概説 |
血液を固まりにくくするお薬です。心房細動による脳卒中や静脈血栓塞栓症の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き-1】

- 心房細動では、脈拍が無秩序に速く細かくなります。いわば心臓がけいれんし震えているような状態です。このため、心臓内の血流がよどみ、血の塊り‘血栓’ができやすくなります。こわいのは、血栓がはがれて脳動脈に流れ込み、脳卒中(虚血性脳卒中、脳梗塞)を起こすことです。このタイプの脳卒中は‘心原性脳塞栓症’とも呼ばれ、しばしば重症化します。また、血栓が脳以外に運ばれ、まれに全身性塞栓症(腎梗塞、腸梗塞、心筋梗塞など)を起こすこともあります。
このお薬は、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」です。心臓の内部とくに左心房内で血液が固まるのを抑えることにより、心房細動に起因する脳卒中や全身性塞栓症の発症を抑制します。従来から標準的に用いられてきたワルファリン(ワーファリン)よりも効果の発現が早く、同等もしくはそれ以上の有効性が期待できます。効きすぎによる出血のリスクも、ワルファリンより低いことが示されています。

- 【働き-2】

- 血管内で血液が固まり、血流が悪くなるのが‘血栓症’です。また、血栓が流れ、その先の血管を塞いでしまうのが‘塞栓症’です。このうち‘深部静脈血栓症’では、手足とくにふくらはぎや大腿あるいは骨盤などの深部静脈に血栓が形成されます。さらに、その血栓が肺に流れ、肺動脈を閉塞してしまうのが命にかかわる‘肺血栓塞栓症’です。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症を総称し‘静脈血栓塞栓症’と呼んでいます。
このお薬は、そのような静脈血栓塞栓症に有効な「抗凝固薬」です。静脈での血栓形成を抑えることにより、静脈血栓塞栓症の悪化や再発を防ぎます。特徴の一つとしてあげられるのが、古くからの標準薬ワルファリンに比べ効果発現が早いことです。このため、必ずしもヘパリン注射などによる初期治療(ヘパリンブリッジ)を必要としません。すばやく安定した効果が期待できるうえ、効きすぎによる大出血のリスクもワルファリンより低いことが示されています。

- 【働き-3】

- 末梢動脈疾患は「足の狭心症」とも呼ばれます。動脈硬化で血行が悪くなり、痛みで長く歩けなくなったり、足に潰瘍や壊疽を生じることがあります。合併症として心筋梗塞や脳卒中を起こす危険性も高いです。このお薬は、下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患の治療に用います。少量を抗血小板薬のアスピリン(バイアスピリン、バファリン)と併用することにより、病状の悪化を防ぎ、また心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減します。

- 【働き-4】

- フォンタン手術後の血栓症発症抑制にも有用です。フォンタン手術は、2つの心室のうち一方が使えない先天性心疾に対し行われます。上大静脈と下大静脈の両方を肺動脈とつなぐ手術です。フォンタン手術を受けた小児患者112人を対象とした臨床試験で、アスピリンより血栓の発現割合が低く、安全性は同等であることが示されました。

- 【薬理】

- 血液を固める重要な役目をするのがトロンビンという酵素です。このお薬は、トロンビンの生成過程にかかわる活性型血液凝固第X因子(FXa)を阻害することで、血液を固まりにくくします。このような作用から活性型血液凝固第]因子阻害薬(FXa阻害薬)と呼ばれています。

- 【臨床試験-1】

- 非弁膜症性の心房細動のある患者さんを対象に、従来の標準薬のワルファリン(ワーファリン)と効果を比較する大規模臨床試験が行われています。ワルファリンに劣らない脳卒中の予防効果があるか、また安全性に問題がないのかを確かめるのが目的です。試験期間(服用期間)は長期にわたり平均で約580日間です。
その間に、脳卒中または全身性塞栓症を起こしてしまった人は、この薬を飲んでいた人達で2.7%(188人/6958人)、ワルファリンを飲んでいた人達で3.4%(241人/7004人)でした。この薬を飲んでいた人達のほうが、脳卒中を起こす人が少なく、ワルファリンにまさるとも劣らない効果が確認できたわけです。また、出血の副作用についてもワルファリンを上回ることはありませんでした。

