概説 |
白血病や消化管間質腫瘍を治療するお薬です。 |
作用 | 
- 【作用-1】

- 血液は骨の内部の骨髄でつくられます。慢性骨髄性白血病は、骨髄の細胞のがん化により、白血球の一種の顆粒球が異常増殖する病気です。
このお薬は、白血病細胞の増殖を進めるBCR-ABLチロシンキナーゼという酵素のはたらきを阻害します。その結果、骨髄のがん細胞の異常増殖が止まり、血液が正常になります。
慢性骨髄性白血病に対する有効率はかなり高く、血液が正常化する割合がおおよそ90%、遺伝子レベルでほぼ完治(完全寛解)する割合が40%〜80%くらいです。寛解することにより、急性転化(急激な悪化)が回避され、より長生きにつながる可能性が高いです。

- 【作用-2】

- 消化管間質腫瘍(GIST)は、食道や胃、小腸、大腸などの消化管粘膜の下層に発生する腫瘍です(一般的な粘膜がんとは異なります)。悪性の場合、肝臓に転移することも多いです。
このお薬は、消化管間質腫瘍の増殖を進めるKITチロシンキナーゼという酵素のはたらきを阻害します。その結果、病気の進行がおさまり、より長生きできる可能性があります。おおよそ、半分くらいの人に有効です。
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特徴 |
- いわゆる「分子標的治療薬」と呼ばれる新薬です。がん細胞の増殖過程における指令系統を分子レベルでブロックします。
- 非常に高い有効率を示すことから、慢性骨髄性白血病に対する標準治療薬として期待されています。長生き効果を検証する長期臨床試験の結果が待たれるところです。
- 消化管間質腫瘍にもっとも有効な抗がん薬の一つです。ただし、その効果は十分とはいえず、完治させるのは困難です。まったく効かないケースも少なくありません。
- 理論的にはがん細胞にだけ作用するので、従来の抗がん薬に比べ副作用は少なくまた軽いと考えられます。一方で、むくみや筋けいれんなど変わった副作用がみられます。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
- 注意事項や副作用を含め、医師から この薬の有効性や安全性について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。

- 【注意する人】

- 肝臓病の人は、服用量に注意するなど慎重に用いるようにします。
- 注意が必要なケース..肝臓病、、心臓病、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、薬の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。
- アゾール系抗真菌薬(イトリゾール等)やマクロライド系抗生物質(エリスロシン、クラリス等)は、この薬の血中濃度を上昇させ重い副作用をまねくおそれがあります。
- 抗結核薬(リマクタン等)や抗けいれん薬(アレビアチン、ヒダントール、テグレトール、フェノバール等)など 一部の薬との併用により、この薬の作用が弱まるかもしれません。
- 抗血栓薬のワルファリンの作用が強まり、出血を生じたという報告があります。
- グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなるおそれがあります。
- セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は控えてください。この薬の作用を弱めるかもしれません。
 【使用にあたり】
- 病状や治療方針によって飲み方が違います。決められた飲み方を厳守してください。
- 発熱や、空咳、息切れ、下痢など、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに医師と相談してください。

- 【検査】

- 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。とくに、血液や肝機能の検査が重要です。
 【食生活】
- 眠気やめまい、かすみ目を生じることがあります。危険な作業、高所作業、車の運転などには十分注意してください。
- “むくみ”の副作用予防に、塩分は控えめにしたほうがよいでしょう。
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効能 |

- 【効能A】

- 慢性骨髄性白血病

- 【効能B】

- KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍

- 【効能C】

- フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
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用法 |
 【効能A】- <慢性期>

- 通常、成人はイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口服用する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日1回600mgまで増量できる。
- <移行期又は急性期>

- 通常、成人はイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口服用する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日800mg(400mgを1日2回)まで増量できる。

- 【効能B】

- 通常、成人はイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口服用する。なお、年齢・症状により適宜減量する。

- 【効能C】

- 通常、成人はイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口服用する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜減量する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
吐き気や嘔吐、下痢、むくみ、体重増加、筋肉痛、筋肉のつっぱり・けいれん、発疹など、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。
副作用でもっとも重要なのが白血球減少症など血液の障害です。白血球が極端に減少すると、体の抵抗力がひどく落ちて感染症にかかりやすくなります。また、血小板減少により出血を生じることもあります。発熱やのどの痛み、あるいは歯茎出血・皮下出血など出血傾向に注意しましょう。
そのほか、多くはありませんが、胸水や肺水腫、腹水、肝障害、腎障害、間質性肺炎などを起こすことがあります。下記のような初期症状をふまえ、なにか普段と違う「おかしいな」と感じたら、すぐ医師と連絡をとってください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
- 出血(脳出血、硬膜下出血、消化管出血)..激しい頭痛、片側の麻痺、うまく話せない、腹痛、下血(黒いタール状の便)、吐血。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
- 重篤な体液貯留(胸水、肺水腫、腹水、心不全)..息苦しい、胸が苦しい、むくみ、体重増加。
- 腎臓の重い症状..発熱、発疹、だるい、吐き気、むくみ、尿の濁り・泡立ち、血尿、頻尿、尿が少ない・出ない、側腹部痛、腰痛。
- 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
- 重い皮膚症状..高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血。
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
- 食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
- むくみ、体重増加
- 筋肉痛、筋肉のつっぱり・けいれん、関節痛
- 発疹、かゆみ
- 頭痛、不眠、眠気
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