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成分(一般名) 当帰飲子
製品例 ツムラ当帰飲子エキス顆粒(医療用) ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 漢方/漢方/漢方製剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 湿疹や乾燥肌のカユミに用いる漢方薬です。
作用

【働き】

当帰飲子(トウキインシ)という方剤です。皮膚にうるおいを与え、カユミをしずめる作用があります。そのため、分泌物の少ない湿疹や、乾燥肌のカユミに適します。体質的には、冷え症で顔色が悪く、体力のあまりない人に向く処方です。高齢の人にもよく用いられます。

【組成】

漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。当帰飲子は、主薬の“当帰”をはじめ、下記の10種類の生薬からなります。“当帰”と“川きゅう”と“地黄”は代表的な理血薬です。体の血行をよくして体をあたためるとともに、水分を保持する作用があります。“防風”と“荊芥”は発散性の生薬で、皮膚病の病因を発散して治します。また、滋養作用のある“黄耆”や“何首鳥”・“しつ梨子”は皮膚の栄養を高めるのに役立ちます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 地黄(ジオウ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 荊芥(ケイガイ)
  • 防風(ボウフウ)
  • 黄耆(オウギ)
  • 何首鳥(カシュウ)
  • しつ梨子(シツリシ)
  • 甘草(カンゾウ)
特徴
  • 皮膚病用の代表的な方剤です。カサカサ乾燥しているものに用いるのがポイントです。ジュクジュクと湿潤しているものには適しません。宋時代の「済生方」という古典書にのっている処方です。
  • 適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、燥証(乾燥)、血虚(血流不足・貧血症状)となります。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は慎重に用いるようにします。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

  • 飲み合わせに注意..甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
  • もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
  • 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

【備考】
  • 漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
  • 漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
  • 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、当帰飲子をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
効能 冷え症のものの次の諸症。
  • 慢性湿疹(分泌物の少ないもの)、かゆみ。
用法 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、胃の不快感やもたれ感、食欲不振、吐き気などを催します。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。

【その他】
  • 食欲不振、胃の不快感、吐き気、吐く、下痢
  • 発疹、発赤、かゆみ

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。