概説 |
関節リウマチを治療するお薬です。 |
作用 | リウマチは、体の免疫系がかかわっている膠原病の一種です。関節に強い炎症を生じ、腫れや痛みをともないます。やがて、関節の骨や軟骨が破壊され、変形とともにその機能が失われます。
このお薬は、抗リウマチ薬です。体の異常な免疫機能を正常化する作用があります。そして、関節の痛みや腫れをひき、病気の進行を遅らせます。効果が高く、3人に2人くらいの割合で有効です。 |
特徴 | 疾患修飾性抗リウマチ薬(免疫調節薬)の部類です。従来品のメタルカプターゼを改良してつくられました。臨床試験でも、関節リウマチに有効なことが確かめられています。副作用は少し軽減されているようですが、やはり定期的に検査をおこなう必要があります。最近は、他の新薬に処方が移り、昔ほどは使われなくなりました。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中の人は、医師に伝えてください。
- 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
- 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告するようにしてください。

- 【注意する人】

- 病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。血液に病気のある人や腎臓の悪い人は副作用がでやすく、使用できないことがあります。
- 適さないケース..血液障害、骨髄抑制、腎臓病のある人など。
- 注意が必要なケース..手術後、体の弱っている人、肝臓病、腎臓病の既往歴のある人など。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方を厳守してください。症状によって飲む量や飲み方が違います。少量より開始し、効果や副作用をチェックしながら徐々に増量することがあります。また、1日おきなど変則的な飲み方になるかもしれません。誤って過量を飲むと重い副作用がでやすくなりますので注意してください。
- よい効果がでるまでに2カ月くらいかかることがあります。指示された期間続けましょう。

- 【検査】

- 定期的に、血液や腎臓の検査を受けなければなりません。副作用や効果をチェックするためにどうしても必要です。
 【備考】
- 関節リウマチの治療目標は、関節の破壊をおさえ その機能を維持すること、さらには生命予後を改善することです。そのためには、発症早期から抗リウマチ薬による十分な治療が必要です。最近は、メトトレキサート(リウマトレックス)や生物学的製剤(注射)などによる強力な治療が積極的におこなわれるようになりました。
- 抗リウマチ薬の効きかたには個人差があります。劇的に効く人もいれば、逆にまったく効果がないこともあります。ですから、半年くらい使用しても効果がまったくない場合は、別の薬に切り替えなければなりません。その人にもっとも適した薬を選ぶことが重要です。
- リウマチそのものを治せる薬はありません。関節リウマチの治療では、いくつかの薬を長期間使用することになります。有益性と副作用について正しく理解したうえで、薬と上手につきあっていってください。きちんと治療を続ければ、病気の進行を止めたり遅らせることが十分可能です。
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効能 |
関節リウマチ。 |
用法 |
本剤は消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常成人、1回ブシラミンとして100mgを1日3回(300mg)食後に経口服用する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じ、また、効果の得られた後には1日量100〜300mgの範囲で服用する。1日最大用量は300mgとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
リウマチの薬は、副作用が多いほうです。けれど、定期的に検査を受け、きちんとチェックをしていれば、たいてい重くなる前に防げます。なにか、いつもと違う症状に気づいたら、すぐに医師に連絡してください。
わりと多いのは、発疹や発赤、皮膚のかゆみ、吐き気、口内炎、味覚の異常などです。味覚異常には亜鉛を補給するとよいようですから、医師とよく相談してみましょう。
重い副作用でとくに注意が必要なのは、血液障害と腎障害、それと肺障害です。血液の血球が減少したり、尿蛋白や血尿をみることがあります。重症化することはまれですが、発熱やノドの痛み、出血傾向、から咳、息苦しい、などの初期症状に注意が必要です。そのほかは多くありませんが、筋無力症や多発性筋炎など新たな免疫系の病気が出現することがあります。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
- 肺障害(間質性肺炎など)..息切れ、息苦しさ、から咳、痰、発熱。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
- 新たな免疫系の病気..脱力、筋力低下、まぶたが下がる、手足のしびれ、麻痺、発赤、皮下出血、筋肉痛、神経痛、関節痛、目の見え方がおかしい。
- ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
- 発疹、かゆみ
- 食欲不振、吐き気、下痢
- 口内炎、味覚の異常
- 手足のしびれ、めまい、頭痛
- 肝機能値の異常、腎機能異常(尿蛋白、血尿)
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