概説 |
膵臓を守るお薬です。おもに慢性膵炎の治療に用います。 |
作用 | 
- 【作用-1】

- 膵炎は、膵液(消化液)に含まれる消化酵素により膵臓自体が消化され傷つく病気です。はじめは腹痛をともなうことが多く、病気がすすむと下痢や消化不良を起こしやすくなります。
このお薬は、蛋白分解酵素阻害薬です。膵液に含まれるトリプシンなどの消化酵素(蛋白分解酵素)の働きを阻害する作用があります。膵液から膵臓を守るとともに、腹痛や吐き気などの自覚症状を軽減します。

- 【作用-2】

- 胃の働きが低下すると、膵液を含む消化液が食道に逆流してしまうことがあります。その刺激で食道が荒れ、胸焼けや胸の痛み・熱感などの症状がでてきます。
このお薬は、膵液中のトリプシンなどの消化酵素の働きを弱めます。そうすることで、逆流性食道炎にともなう不快な症状を改善します。
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特徴 | 飲み薬としては、唯一の蛋白分解酵素阻害薬です。慢性膵炎における比較的軽い急性症状に適します。激しい症状をともなう急性膵炎には、同系の注射薬による強力な治療が必要です。 |
注意 |

- 【診察で】

- アレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 急性膵炎や、絶食を必要とするような重い慢性膵炎には向きません。
 【使用にあたり】
- ふつう、1日3回毎食後に服用します。指示どおりに正しくお飲みください。
- 飲み忘れた場合は、気付いたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の時間に1回分を服用してください。2回分を一度に飲んではいけません。

- 【検査】

- 必要に応じ、肝機能検査や血清電解質検査をおこないます。

- 【食生活】

- アルコールは膵炎を悪化させます。この薬を飲み始めたとしても、必ず禁酒をしてください。

- 【備考】

- 膵臓は胃の裏の背中側にあり、細い管で十二指腸につながっています。膵臓の役わりの一つは、膵液(消化液)を十二指腸に排出し、食物の消化吸収を助けることです。膵炎は、なんらかの原因で、膵液により膵臓自体が消化され傷ついてしまう病気です。飲酒のほか胆石などにより引き起こされることが多いです。男性の場合、その多くは飲酒習慣によるアルコール性です。
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効能 |
- 慢性膵炎における急性症状の緩解。
- 術後逆流性食道炎。
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用法 |
- 慢性膵炎における急性症状の緩解には..通常1日量カモスタットメシル酸塩として600mgを3回に分けて経口服用する。症状により適宜増減する。
- 術後逆流性食道炎には..通常1日量カモスタットメシル酸塩として300mgを3回に分けて食後に経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
安全性が高く、副作用はほとんどありません。まれな副作用として、肝障害や高カリウム血症が報告されているようです。念のため以下のような症状に注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 血小板減少..鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 高カリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん。
 【副作用】
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