概説 |
便通をよくし、血液中のアンモニアを減らすお薬です。 |
作用 | 
- 【作用-1】

- 肝硬変などで肝障害がひどくなると、アンモニアの代謝ができなくなり、血液中のアンモニアが増えてきます。アンモニアは脳に悪影響し眠気をもたらし、さらには人格変化、異常行動、ふるえなどを起こし昏睡に至ることもあります。肝性脳症です。
このお薬は、血液中のアンモニアを減らす働きをします。そのしくみは、乳酸菌を増やし腸内を酸性にし、悪玉のアンモニア産生菌を減らすことです。さらに便通もよくなるので、アンモニアの排泄が促進され吸収がおさえられるのです。
そのような作用から、肝障害にともなう高アンモニア血症の治療に用いられます。アンモニア濃度の低下により肝性脳症が改善され、また初回発症後の再発を予防します。

- 【作用-2】

- 腸内の水分を増やし、便をやわらかくします。また、乳酸菌により乳酸や酢酸が産生され、その刺激で腸の運動がよくなります。便秘症に有効です。
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特徴 |
- 人工的に合成された合成二糖類です。消化吸収されることなく大腸に到達し、アンモニアの産生と吸収抑制、さらには排泄促進作用を発揮します。安全性が高いこともあり、肝性脳症に第一選択されます。
- 服用量が多く、飲みやすさの点で難があります。標準的なシロップ製剤にくわえ、味や携行性を改善したさまざまな製剤が販売されています。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 散剤(原末)を除き、シロップやゼリーには乳糖など糖分が含まれます。糖尿病のある人は気をつけてください。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 糖尿病治療薬のαグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)といっしょに飲むと、腸内ガスの発生や下痢の副作用が起こりやすくなる可能性があります。
 【使用にあたり】
- 症状や年齢によって、飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。一般的には、少量より開始し、便通の具合に注意しながら増量していきます。
- 高アンモニア血症では、便通をみながら用量調節します。軽い軟便くらいがちょうどいいです。
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効能 |
- 高アンモニア血症に伴う次の症候の改善//精神神経障害、脳波異常、手指振戦
- 産婦人科術後の排ガス・排便の促進
- 小児における便秘の改善(ゼリー除く)
- 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)(ラグノスNF経口ゼリー分包12gのみ)
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用法 |
 【シロップ(モニラックシロップ等)】
- 通常、成人1日量30〜60mL(ラクツロースとして19.5〜39g)を高アンモニア血症の場合3回、産婦人科術後の排ガス・排便の目的には朝夕2回に分けて経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
- 小児便秘症の場合、通常1日0.5〜2mL/kg(ラクツロースとして325〜1300mg/kg)を3回に分けて経口服用する。服用量は便性状により適宜増減する。
 【散(モニラック原末)】
- 通常、成人1日量19.5〜39.0gを高アンモニア血症の場合3回、産婦人科術後の排ガス・排便の目的には朝夕2回に分けて経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
- 小児便秘症の場合、通常1日0.33〜1.30g/kgを3回に分けて経口服用する。服用量は便性状により適宜増減する。

- 【ゼリー(一般)】

- 通常、成人1日量として、本剤48.1〜96.2g(3〜6包)を高アンモニア血症の場合3回、産婦人科術後の排ガス・排便の目的には朝夕2回 に分けて経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
 【ラグノスNF経口ゼリー】
- 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)..通常、成人は本剤24g(本剤2包)を1日2回経口服用する。症状により適宜増減するが、1日最高用量は72g(本剤6包)までとする。
- 高アンモニア血症に伴う次の症候の改善//精神神経障害、脳波異常、手指振戦..通常、成人は本剤12〜24g(本剤1〜2包)を1日3回(1日量として本剤3〜6包)経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
- 産婦人科術後の排ガス・排便の促進..通常、成人は本剤12〜36g(本剤1〜3包)を1日2回(1日量として本剤3〜6包)経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
下痢が多いほうです。ただ、高アンモニア血症の治療においては、軽い軟便くらいのほうが、効果が上げるうえでむしろ好ましいです。ひどい下痢が続くときは早めに受診してください。糖分が有効成分ですので、重い副作用はありません。
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