概説 |
乳がんを治療するお薬です。 |
作用 | 乳がんは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けて大きくなる性質があります。このお薬は、乳がん細胞にあるエストロゲン受容体をブロックすることで、がん細胞の増殖をおさえます。その結果、腫瘍の勢いがなくなり、病状がおさまります。
そのような作用から、ホルモン療法として乳がんの治療に適用します。手術後の再発予防目的に補助療法として用いることも多いです。ホルモン反応性(ER陽性)の乳がんの場合、6割くらいの人によい効果を示します。 |
特徴 |
- 非ステロイド性の抗女性ホルモン薬(抗エストロゲン薬)です。略号はTAM。男性ホルモン様作用がなく、副作用も少ないほうです。優れた有効性が認められており、術後補助療法を含め 乳がんの標準治療薬として広く用いられています。
- エストロゲン受容体陽性(ER陽性)で、その濃度が高いほどよく効きます。この場合、半数以上の人に有効です。逆に、エストロゲン受容体陰性(ER陰性)の場合は効き目が悪いです。
|
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に伝えてください。妊娠していないことを確認したうえで使用する必要があります。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。

- 【注意する人】

- 白血球減少や血小板減少など血液に異常のある人は慎重に用いるようにします。妊娠中は禁止です。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 抗血栓薬のワルファリン(ワーファリン)や抗エイズウイルス薬のリトナビル(ノービア)の作用を増強するおそれがあるため、これらとの併用には注意が必要です。
- 結核の薬のリファンピシン(リマクタン)や一部の抗うつ薬(SSRI)は、この薬の作用を減弱させる可能性があります。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。再発予防のために長期服用となることも多いです。決められた期間きちんと続けましょう。
- 服用中はピル(経口避妊薬)以外の方法で避妊してください。

- 【検査】

- 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。
 【食生活】
- たとえば長時間飛行など、体を動かせない状態が長く続くと、血栓症のリスクが少し高まるかもしれません。水分を多くとり、できるだけ体を動かすようにしましょう。
- できたらタバコは控えましょう。タバコは血栓症の危険性を増やします。
|
効能 |
乳癌 |
用法 |
通常、成人はタモキシフェンとして1日20mgを1〜2回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量はタモキシフェンとして40mgまでとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
人によっては生理が不順になることがあります。吐き気や嘔吐、食欲不振などもみられます。重いものは少ないですが、この薬に特徴的なのが目の副作用です。視力の低下やかすみ目、視野の異常などに注意しましょう。
そのほか、血栓症にも念のため注意が必要です。血液の固まりで血管が詰まることで起こります。生じる所はいろいろです。手足、とくにふくらはぎの痛みやシビレ、突然の息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、めまい、急に視力が落ちるといった症状が前触れとなります。万一のことですが、そのような症状があらわれたら、すぐ医師に連絡してください。
また、長期服用により子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜ポリープを生じるおそれがあります。さらに、まれな例ですが子宮内膜がんの報告もあるようです。もし、予定外の性器出血がみられたら、医師に報告するようにしてください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 視力異常・視覚障害..目の疲れ、視力低下、かすみ目、視野の異常
- 血栓症..手足の痛み・はれ・しびれ、胸の痛み、突然の息切れ・息が苦しい、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側の麻痺、うまく話せない、意識が薄れる。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
- 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮内膜ポリープ..性器不正出血、下腹部の強い痛み。
- 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
- アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
- 重い皮膚症状..高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血。
- 膵炎..上腹部〜背中の強い痛み、吐き気、吐く。
 【その他】
- 生理不順、無月経、性器不正出血
- 吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛
- 頭痛、めまい、ほてり、発汗、むくみ、体重増加
|