概説 |
血液中のアンモニアを減らすお薬です。肝硬変にともなう高アンモニア血症の治療に用います。 |
作用 | 肝硬変などで肝障害がひどくなると、アンモニアの代謝ができなくなり、血液中のアンモニアが増えてきます。アンモニアは脳に悪影響し眠気をもたらし、さらには人格変化、異常行動、ふるえなどを起こし昏睡に至ることもあります。肝性脳症です。
このお薬は、血液中のアンモニアを減らす働きをします。そのしくみは、乳酸菌を増やし腸内を酸性にし、悪玉のアンモニア産生菌を減らすことです。さらに便通もよくなるので、アンモニアの排泄が促進され吸収がおさえられるのです。
そのような作用から、肝障害にともなう高アンモニア血症の治療に用いられます。アンモニア濃度の低下により肝性脳症が改善され、また初回発症後の再発を予防します。 |
特徴 | 人工的に合成された合成二糖類です。消化吸収されることなく大腸に到達し、アンモニアの産生と吸収抑制、さらには排泄促進作用を発揮します。安全性が高いこともあり、肝性脳症に第一選択されます。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 糖尿病治療薬のαグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)といっしょに飲むと、腸内ガスの発生や下痢の副作用が起こりやすくなる可能性があります。
 【使用にあたり】
- 症状や年齢によって、飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。一般的には、少量より開始し、便通の具合に注意しながら増量していきます。
- その後も便通をみながら用量調節をおこないます。軽い軟便くらいがちょうどいいです。
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効能 |
非代償性肝硬変に伴う高アンモニア血症 |
用法 |
通常、成人はラクチトール水和物として1日量18〜36gを3回に分けて用時、水に溶解後経口服用する。なお、本剤の服用により下痢が惹起されることがあるので、初回服用量は1日量18gとして漸増し、便通状態として1日2〜3回程度の軟便がみられる量を服用する。ただし、1日量36gを超えないこととする。
- 注意:水様便があらわれた場合には、減量又は投与を一時中止すること。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
下痢が多いほうですが、高アンモニア血症の治療においては、軽い軟便くらいのほうがむしろ好ましいです。ひどい下痢が続くときは早めに受診してください。糖分が有効成分ですので、重い副作用はありません。
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