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成分(一般名) デスロラタジン
製品例 デザレックス錠5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他のアレルギー用薬/抗ヒスタミン薬/持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 アレルギーの症状をおさえるお薬です。
作用

【働き】

アレルギーの発症には、ヒスタミンという体内物質が関与しています。このお薬は、ヒスタミンの受容体をブロックし、その働きをおさえることで アレルギー症状を緩和します。花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎、ダニやハウスダストで起こる通年性アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹のかゆみなどに有効です。ただし、対症療法薬ですので、アレルギーの原因そのものは治せません。

【薬理】

抗原の刺激でアレルギー反応がはじまると、免疫系の細胞(肥満細胞)からヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されます。そして、ヒスタミンはある種の神経受容体(H1受容体)と結合し、その刺激によりさまざまなアレルギー症状が誘発されるのです。この薬の主作用は、ヒスタミンの受容体を遮断することです。さらにプラスアルファの作用として、ロイコトリエンなど体内のアレルギー関連物質を抑制する作用もあわせもちます。一般的には抗ヒスタミン薬、専門的にはヒスタミンH1受容体拮抗と呼ばれています。

【臨床試験-1】

この薬の効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、通年性アレルギー性鼻炎の患者さん約600人です。そして、3つのグループに分かれ、第1のグループは低用量(5mg/日)を服用、第2のグループは高用量(10mg/日)を、第3のグループはプラセボを服用します。ここで大事なのは、グループ分けはくじ引きでおこない、薬の中身を患者さんにも医師にも伝えないことです(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。

効果の判定は、4つの鼻症状を点数化しておこないます。具体的には、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感の4項目を各0点〜3点(症状なし〜最重度)で評価し、その合計点(0点〜12点)の変化量をもって比較するのです。患者さんには規定通りに日記をつけてもらい、それを参考に担当医師が最終評価します。点数が低ければ軽症、高いほど重症です。ちなみに試験に参加した患者さんの服薬前の鼻症状合計点の平均は7.3点くらいでした。

2週間服用した結果、この薬を低用量使用した人達は平均2.0点低下(7.3点→5.3点)、高用量の人達は1.9点低下(7.3点→5.4点)、プラセボの人達は1.8点低下(7.2点→5.4点)しました。残念ながら、プラセボとあまり差がなく、統計学的にプラセボに対する優越性を示せませんでした。理由として、通年性アレルギー性鼻炎では、日常的に鼻症状があることから、鼻症状が7点以下の比較的軽症の患者さんでは症状の変化を精度よく捉えられなかったのではと推測されています。なお、鼻症状が8点以上の患者さんに限ると、プラセボと一定の差(-0.3点)が認められています。

【臨床試験-2】

次は季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する試験です。前述の通年性の試験結果を踏まえ計画されました。効果を実感しにくい軽症例は除外し、鼻症状点数が1日7点以上のより重度の季節性アレルギー性鼻炎の患者さんが対象です。患者日記も毎日正確に書いてもらうように徹底しました。

その結果、この薬を服用した人達は平均1.4点低下(8.3点→6.9点)、プラセボの人達は0.6点低下(8.4点→7.8点)しました。この薬のほうがプラセボより0.8点ほど下げ幅が大きく、統計学的にプラセボを上回る効果が認められたのです。この結果と、通年性を対象とした海外臨床試験、類似薬のロラタジンの試験結果などを踏まえ、この薬の通年性を含めたアレルギー性鼻炎に対する有効性はあると結論されました。

【臨床試験-3】

この薬の蕁麻疹に対する効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、蕁麻疹の患者さん239人です。そして、3つのグループに分かれ、第1のグループは低用量(5mg/日)を服用、第2のグループは高用量(10mg/日)を、第3のグループはプラセボを服用します。ここで大事なのは、グループ分けはくじ引きでおこない、薬の中身を患者さんにも医師にも伝えないことです(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。

効果の判定は、蕁麻疹の症状を点数化しておこないます。具体的には、痒み(0〜4点)、赤み(0〜3点)、盛り上がり(0〜3点)、総合(0〜3点)の4項目を点数化し、その合計点(0点〜13点)の変化量をもって比較するのです。患者さんには規定通りに日記をつけてもらい、それを参考に担当医師が最終評価します。点数が低ければ軽症、高いほど重症です。ちなみに試験に参加した患者さんの服薬前の合計点の平均は5点くらいでした。

2週間服用した結果、この薬を低用量使用した人達は平均3.2点低下(5.0点→1.8点)、高用量の人達も3.2点低下(5.1点→1.9点)、プラセボの人達は2.1点低下(4.9点→2.8点)しました。この薬のほうがプラセボより1.1点ほど下げ幅が大きく、統計学的にププラセボに対する優越性が認められました。この薬の蕁麻疹に対する有効性が確かめられたわけです。
特徴
  • 広く抗アレルギー薬に分類される第2世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)です。第2世代の特徴は、ヒスタミン受容体に対する選択性が高く、抗コリン作用などよけいな作用が減弱されている点です。このため、第1世代に多い口の渇きや排尿障害などの副作用がほとんどみられません。
  • 非鎮静性です。脂溶性が低く脳に入りにくいため、眠気の副作用もほとんどないとされます。実際、国内外臨床試験における傾眠の発現率と程度は、プラセボ(にせ薬)とほとんど変わりません。また、路上での自動車運転能力を評価した海外試験で、眠気増加や運転能力の低下は認められませんでした。このため車の運転をふくめ眠気に関する制限事項がありません。
  • 従来品のロラタジン(クラリチン)の主要活性代謝物になります。薬物間相互作用が少なく食事の影響を受けない点もよい特性の一つです。ロラタジンは食後服用になりますが、この薬は食事と関係なく服用可能です。
  • 比較的速効性で、持続時間も長いほうです。1日1回服用で、まもなく効果があらわれ1日とおして効きます。とくに くしゃみ・鼻水に効果が高く、鼻づまりや目のかゆみにもそこそこ効きます。皮膚科領域では、蕁麻疹に有効性が高く、主要治療薬のひとつです。アトピー性皮膚炎に対しては、かゆみの軽減効果を期待して処方されます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

【注意する人】

腎臓や肝臓の悪い人、また高齢の人は慎重に用います。てんかんのある人は発作の発現に注意が必要です。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)との併用により、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回、1回に1錠を服用します。飲む時間は医師の指示どおりにしてください。食事にかかわりなく服用可能です。
  • すぐに効いてきますが、十分な効果がでるまでに数日かかる場合があります。このため、花粉症では予防的に花粉の飛び始める直前から開始することがあります。その後も決められた期間続けてください。
  • 飲み忘れた場合は、気付いたときに すぐ飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の時間に1回分を服用してください。2回分を一度に飲んではいけません。
効能 アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
用法 通常、12歳以上の小児及び成人はデスロラタジンとして1回5mgを1日1回経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。従来の抗ヒスタミン薬に多くみられる眠気の副作用も軽減されています。

重い副作用はまずありませんが、長く飲み続けるときは定期的に肝機能検査を受けたほうがよいでしょう。また、もともと てんかんのある人は、てんかん発作の発現に念のため注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • けいれん..筋肉のぴくつき、ふるえ、白目、硬直、全身けいれん、意識低下・消失。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 眠気、だるい、頭痛
  • 口内の渇き
  • 動悸(ドキドキ感)

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。