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成分(一般名) フェキソフェナジン塩酸塩
製品例 アレグラ錠30mg~60mg、アレグラOD錠60mg、フェキソフェナジン塩酸塩DS6%「トーワ」、アレグラドライシロップ5% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他のアレルギー用薬/抗ヒスタミン薬/アレルギー性疾患治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 アレルギーの症状をおさえるお薬です。
作用

【働き】

アレルギーの発症には、ヒスタミンという体内物質が関与しています。このお薬は、ヒスタミンの受容体をブロックし、その働きをおさえることで アレルギー症状を緩和します。花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎、ダニやハウスダストで起こる通年性アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹のかゆみなどに有効です。ただし、対症療法薬ですので、アレルギーの原因そのものは治せません。

【薬理】

抗原の刺激でアレルギー反応がはじまると、免疫系の細胞(肥満細胞)からヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されます。そして、ヒスタミンはある種の神経受容体(H1受容体)と結合し、その刺激によりさまざまなアレルギー症状が誘発されるのです。この薬の主作用は、ヒスタミンの受容体を遮断することです。さらにプラスアルファの作用として、ロイコトリエンなどアレルギーに関係する化学伝達物質の遊離を抑制する作用もあわせもちます。

【臨床試験】

この薬の有効性をプラセボ(にせ薬)と比較するプラセボ対照二重盲検比較試験が海外でおこなわれています。効果の判定は、症状を5段階(4点〜0点)にスコア化し、患者さんが日記をつけて自己評価する方法でおこないます。データの信頼性が高く、世界的に認められている評価方法です。

  • じんま疹(かゆみスコアによる比較)..この薬でおおよそ1点減少したのに対し、プラセボでは平均0.5点の減少にとどまりました。(4点:病院へ行かなければならないほど重症。3点:非常にわずらわしい、日常生活や睡眠に影響する。2点:わずらわしい、日常生活や睡眠に影響する。1点:軽度のかゆみ、ほとんど気付かない、わずらわしくない。0点:かゆくない。)
  • アレルギー性鼻炎(症状スコアによる比較)..この薬で1.8点〜2.6点減少したのに対し、プラセボでは1.1点〜1.6点の減少にとどまりました。(4点:直ちに病院へ行かなければならないほど重症。3点:日常生活や睡眠に影響するほどわずらわしい。2点:日常生活や睡眠に影響しないが、わずらわしいことが多い。1点:症状はあるが、わずらわしくない。0点:症状なし)。
特徴
  • 広く抗アレルギー薬に分類される第2世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)です。第2世代の特徴は、ヒスタミン受容体に対する選択性が高く、抗コリン作用などよけいな作用が減弱されている点です。このため、第1世代に多い口の渇きや排尿障害などの副作用がほとんどみられません。
  • 非鎮静性です。脂溶性が低く脳に入りにくいので、眠気の副作用もほとんどないとされます。実際、自動車運転シミュレーター試験、ワープロ入力試験などによる精神運動能力の検証において、プラセボ(にせ薬)と差がありませんでした。このため車の運転をふくめ眠気に関する制限事項がありません。
  • 旧来品のテルフェナジン(トリルダン)を改良したその活性代謝物です。テルフェナジンの欠点とされた心臓への悪影響がなくなり、相互作用も少なくなりました。製造中止になったテルフェナジンに変わり、アレルギー性疾患に幅広く用いられるようになりました。
  • 比較的速効性で、持続時間も長いほうです。服用後、まもなく効いてきます。とくに、くしゃみや鼻水に効果が高く、鼻づまりや目のかゆみにもそこそこに効きます。アトピー性皮膚炎に対しては、かゆみの軽減効果を期待して処方されます。小児への用法・用量も設定されており、これに対応した30mg製剤も発売されています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)との併用に注意します。併用により、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。

【使用にあたり】
  • すぐに効いてきますが、十分な効果があらわれるまでに数日かかる場合があります。
  • 花粉症では、予防的に花粉の飛び始める直前から開始することがあります。その後も決められた期間続けてください。
  • 口腔内崩壊錠(OD錠)は、水なしでも飲めます。この場合、舌の上で唾液をしみこませ、舌で軽くつぶしてから、飲み込んでください。ただし、寝たままの状態では、水なしで飲まないようにしましょう。
効能
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
用法

【錠】

通常、成人はフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口服用する。通常、7歳以上12歳未満の小児はフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mgを1日2回、12歳以上の小児はフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口服用する。なお、症状により適宜増減する。

【ドライシロップ6%】

通常、成人はフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mg(ドライシロップとして1g)を1日2回、用時懸濁して経口服用する。通常、7歳以上12歳未満の小児はフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mg(ドライシロップとして0.5g)を1日2回、12歳以上の小児はフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mg(ドライシロップとして1g)を1日2回、用時懸濁して経口服用する。なお、症状により適宜増減する。

【ドライシロップ5%】
<成人>

通常、成人にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mg(ドライシロップとして1.2g)を1日2回、用時懸濁して経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
<小児>

通常、12歳以上の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mg(ドライシロップとして1.2g)、7歳以上12歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mg(ドライシロップとして0.6g)を1日2回、用時懸濁して経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

通常、2歳以上7歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mg(ドライシロップとして0.6g)、6ヵ月以上2歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回15mg(ドライシロップとして0.3g)を1日2回、用時懸濁して経口投与する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 従来の抗ヒスタミン薬に比べ、眠くなることがほとんどありません。おもな副作用は頭痛(4.7%)、眠気(2.0%)、吐き気(1.1%)などですが、副作用の発現率はプラセボ(にせ薬)と差がなかったようです。

重い副作用は頻度的にまずありませんが、服用が長期になるときは、念のため定期的に肝機能検査を受けたほうがよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 無顆粒球症、白血球減少..発熱、のどの痛み、口内炎、咳、痰、だるい。

【その他】
  • 頭痛、頭重感、眠気、だるい、めまい
  • 吐き気、口の渇き、腹痛
  • 発疹、肝機能値の異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。