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成分(一般名) コルヒチン
製品例 コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 痛風治療剤/コルヒチン/痛風治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 痛風の発作を抑えるお薬です。そのほか、家族性地中海熱やベーチェット病にも応用されます。
作用

【働き-1】

痛風の原因は関節にたまった尿酸です。発作的に激しい痛みと腫れをともないます。その引き金は、白血球による尿酸への攻撃です。白血球が、剥離した尿酸を異物としてとらえてしまうのです。

このお薬には、白血球が関節内に集まるのをおさえる作用があります。したがって、痛風発作の初期段階に用いと効果的です。また、発作が頻回な場合は、しばらくのあいだ少量を定期服用することがあります(コルヒチン・カバー)。尿酸を減らす作用はないので、長期にわたり漫然と用いることはしません。

【働き-2】

家族性地中海熱は、発熱や疼痛をともなう全身性炎症発作を繰り返す遺伝性の病気です。放置するとアミロイドという蛋白質が各種臓器に沈着し機能障害を起こします。地中海沿岸地域で多くみられますが、日本ではごくまれです。

このお薬は、そのような家族性地中海熱に有効です。病因となる過剰なインターロイキンの働きをにぶらせ炎症発作を起こしにくくします。長期予防服用により、約6割の人は発作がなくなり、3割の人は発作頻度が減少します。アミロイドの臓器沈着も防げます。

【働き-3】

ベーチェット病は、日本人にわりと多い病気です。治りにくい口内炎ができ、さらに皮膚、外陰部、目などにも炎症を生じます。原因はよく分かっていませんが、白血球の働きが異常に亢進して炎症を引き起こします。

このお薬には白血球の働きを弱めたり、白血球が集まるのを抑える作用があります。その特異な作用から、ベーチェット病の治療に応用されています。服用していると、炎症発作の頻度が減り症状がない期間が長くなります。
特徴
  • コルヒチンは、イヌサフランという植物の種子の成分です。古くから痛風発作の特効薬として使われてきましたが、最近は他の鎮痛薬(NSAIDs)を用いることが多くなり、処方機会は少なくなりました。
  • 家族性地中海熱の基本治療に欠かせません。2016年に正式な効能として承認され、保険もきくようになりました。ベーチェット病にも用いられますが、こちらは保険適用外です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中または妊娠している可能性のある人は申し出てください。

【注意する人】
  • 肝臓や腎臓の悪い人、また高齢の人は、薬の排泄が遅れがちです。少量から開始するなど服用量に配慮するとともに、薬の飲み合わせにも注意が必要です。
  • 重い病気で体の弱っている人も、注意深く用いる必要があります。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなります。たとえば、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシンや抗真菌薬のイトラコナゾール、肝炎治療薬のテラプレビル、抗エイズウイルス薬のリトナビルやダルナビル、コビシスタット、免疫抑制薬のシクロスポリンなど要注意です。これらとの併用により、コルヒチンの血中濃度が著しく上昇するおそれがあります。併用のさいは、服用量の減量を考慮するなど慎重に用いる必要があります。とくに、肝臓や腎臓の悪い人は、これらとの併用は避けなければなりません。薬以外ではグレープフルーツジュースにも注意が必要です。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。

  • 飲み合わせに注意..クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、イトラコナゾール(イトリゾール)、テラプレビル(テラビック)、リトナビル(ノービア)、インジナビル(クリキシバン)、ネルフィナビル(ビラセプト)、ダルナビル(プリジスタ)、コビシスタット(スタリビルド)、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、グレープフルーツジュースなど。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方、服用量を厳守してください。過剰に飲むと、重い中毒症状を起こします。
  • 痛風においては、原則、発作時にだけ頓服します。発作の前ぶれを感じたら、できるだけ早く、まず1錠を飲みます。前兆症状は人により異なりますが、発作3〜4時間前に生じるピリピリ感やムズムズ感などです。痛みが激しくなってから飲んでも、よい効果は期待できません。
  • 予防的な長期服用には適しませんが、コルヒチン・カバーという治療法を行なうことがあります。痛風発作が頻発する場合、発作が落ち着くまで毎日必要最小量(1錠)を服用することで、発作をおさえこむ方法です。
  • 家族性地中海熱やベーチェット病では、予防的に少量を飲み続けることが多いです。遺伝性の家族性地中海熱では一生涯になると思います。指示された期間続けしましょう。自分の判断で中断すると、炎症発作を起こしやすくなります。

【検査】

家族性地中海熱やベーチェット病で服薬が長くなる場合は、定期的に血液や尿の検査が必用です。

【妊娠・授乳】

原則、妊娠中は禁止です。家族性地中海熱に限り、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に使用することがあります。

【食生活】
  • 痛風では、食生活の改善も大切。プリン体を多く含む肉類やビールはほどほどにし、バランスのよい食事を心がけましょう。
  • 肥満の人は、ゆっくり減量します。運動もよいのですが、急な激しい運動は発作のもとです。

【備考】
  • 「風があたるだけでも痛い」といわれる痛風。はじめての痛風発作(急性関節炎)は、尿酸の結晶ができやすい足の親指に多発します。夜間に突然発症することが多く、激しい痛みと腫れが2〜3日続きます。ちなみに、患者さんの98〜99%は男性です。
  • 血液中の尿酸値が高いことを「高尿酸血症」といいます。痛風発作は、そのような状態で起こります。そのまま痛風を放置すると、腎臓など内臓にも悪影響がでてきます。関節炎が頻発する場合は、尿酸降下薬で血液中の尿酸値を十分に下げなければなりません。目標値は6mg/dL以下です。痛風発作時には、鎮痛薬(NSAIDs)またはコルヒチン(この薬)を用います。
効能

【効能A】

痛風発作の緩解及び予防

【効能B】

家族性地中海熱

【応用】

ベーチェット病
用法

【効能A】

通常、成人はコルヒチンとして1日3〜4mgを6〜8回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。発病予防には通常、成人はコルヒチンとして1日0.5〜1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口服用する。

  • 注意1..痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。
  • 注意2..長期間にわたる痛風発作の予防的服用は、血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、有用性が少なくすすめられない。
  • 注意3..服用量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、痛風発作の緩解には通常、成人はコルヒチンとして1日1.8mgまでの服用にとどめることが望ましい。
  • 重要な基本的注意1..痛風発作の治療には1回0.5mgを服用し、疼痛発作が緩解するまで3〜4時間ごとに服用し、1日量は1.8mgまでの服用にとどめることが望ましい。
  • 重要な基本的注意2..発作3〜4時間前に先行する予兆を感知したらできるだけ早く服用することが望ましい。

【効能B】

通常、成人はコルヒチンとして1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口服用する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大服用量は1.5mgまでとする。

通常、小児はコルヒチンとして1日0.01〜0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口服用する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大服用量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大服用量を超えないこととする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 1日3錠くらいまでなら、副作用の心配はそれほどありません。ただし、多量に飲むと、吐き気や腹痛、下痢などの胃腸障害が必ずあらわれます。症状がひどいときや続くときは受診するようにしてください。

家族性地中海熱やベーチェット病で長期に飲み続けていると、筋肉に異常がでてくることがあります。たいてい、検査で分かりますが、筋力の低下や筋肉痛、手足のしびれなどがみられたら医師に報告してください。そのほか、多くはありませんが、血液障害や男性の精子の異常なども報告されています。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 末梢神経障害..手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む。

【その他】
  • 吐き気、吐く、下痢、腹痛
  • 発疹、かゆみ
  • 脱毛、精子の減少や異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。