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成分(一般名) ルパタジン フマル酸塩
製品例 ルパフィン錠10mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他のアレルギー用薬/抗ヒスタミン薬/アレルギー性疾患治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 アレルギーの症状をおさえるお薬です。
作用

【働き】

アレルギーの発症には、ヒスタミンという体内物質が関与しています。このお薬は、ヒスタミンの受容体をブロックし、その働きをおさえることで アレルギー症状を緩和します。花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎、ダニやハウスダストで起こる通年性アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹のかゆみなどに有効です。ただし、対症療法薬ですので、アレルギーの原因そのものは治せません。

【薬理】

抗原に対するアレルギー反応がはじまると、免疫系の細胞(肥満細胞)からヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されます。そして、ヒスタミンはある種の神経受容体(H1受容体)と結合し、その刺激によりさまざまなアレルギー症状が誘発されるのです。この薬の主作用は、ヒスタミンの受容体を遮断することです。加えて、炎症や気管支収縮などにかかわる血小板活性化因子(PAF)をおさえる作用もあります。

【臨床試験-1】

この薬の効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、季節性アレルギー性鼻炎の患者さん約900人です。そして、3つのグループに分かれ、第1のグループは低用量(10mg/日)を服用、第2のグループは高用量(20mg/日)を、第3のグループはプラセボを服用します。ここで大事なのは、グループ分けはくじ引きでおこない、薬の中身を患者さんにも医師にも伝えないことです(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。

効果の判定は、4つの鼻症状を点数化しておこないます。点数が低ければ軽症、高いほど重症です。具体的には、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感の4項目を各0点〜4点(症状なし〜最重度)で評価し、その合計点(0点〜16点)の変化量をもって比較します。くしゃみの例では、くしゃみ回数が1日に21回以上で4点、0回なら0点です。患者さんには規定通りに日記をつけてもらい、それをもとに判定します。ちなみに試験に参加した患者さんの服薬前の平均点はおよそ10点くらいでした。

2週間服用した結果、この薬を低用量使用した人達は平均1.9点低下(9.6点→7.7点)、高用量の人達は2.3点低下(9.8点→7.5点)、プラセボの人達は0.8点低下(9.6点→8.8点)しました。低用量、高用量ともにプラセボより下げ幅が大きく、統計学的にププラセボに対する優越性が認められました。この薬の季節性アレルギー性鼻炎に対する有効性が確かめられたわけです。安全性については、大きな問題はないものの、傾眠の発現率が、プラセボの0.7%(2/302人)に対し、この薬(10mg/日)では7%(21/298人)と高率でした。

【臨床試験-2】

蕁麻疹に対する試験もおこなわれています。参加したのは、慢性蕁麻疹の患者さん約300人。3つのグループに分かれ、第1のグループは低用量(10mg/日)を服用、第2のグループは高用量(20mg/日)を、第3のグループはプラセボ(にせ薬)を服用します。もちろん、グループ分けはくじ引きでおこない、薬の中身を患者さんにも医師にも伝えません(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。

効果の判定は、蕁麻疹の痒み症状を点数化しておこないます。点数が低ければ軽症、高いほど重症です。具体的には、日中の痒みと夜間の痒みをそれぞれ0点〜4点(症状なし〜最重度)で評価し、その合計点(0点〜8点)の変化量をもって比較します。たとえば「痒みがほとんどない」なら0点、日中に「いてもたってもいられない痒み」があれば4点、夜間「痒くてほとんど眠れない」なら4点です。患者さんには規定通りに日記をつけてもらい、それをもとに判定します。ちなみに試験に参加した患者さんの服薬前の平均点はおよそ5点くらいでした。

2週間服用した結果、この薬を低用量使用した人達は平均3.3点低下(5.0点→1.7点)、高用量の人達も3.3点低下(4.7点→1.4点)、プラセボの人達は1.2点低下(4.7点→3.5点)しました。この薬のほうがプラセボより2点ほど下げ幅が大きく、統計学的にププラセボに対する優越性が認められました。この薬の蕁麻疹の痒みに対する有効性が確かめられたわけです。
特徴
  • 広く抗アレルギー薬に分類される第2世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)です。第2世代の特徴は、ヒスタミン受容体に対する選択性が高く、抗コリン作用などよけいな作用が減弱されている点です。このため、第1世代に多い口の渇きや排尿障害などの副作用がほとんどみられません。
  • 主作用の抗ヒスタミン作用に加え、抗PAF(PAF:platelet activating factor 血小板活性化因子)作用を併せ持ちます。抗PAF作用により、炎症の腫れや夜間鼻閉など遅延型アレルギー症状にも一定の効果が期待できそうです。化学構造は、抗ヒスタミン作用をもつピペリジニル構造と、抗PAF作用をもつルチジニル構造から成るN-アルキルピリジン誘導体になります。
  • 旧来の抗ヒスタミン薬のような強い眠気は起こしにくいものの、新世代抗ヒスタミン薬のなかでは傾眠発現率が高い傾向がみられます。車の運転は制限されることになりました。
  • 比較的速効性で、持続時間も長いほうです。1日1回服用で、まもなく効果があらわれ1日とおして効きます。とくに くしゃみ・鼻水に効果が高く、鼻づまりや目のかゆみにもそこそこ効きます。皮膚科領域では、蕁麻疹に有効性が高く、主要治療薬のひとつです。アトピー性皮膚炎に対しては、かゆみの軽減を期待して処方されます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

【注意する人】

腎臓や肝臓の悪い人、高齢の人は、血中濃度の上昇に注意するなど慎重に用います。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。たとえば、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)やエリスロマイシン(エリスロシン)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)などです。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回、1回に1錠を服用します。症状によっては2錠まで増量できます。飲む時間は医師の指示どおりにしてください。食事と関係なく飲めます。
  • すぐに効いてきますが、十分な効果がでるまでに数日かかることがあります。このため、花粉症では予防的に飛散直前に開始するほうが望ましいです。その後も決められた期間続けてください。
  • 飲み忘れた場合、気づいたときに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近ければ、1回分は抜かし次の通常の時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。

【食生活】
  • 人によっては眠気をもよおします。また眠くなくても集中力や注意力が低下することがあります。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作や作業は避けてください。
  • グレープフルーツジュースは飲まないほうがよいでしょう。この薬の血中濃度が上昇し副作用が増強するおそれがあるためです。
  • アルコールは眠気の副作用をでやすくします。注意してください。
効能
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
用法 通常、12歳以上の小児及び成人はルパタジンとして1回10mgを1日1回経口服用する。なお、症状に応じて、ルパタジンとして1回20mgに増量できる。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。人によっては眠くなるかもしれません。ひどいようでしたら、早めに医師と相談してください。重いものはまずありませんが、長く続けるときは、定期的に肝機能検査を受ければ安心です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • けいれん..筋肉のぴくつき、ふるえ、白目、硬直、全身けいれん、意識低下・消失。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 眠気、だるい
  • 口の渇き
  • 肝機能値の異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。