概説 |
がん細胞をおさえるお薬です。慢性骨髄性白血病など骨髄増殖疾患の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 細胞の遺伝情報を持つ“DNA”が作られるのを妨害して、がん細胞の分裂増殖をおさえます。その作用により、骨髄での血球の異常な産生をおさえ、血球数を正常化させます。
骨髄増殖疾患のひとつである「慢性骨髄性白血病」の治療に適用するほか、血小板が多くなりすぎる「真性血小板血症」や、赤血球の増加をともなう「真性多血症」(真性赤血球増加症)の治療にも用います。

- 【薬理】

- DNAの合成にかかわるリボヌクレオチドレダクターゼという酵素の働きを阻害することにより抗腫瘍作用を発揮します。そのようにして核酸の代謝系をじゃますることから、「代謝拮抗薬」と呼ばれる部類に入ります。
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特徴 |
- 代謝拮抗薬の一種で、略号はHYD。アルキル化薬のマブリンに比べ、副作用が軽く使いやすいです。ただ、イマチニブ(グリベック)など優れた新薬の登場により処方機会は少なくなりました。
- 白血球数のコントロールに有用ですが、病気そのものを治すことは困難です。チロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブやインターフェロン療法、もしくは骨髄移植を優先し、それに次ぐ補助的な役目をするものです。白血球数が落ち着いたら、イマチニブなどに処方変更するようにします。
- 2013年に本態性血小板血症と真性多血症の効能が公知申請としいう特例扱いで正式に承認されました。海外の臨床試験で それらに対する有効性が示されていることから、国内外で一次治療薬として推奨されています。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
- 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。この薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。

- 【注意する人】

- 病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。また、腎臓病や肝臓病のある人は、用量に注意するなど慎重に用いるようにします。妊娠中は禁止です。
- 適さないケース..妊娠中
- 注意が必要なケース..骨髄抑制、腎臓病、肝臓病、感染症、水痘(水ぼうそう)のある人。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方を厳守してください。
- 発熱やかぜ症状を含め、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに医師と相談してください。

- 【検査】

- 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。
 【妊娠・授乳】
- 催奇形性が疑われる薬です。このため、妊婦中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。また、妊娠する可能性のある女性は、服薬中および服薬終了後一定期間は適切な方法で避妊する必要があります。
- 男性側の遺伝毒性が報告されています。パートナーが妊娠する可能性のある男性は、服薬中および服薬終了後一定期間は適切な方法で避妊してください。
- 授乳は中止してください。
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効能 |
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用法 |
ヒドロキシカルバミドとして、通常成人1日500mg〜2,000mgを1〜3回に分けて経口服用する。寛解後の維持には1日500mg〜1,000mgを1〜2回に分けて経口服用する。なお、血液所見、症状、年齢、体重により初回量、維持量を適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
比較的安全な抗がん薬で、吐き気や嘔吐なども少ないほうです。副作用でもっとも重要なのが「骨髄抑制」にともなう血液障害です。白血球が必要以上に減少すると、体の抵抗力がひどく落ちて感染症にかかりやすくなります。また、血小板減少により出血を生じることもあります。発熱やのどの痛み、あるいは歯茎出血・皮下出血など出血傾向がみられたら、ただちに医師に連絡してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 重い感染症..発熱、けん怠感、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚発赤・小水疱・ピリピリ痛い、水ぶくれ、できもの。
- 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
- 皮膚潰瘍..皮膚の発赤・痛み、傷口ができる(とくに足)。
 【その他】
- 食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、口内炎
- 発疹、皮膚炎、かゆみ、色素沈着、脱毛
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