概説 |
手足の血管を広げ血流をよくするお薬です。血行障害の治療に用います。 |
作用 | 手足の動脈に病変を生じ細くなったり詰まったりすると血のめぐりが悪くなります。すると、それより先が異常に冷えて、しびれや痛みを生じたり、歩きにくくなったり、さらに悪化すると皮膚に潰瘍ができたりします。
このお薬は、そのような末梢動脈疾患にともなう諸症状に有効です。血管を広げ、また血管内で血液が固まるのをおさえて血流をよくします。喫煙との関係が指摘されている閉塞性血栓血管炎いわゆるバージャー病のほか、いろいろな病気が原因の血行障害に広く用いられています。動脈疾患とは別の脊柱管狭窄症にも使用できるようになりました。 |
特徴 |
- プロスタグランジンという体内にある一種のホルモンの誘導体です(PGE1)。プロスタグランジンは、体内で産生される局所ホルモンの一種で、血管の拡張や血液の固まり具合を調節しています。そのような作用から、血管拡張薬または末梢循環改善薬、あるいは抗血小板薬に分類されます。
- 正式な適応症の閉塞性血栓血管炎(TAO)に限らず、動脈硬化による慢性動脈閉塞症(ASO)に対しても昔からよく処方されています。その後、脊柱管狭窄症の効能が認められ、最近はこちらで用いることが多くなりました。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中または妊娠している可能性のある人は申し出てください。妊娠中は服用禁止です。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
 【注意する人】
- 妊娠中は避けなければなりません。
- 出血をともなう病気がある場合、使用を控えることがあります。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- アスピリンやワルファリンなど他の抗血栓薬といっしょに飲むと、出血しやすくなるかもしれません。併用する場合は、用量に注意するなど慎重に用います。
 【使用にあたり】
- 病気の症状によって、飲み方が違います。指示された用法用量を守ってください。
- 手術や抜歯のさいは1日前から一時中止したほうが無難です。早めに医師の指示をあおいでください。
- しばらく飲み続けても少しもよくならないときは、医師に相談してみましょう。別の治療法に変えたほうがよいかもしれません。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠中は飲んではいけません。お腹の赤ちゃんに悪い影響をおよぼすおそれがあります。また、子宮を収縮させ流産の原因にもなりかねません。
- もし、妊娠・出産を希望されているのでしたら、事前に医師と相談しておくとよいでしょう。

- 【食生活】

- タバコは病状を悪化させますし、この薬の作用を弱めます。タバコを吸っている人は、禁煙に挑戦してみましょう。
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効能 |

- 【効能A】

- 閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善

- 【効能B】

- 後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善
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用法 |

- 【効能A】

- 通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口服用する。

- 【効能B】

- 通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
ときに、顔が赤くほてったり、頭痛や動悸がします。これらは、この薬の血管拡張作用によるものです。そのほか、下痢や腹痛、吐き気などもみられます。それほど心配ないと思いますが、ひどいときは早めに受診してください。重い副作用はまずありません。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
 【その他】
- 下痢、腹痛、吐き気
- 潮紅、ほてり、頭痛、動悸
- 発疹、かゆみ
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