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成分(一般名) ペニシラミン
製品例 メタルカプターゼカプセル50mg~100mg~200mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 解毒剤/その他/抗リウマチ剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 関節リウマチを治療するお薬です。そのほか、ウイルソン病や重金属中毒にも適応します。
作用

【作用-1】

リウマチは、体の免疫系がかかわっている膠原病の一種です。関節に強い炎症を生じ、腫れや痛みをともないます。やがて、関節の骨や軟骨が破壊され、変形とともにその機能が失われます。

このお薬は、抗リウマチ薬です。体の異常な免疫機能を正常化する作用があります。そして、関節の痛みや腫れをひき、病気の進行を遅らせます。効果が高く、3人に2人くらいの割合で有効です。ただ、副作用がでやすいので、他の治療薬が無効な場合に用いられます。

【作用-2】

金属と強く結合する性質があります。このキレート作用により、血液中で銅や水銀、鉛などの重金属と結合し、尿中へ排泄させる働きをします。重金属中毒の解毒薬として用いるほか、銅が体にたまるウイルソン病にも有効です。
特徴
  • 3つの効能が保険で認められています。関節リウマチ、金属中毒、ウイルソン病の3つです。さらに、強皮症など免疫がかかわる膠原病の治療に応用されることがあります。
  • 効果が高い反面、いろいろな副作用が出やすいのが欠点です。このため、関節リウマチにおいては第一選択薬とはしません。一方、ウイルソン病に対しては、銅キレート薬として まずこの薬による治療が試みられます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。妊娠中は原則禁止です。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
  • 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。

【注意する人】

血液の病気や腎臓病、あるいは全身性エリテマトーデスを合併している場合など使用できないことがあります。また、体の弱っている人や高齢の人も、副作用がでやすいので控えるようにします。とくに必要な場合は慎重に用います。妊娠中は原則的に禁止です。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 金剤による金療法をおこなっている人は使用できません。併用により、重い血液障害の副作用がでやすくなるためです。
  • 貧血の薬の鉄剤や、一部の胃腸薬(制酸薬)と同時に飲むと、この薬の作用が弱まる可能性があります。併用するのなら、服用時間を2、3時間あけるようにします。

【使用にあたり】
  • 症状によって飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。リウマチの場合、少量より開始し、効果や副作用をチェックしながら徐々に増量していくものです。また、ウイルソン病や重金属中毒の治療では、変則的な飲み方になることがあります。
  • 飲む時間は、食事と食事の間の“空腹時”が基本です。食後ですと効果が落ちてしまいます。ウイルソン病で、亜鉛製剤(ノベルジン)と併用する場合は、1時間以上あけて飲んでください。
  • 関節リウマチでは、十分な効果がでるのに数カ月かかる場合があります。指示された期間、きちんと飲み続けましょう。
  • ビタミンB6の薬と併用することがあります。この薬の影響でビタミンB6が不足がちになるためです。

【検査】

定期的に、血液や腎臓の検査を受けなければなりません。副作用や効果をチェックするためにどうしても必要です。

【備考】
  • 関節リウマチの治療目標は、関節の破壊をおさえ その機能を維持すること、さらには生命予後を改善することです。そのためには、発症早期から抗リウマチ薬による十分な治療が必要です。最近は、メトトレキサート(リウマトレックス)や生物学的製剤(注射)などによる強力な治療が積極的におこなわれるようになりました。
  • 抗リウマチ薬の効きかたには個人差があります。劇的に効く人もいれば、逆にまったく効果がないこともあります。ですから、半年くらい使用しても効果がまったくない場合は、別の薬に切り替えなければなりません。その人にもっとも適した薬を選ぶことが重要です。
  • ウイルソン病では、この薬を第一選択薬とします。強い副作用やアレルギーでどうしても使えない場合は、別の銅キレート薬のトリエンチン(メタライト)や亜鉛製剤(ノベルジン)で代用します。
効能
【適用】
  • 関節リウマチ(50mg、100mg製剤のみ)。
  • ウイルソン病(肝レンズ核変性症)。
  • 鉛・水銀・銅の中毒。

【応用】

医師の判断で、別の病気に応用されるかもしれません(強皮症、マクログロブリン血症など)。
用法
  • 慢性関節リウマチ..本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常、成人はペニシラミンとして1回100mgを1日1〜3回、食間空腹時に経口服用する。患者の年齢、体重、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、一般的には成人、初期量を1日100mgとし、増量するときは4週間以上の間隔をおいて100mgずつ漸増する。維持量は効果が得られる最低用量に調節する。また、服用を再開するときは、低用量から開始すること。なお、1日300mgでは効果不十分で増量により有効性が期待される場合には、患者の状態を十分に観察しつつ1日600mgまで増量することもできる。ただし、効果が得られた後は減量して有効最少量で維持すること。
  • ウイルソン病(肝レンズ核変性症)..通常、成人はペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に1〜数回に分けて経口服用する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、服用法についても、連日服用、間歇服用、漸増服用法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。
  • 鉛・水銀・銅の中毒..通常、成人はペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に数回に分けて経口服用する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、服用法についても、連日服用、間歇服用、漸増服用法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。通常、小児はペニシラミンとして1日20〜30mg/kgを食前空腹時に数回に分けて経口服用する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。ただし、1日量は、成人の標準用量(1日1,000mg)を上限とする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 リウマチの薬は、副作用が多いほうです。けれど、定期的に検査を受け、きちんとチェックをしていれば、たいてい重くなる前に防げます。なにか、いつもと違う症状に気づいたら、すぐに医師に連絡してください。

わりと多いのは、発疹や皮膚のかゆみ、吐き気、口内炎、手足のしびれ、味覚の異常などです。味覚異常には亜鉛を、口内炎や手足のしびれにはビタミンB6を補うとよいようですから、医師とよく相談してみましょう。

重い副作用でとくに注意が必要なのは、血液障害と腎障害、それと間質性肺炎です。血液の血球が減少したり、尿蛋白や血尿をみることがあります。重症化することはまれですが、発熱やノドの痛み、出血傾向、から咳、息苦しい、などの初期症状に注意が必要です。そのほかは多くありませんが、筋無力症や多発性筋炎、全身性エリテマトーデスなど新たな免疫系の病気が出現することがあります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 肺障害(間質性肺炎など)..息切れ、息苦しさ、から咳、痰、発熱。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • グッドパスチュア症候群..だるい、吐き気、下痢、咳に血がまじる。
  • 新たな免疫系の病気..脱力、筋力低下、まぶたが下がる、手足のしびれ、麻痺、発赤、皮下出血、筋肉痛、神経痛、関節痛、目の見え方がおかしい。

【その他】
  • 発疹、かゆみ
  • 食欲不振、吐き気、腹痛
  • 口内炎、口角炎、味覚の異常
  • 手足のしびれ、めまい、頭痛、目の異常(二重に見える、視力低下)
  • 肝機能値の異常、腎機能異常(尿蛋白、血尿)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。