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成分(一般名) 柴胡桂枝乾姜湯
製品例 ツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒(医療用)、コタロー柴胡桂枝乾姜湯エキス細粒 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 漢方/漢方/漢方製剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 心と体をおだやかにする漢方薬です。
作用

【働き】

柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)という方剤です。体の熱や炎症をひき、また神経の疲れをいやして、心と体の状態をよくします。体力のあまりない繊細な人で、ミゾウチから肋骨下部に張りのあるときに向いています。

具体的には、カゼがこじれて微熱や頭痛が続くとき、更年期障害や血の道症、神経症や不眠症、また精神面がかかわる動悸などにも適応します。

【組成】

漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。柴胡桂枝乾姜湯は、主薬の“柴胡”と“桂枝(桂皮)”、“乾姜”をふくめ、下記の7種類の生薬からなります。“柴胡”と“黄ごん”の組み合わせにより、炎症をしずめる効果が高まり、“桂皮”は熱や痛みを発散させます。“乾姜”は体をあたため体力を補う生薬です。そのほか、気分を落ち着ける“牡蛎”、のどを潤す“か楼根”、緩和作用のある“甘草”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  • 柴胡(サイコ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 乾姜(カンキョウ)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 牡蛎(ボレイ)
  • か楼根(カロコン)
  • 甘草(カンゾウ)
特徴
  • 方剤構成から“柴胡剤”に分類され、そのなかでもっとも体力のない虚証向けの方剤です。漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されています。
  • 適応証(体質)は、虚証(虚弱)、胸脇苦満(肋骨下部の張り)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)となります。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

  • 飲み合わせに注意..甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
  • もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
  • 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

【備考】
  • 漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
  • 漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
  • 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、柴胡桂枝乾姜湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
効能

【ツムラ・他】

体力が弱く、冷え症、貧血気味で、動悸、息切れがあり、神経過敏のものの次の諸症。

  • 更年期障害、血の道症、神経症、不眠症。

【コタロー】

衰弱して血色悪く、微熱、頭汗、盗汗、胸内苦悶、疲労けん怠感、食欲不振などがあり、胸部あるいは臍部周辺に動悸を自覚し、神経衰弱気味で、不眠、軟便の傾向があって、尿量減少し、口内がかわいて空咳などがあるもの。

  • 感冒、心臓衰弱、胸部疾患・肝臓病などの消耗性疾患の体力増強、貧血症、神経衰弱、不眠症、更年期神経症。
用法 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなることがあるかもしれません。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。

そのほか、間質性肺炎と肝障害が報告されています。万一のことですが、咳や息切れ、呼吸困難、発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、といった症状に注意し、そのような場合はすぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
  • 発疹、発赤、かゆみ
  • 肝機能の異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。