼやける、視力の低下、視野の異常。
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
  • 低ナトリウム血症..だるい、吐き気、嘔吐、意識もうろう、意味不明な言動、けいれん。
  • 大腸炎..激しい腹痛、頻回な下痢、発熱、血液便、下血。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 下痢、吐き気、味覚の異常
  • 頭痛
  • 肝機能値の異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。