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成分(一般名) サイクロセリン
製品例 サイクロセリンカプセル250mg「明治」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 主に抗酸性菌用剤/サイクロセリン/抗結核性抗生物質製剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 結核菌を死滅させるお薬です。結核の治療に用います。
作用結核は、結核菌が増殖し、体をむしばんでいく病気です。おもな病変部位は肺で、かつては肺病として恐れられました。近年は少なくなったものの、先進国の中では以前高い水準で油断はできません。最近、学校や老人ホームでの集団感染、あるいは病院での院内感染も目立ちます。

このお薬の有効成分は抗生物質のサイクロセリンです。結核菌を殺菌する作用があります。菌が死滅すれば、結核の病気も治ります。治療効果はやや劣るので、通常、初期治療として第一選択することはありません。第一線薬4剤のいずれかが副作用または薬剤耐性などの理由で使用できない場合に、代替薬として用いられます。
特徴抗生物質の仲間で、結核菌に抗菌力を発揮します。抗結核薬として第二線薬の位置付けです。ふつう、他の抗結核薬の効き目が悪いときに追加して用います。略号はCS。
注意
【診察で】
  • 持病のある人、また、妊娠中の人は医師に伝えてください。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 副作用や注意事項について、医師から十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで使用するようにしましょう。

【注意する人】

てんかんや、心の病気のある人は、その病状が悪化するおそれがあります。腎臓の悪い人や高齢の人も、服用量に注意するなど慎重に用います。

  • 適さないケース..てんかん、うつ病、精神系の病気のある人。
  • 注意が必要なケース..腎臓病、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 他の抗結核薬と併用するときは、副作用の増強に注意します。
  • アルコールは病気の治りを悪くしますし、精神・神経系の副作用を起こしやすくします。飲酒は控えましょう。

【使用にあたり】
  • 症状や治療方針によって、飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
  • 指示された期間続けることが大事です。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなります。

【検査】

必要な検査を受けて、副作用や効果をチェックするようにしましょう。

【食生活】

めまいや眠気がするかもしれません。車の運転や高所での危険な作業には十分注意しましょう。

【備考】
  • 結核の治療は、複数の抗結核薬による併用療法をおこなうのが基本です。併用により短期治癒を可能とし、また耐性出現を防ぐことができるのです。通常、初めの2ヵ月間は第一線薬のイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールの4剤による強化療法をおこないます。エタンブトールの代わりに注射用抗結核薬のストレプトマイシンを代用することも可能です。その後の4ヵ月間はイスコチンとリファンピシンの2剤に減らし、合計6ヵ月間で治療を終了します。
  • 高齢の人、または肝臓が悪くピラジナミドが使いにくい場合に適用される別の治療法もあります。イスコチン、リファンピシン、エタンブトール(またはSM)の3剤で2ヵ月間初期治療をおこない、その後イスコチンとリファンピシンのンの2剤による維持療法を7ヵ月間続ける方法です
  • 多剤耐性結核とは、少なくともリファンピシンとイソニアジドに耐性をもつ結核菌による結核のことです。多剤耐性結核の治療は、感受性のある複数の抗結核薬を使用しておこないます。リファンピシンとイソニアジドは原則使用できないので、第一線薬のエタンブトールとピラジナミドに、アミノ糖とニューキノロン系抗菌薬を加えた4剤による治療が標準的です。そのほか、新規リファマイシン系抗生物質のミコブティンやデルティバも処方候補となります。これらのいずれかが、副作用や薬剤耐性で使用できない場合は、パラアミノサリチル酸やサイクロセリン(この薬)など第二線薬を代用することになります。
効能

【適応菌種】

本剤に感性の結核菌

【適応症】

肺結核、その他の結核症

【応用】

医師の判断で、別の病気に応用されるかもしれません(非定型抗酸菌症など)。
用法 通常成人は、サイクロセリンとして1回250mg(力価)を1日2回経口服用する。年齢、体重により適宜減量する。なお、原則として他の抗結核薬と併用すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 精神・神経系に悪い影響をする性質があります。多くはありませんが、けいれん発作、うつ症状、混乱状態など重い症状を引き起こすことがあります。酒量の多い人、腎臓の悪い人、また高齢の人などとくに注意が必要です。手足のふるえや筋肉のぴくつき、また精神的な変調を感じたら、すぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • けいれん..めまい、頭痛、ふるえ、手足のしびれ感、筋肉のぴくつき、意識低下、全身けいれん。
  • 錯乱..混乱・もうろう状態、取り乱す、意味不明な言動
  • 抑うつ..憂うつ、気分がひどく落ち込む、やる気がでない、悲観的、不安感、不眠。

【その他】
  • めまい、頭痛、眠気
  • 食欲不振、吐き気
  • 発疹、発熱
  • ふるえ、しびれ感、灼熱感

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。