概説 |
骨を丈夫にするお薬です。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に用います。 |
作用 | 骨粗鬆症は、骨の代謝が悪くなり、骨がもろくなる病気です。腰痛や背骨の痛みをともなうほか、高齢の人では骨折をしやすくなります。
このお薬は、骨が弱るのを防ぎます。骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを抑えたり、骨を丈夫にするカルシトニンというホルモンの分泌を促進する作用があります。骨粗鬆症の治療に用いられています。 |
特徴 | イソフラボン誘導体の骨粗鬆症治療薬です。牧草のアルファルファに含まれるフラボノイドをもとにつくられました。作用はおだやかなほうで、骨粗鬆症の初期に向きます。長期使用時の有用性についてはよく分かっていません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 胃を荒らすことがあります。胃潰瘍など消化性潰瘍のある人は慎重に用います。
- 注意が必要なケース..消化性潰瘍、またはその既往歴のある人、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 卵胞ホルモン薬との併用は、副作用に注意するなど慎重におこないます。
- 飲み合わせに注意..卵胞ホルモン(プレマリン、エストリール、エストラダーム等)、テオフィリン(テオドール等)、ワルファリンなど。

- 【使用にあたり】

- 胃に負担をかけないよう、食後に多めの水で飲んでください。
 【食生活】
- バランスのよい食事を心がけましょう。とくに、カルシウム分やビタミンD、ビタミンKが大切です。カルシウムは乳製品や小魚に、ビタミンDはウナギやイワシ、レバーなどに多いです。ビタミンKは、納豆をはじめ、ホウレン草やブロッコリーなど野菜類にたくさん含まれます。
- 適度な運動も、骨量を増やし骨を丈夫にします。日光浴をかねた散歩やウォーキングが、その第一歩です。

- 【備考】

- 骨粗鬆症は、骨の代謝のバランスが崩れ、骨がスカスカになり、もろくなった状態です。とくに女性では、生理が終わると女性ホルモンが減少し、骨粗鬆症になりやすくなります(閉経後骨粗鬆症)。そのほか、ステロイド薬や子宮内膜症の薬(スプレキュア)による薬物性の骨粗鬆症も知られています。治療薬としては、この薬のほか、カルシウム剤、活性型ビタミンD、卵胞ホルモン(エストロゲン)、ビスホスホネート、ビタミンKなどが用いられています。薬だけに頼るのでなく、食生活の改善も大切です。
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効能 |
骨粗鬆症における骨量減少の改善。 |
用法 |
通常、成人はイプリフラボンとして1回200mg(1錠)を1日3回食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうですが、人によっては胃腸の調子が悪くなることがあります。消化性潰瘍や胃腸出血の報告もありますので、もともと胃腸の悪い人や高齢の人は念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)、便秘。
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
 【その他】
- 吐き気、食欲不振、胸やけ、胃痛
- 発疹、かゆみ
- めまい、ふらつき
- 女性化乳房(男性の胸が大きくなる)
- むくみ、舌のしびれ感、味覚異常
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