概説 |
アレルギー症状をおさえるお薬です。アレルギー性の病気に用います。また、傷口をきれいに治す働きもあります。 |
作用 |  【働き】
- アレルギーの発症には、ヒスタミンやロイコトリエンなどいろいろな体内物質が関与しています。このお薬は、そのような物質をおさえることで、アレルギー症状を改善します。クシャミ、鼻水、鼻づまりに有効です。ただし、アレルギーの原因そのものは治せません。
- アトピー性皮膚炎では、カユミの軽減効果が期待できます。軽い喘息にも適応しますが、この場合は他の薬の補助薬として用います。
- 傷あとに生じるケロイドをおさえて、傷口をきれいに治す働きがあります。このため、外傷や火傷、手術のあとに処方することがあります。

- 【薬理】

- ヒスタミンなど化学伝達物質の遊離を抑制することで、アレルギー反応をおさえます。また、サイトカインや活性酸素を抑制して、傷に生じるケロイドを防ぎます。
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特徴 |
- 抗アレルギー薬のうちの「化学伝達物質遊離抑制薬」に分類されます。従来の抗ヒスタミン薬にみられる眠気や口の渇きの副作用がありません。
- ケロイド・肥厚性瘢痕に対する適応があります。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人、また妊娠中の人は、医師に伝えてください。
- 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 肝臓や腎臓の悪い人は、定期的に検査をおこなうなど慎重に用います。
 【使用にあたり】
- 症状により、用法用量が異なります。指示通りにご使用ください。
- とくに喘息では、よい効果がでるまでに1カ月以上かかることがあります。毎日規則的に服用する必要があります。
- 予防薬ですので、喘息発作を直接止める作用はありません。発作時には、気管支拡張作用のある吸入薬を用いてください。
- 花粉症では、予防的に飛散1〜2週間前から開始することがあります。その後も決められた期間続けてください。

- 【検査】

- 長期に続けるときは、定期的に血液や尿の検査を受けたほうがよいでしょう。とくに肝機能検査が大切です。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠中の服用は控えでください。大量投与による動物実験で悪い影響が報告されています(人ではよく分かっていません)。
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効能 |
- 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎。
- ケロイド・肥厚性瘢痕。
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用法 |
- カプセル・錠..通常、成人は1回トラニラストとして100mg(1カプセルまたは1錠)を1日3回経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
- 細粒..通常、成人は1回1g(トラニラストとして100mg)を1日3回経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。通常、小児は1日量0.05g/kg(トラニラストとして5mg/kg)を3回に分けて経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
- ドライシロップ..通常、小児は1日量0.1g/kg(トラニラストとして5mg/kg)を3回に分け、用時懸濁して経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
多くはありませんが、膀胱炎のような副作用が知られています。頻尿や排尿痛、血尿などの症状がみられたら受診してください。
そのほかの重い副作用はまずありませんが、長期に用いるときは、定期的に血液や肝機能検査を受けたほうがよいでしょう。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 膀胱炎様症状..尿の回数が多い、排尿時の痛み、排尿後もスッキリしない、血尿。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
 【その他】
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