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成分(一般名) アロプリノール
製品例 ザイロリック錠50~100 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 痛風治療剤/アロプリノール/高尿酸血症治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 尿酸を減らすお薬です。痛風や高尿酸血症の治療に用います。
作用

【働き】

血液中の尿酸値が高いことを「高尿酸血症」といいます。目安は血中尿酸値が7.0mg/dLを超える場合です。痛風(急性関節炎)は、そのような状態で起こります。関節にたまった尿酸が結晶となり悪さをするのが原因です。

このお薬は、尿酸降下薬です。尿酸の生合成をおさえ、体内の尿酸を減らします。したがって、「尿酸産生過剰型」の人により適します。尿に排出される尿酸が減少するので、尿路結石を合併している人にも向きます。適応症は、痛風関節炎や痛風結節、あるいは高尿酸血症です。

【薬理】

尿酸は体内で、核酸からプリン体、ヒポキサンチン、さらにキサンチンを経て生成されます。この過程のうち、ヒポキサンチンから尿酸への代謝に重要な役目をするのがキサンチンオキシダーゼという酵素です。

このお薬は、そのキサンチンオキシダーゼの働きをじゃますることで尿酸をできにくくします。結果として血中や尿中の尿酸値が低下するわけです。このような作用からキサンチンオキシダーゼ阻害薬と呼ばれています。
特徴
  • 代表的な尿酸降下薬(尿酸生成抑制薬)です。薬理作用からは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬に分類されます。標準薬として古くから、痛風や高尿酸血症の治療に広く用いられています。
  • おもに腎臓から排泄されます。このため、腎機能に応じた用量調節をおこなう必要があります。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 今までに、薬で過敏症状やアレルギーを起こしたことのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。
  • 妊娠中または妊娠している可能性のある人は申し出てください。
  • 副作用や注意点についてよく説明を受けておきましょう。

【注意する人】
  • 腎臓の悪い人や高齢の人では、薬の排泄が遅れがちです。用量を少な目にするなど慎重に用いる必要があります。
  • 肝臓の悪い人は、定期的に肝機能検査を受けるようにします。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 白血病の薬のメルカプトプリン(ロイケリン)と免疫抑制薬のアザチオプリン(イムラン)の代謝を強く阻害する性質があります。併用する場合は、それらの量を1/3〜1/4に減量しなければなりません。そうしないと、副作用が強まり危険です。
  • そのほかにも、いろいろな薬の代謝を妨げる可能性があります。たとえば、喘息の薬のテオフィリン(テオドール)、抗凝血薬のワルファリン(ワーファリン)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、エイズの薬のジダノシン(ヴァイデックス)・・。これらといっしょに飲む場合は、その服用量を減量するなど慎重に用います。
  • 飲酒は控えてください。アルコールは痛風によくありませんし、この薬の効果にもマイナスです。

【使用にあたり】
  • 症状によって、飲む量や飲み方が異なります。とくに腎臓病のある人は、少な目になることがあります。指示どおりに正しくお飲みください。コップ1杯以上の十分な水で服用しましょう。
  • ふつう、1日100mgくらいで始め、徐々に増量していきます。不意な痛風発作を避けるため、ゆっくりと尿酸値を下げていくことが重要なのです。
  • 予防薬ですので、発作の有る無しにかかわらず、毎日規則正しく服用する必要があります。発作時に、急に飲みはじめても効果はなく、かえって症状が悪化してしまいます。痛風発作に対しては、他の鎮痛消炎薬やコルヒチンを頓服します。
  • がん化学療法に伴う高尿酸血症に応用されることがあります。この場合、治療スケジュールや血中尿酸値に応じて服用期間が決められますから、医師から指示された日に飲んでください。

【検査】

定期的に、血中尿酸値や副作用の検査をおこなうようにします。

【食生活】
  • 水分を多目にとるようにしましょう。尿量を増やし、尿酸結石を防ぐために大事です。大人で1日の尿量が2L以上になるようにします(心臓病などで水分制限している場合は別)。
  • 食生活の改善も大切。プリン体を多く含む肉類やビールはほどほどにし、バランスのよい食事を心がけましょう。
  • 肥満の人は、ゆっくり減量します。運動もよいのですが、急な激しい運動は発作のもとです。

【備考】

「風があたるだけでも痛い」といわれる痛風。はじめての痛風発作(急性関節炎)は、尿酸の結晶ができやすい足の親指に多発します。夜間に突然発症することが多く、激しい痛みと腫れが2〜3日続きます。ちなみに、患者さんの98〜99%は男性です。痛風を放置すると、関節が変形したり、腎臓など内臓にも悪い影響がでてきます。関節炎が頻発する場合は、尿酸降下薬のアロプリノール(この薬)、フェブキソスタット(フェブリク)、トピロキソスタット(ウリアデック、トピロリック)またはベンズブロマロン(ユリノーム)などで血液中の尿酸値を十分に下げておく必要があります。
効能

【適用】

下記の場合における高尿酸血症の是正

  • 痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症

【応用】
  • がん化学療法に伴う高尿酸血症
  • がん化学療法に伴う口内炎(アロプリノール含嗽療法)
用法 通常、成人はアロプリノールとして1日量200〜300mgを2〜3回に分けて食後に経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
  • 注意:血中尿酸値を測定しながら投与し、治療初期1週間は1日100mg投与が望ましい。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 飲みはじめに、かえって痛風発作を起こしてしまうことがあります。尿酸の結晶が関節から溶け出すためです。この現象は良くなる過程ですから、ある程度しかたありません。関節にたまった尿酸が排泄されると、その後は発作が起こらなくなります。

重い副作用は少ないのですが、まれに皮膚障害や血液障害、肝障害などを起こすことがあります。とくに腎臓病のある人は要注意。もしも、治療開始後に発疹や発熱、のどの痛みなどいつもと違う症状があらわれたら、すぐに医師に連絡してください。重い副作用の前ぶれかもしれません。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ち悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 無菌性髄膜炎..首の硬直、発熱、頭痛、吐き気・嘔吐、意識もうろう。

【その他】
  • 発疹、じん麻疹、かゆみ
  • 食欲不振、胃の不快感、軟便、下痢

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。