- 【臨床試験-2】

- 静脈血栓塞栓症に対する有効性を従来の標準的治療法のヘパリン/ワルファリン併用療法と比較する試験が海外でおこなわれています。参加したのは、急性深部静脈血栓症の患者さん3429人と、急性肺塞栓症の患者さん4817人です。そして、この薬を飲む人と、従来の標準治療を受ける人に分かれ、静脈血栓塞栓症の再発率を調べます。治療期間は医師の判断により3、6または12カ月とします。
その結果、深部静脈血栓症の患者さんで この薬を飲んでいた人達の再発率は2.1%(36/1731人)、標準療法の人達で3.0%(51/1718人)でした。また、肺塞栓症の患者さんでは、 この薬を飲んでいた人達で2.1%(50/2419人)、標準療法の人達で1.8%(44/2413人)でした。いずれの場合も、標準療法と明らかな差はなく、この薬の有効性が従来からの標準療法と変わらないことが証明できたわけです。出血の副作用についてもワルファリンを上回ることはなく、むしろ少ない傾向が示されました。なお、少人数になりますが、国内でおこなわれた日本人を対象とした試験でも同様の結果が得られています。

- 【臨床試験-3】

- 下肢血行再建術を終えた末梢動脈疾患の患者さん約6500人を対象とした臨床試験が行われています。抗血小板薬のアスピリンに加え、この薬を飲む人と飲まない人に分かれ その後の血栓・塞栓に関係する重大な病気の発現状況を比較する試験です。評価対象となる具体的な病気として、急性下肢虚血、血管系の病因による大切断、心筋梗塞、虚血性脳卒中または心血管死が含まれます。その結果、この薬を飲んだ人達では、飲まなかった人に比べ、関連する病気(急性下肢虚血等)の発現が15%ほど低下しました。この薬とアスピリンを併用することにより、上記のような重大な病気の発現を一定程度抑制できることが示されたわけです。出血の副作用もそれほど変わりなく、安全性についても大きな問題はありませんでした。
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特徴 |
- エドキサバン(リクシアナ)に次ぐ国内2番目の経口FXa阻害薬(選択的直接作用型第]a因子阻害薬)です。効能面からは、広く抗血栓薬の部類に入り、さらに抗凝固薬(DOAC)もしくは抗凝血薬、または血液凝固阻止薬などと細分類されます。同類にエドキサバン(リクシアナ)とアピキサバン(エリキュース)があり、また注射薬としてフォンダパリヌクス(アリクストラ)が販売されています。
- 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)になります。抗凝固薬として古くから用いられてきたビタミンK拮抗薬のワルファリン(ワーファリン)とは作用メカニズムが違います。吸収効率に優れ、また食物との相互作用が少ないため、より早くかつ安定した効果が得られます。ワルファリンのように、こまめに血液凝固能を検査したり、用量調節に神経をそそぐ必要がありません。このようなメリットから、抗凝固療法として処方される機会が増えてきました。
- 静脈血栓塞栓症に対する効能が追加承認されました。発症直後の治療で重要となる抗凝固状態に速やかに達成可能なため、ヘパリン注射などによる初期併用療法(ヘパリンブリッジ)を必須としません。急性期における強化療法から再発抑制のための維持療法までを1剤でカバーできる「シングル・ドラッグ・アプローチ」が可能な薬剤として期待されます。
- ワルファリンにくらべ使いやすい薬剤とはいえ、出血に対する注意が必要なことに変わりありません。頻回な血液凝固能検査が不要なのは出血の危険性がないからではなく、正確な薬効モニタリングの指標にならないからです(的確な指標がない)。また、効きすぎに対処する中和剤もありません。
- 小児の静脈血栓塞栓症に対する適応追加とともに、新生児・乳幼児の服用に適した新剤形としてドライシロップ小児用が発売されました。
- 下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患における有用性が示され、新たな適応症として承認されました。4つの適応と4つの剤形を持つ直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)になります。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人は申し出てください。
- 市販薬を含め、別に薬を使用している場合は、その薬を医師に教えてください。
- 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておくことが大切です。
- 手術や抜歯の予定のある人は、事前に医師と相談しておきましょう。出血が止まりにくくなるおそれがあります。

- 【注意する人】

- 血が止まりにくくなるので、出血がひどい場合は使用できません。出血を起こしやすい病気、たとえば血友病など血液の病気、重症の高血圧症、重い胃潰瘍、血管性網膜症、手術直後、外傷後まもない人も慎重に用いるようにします。また、出血や血腫を生じるおそれがある内視鏡検査、脊椎・硬膜外麻酔、腰椎穿刺、あるいは抜歯などにおいても十分な注意が必要です。大きな手術のさいは、少なくとも1〜2日前に一時休薬し、ヘパリン注射薬などで代用することがあります。肝臓病や腎臓病のある人も、症状により使用できないことがあります。妊娠中は禁止です。
- 適さないケース..重大な出血を起こしている場合(消化管出血、脳出血など)、重い肝臓病、重い腎臓病、急性細菌性心内膜炎にかかっている人、重篤な肺血栓塞栓症、妊娠中の人。
- 注意が必要なケース..出血や血腫のおそれがある場合(血友病、紫斑病、重症高血圧症、動脈瘤、がん、大腸炎、消化管潰瘍、血管性網膜症、気管支拡張症または肺出血既往、手術直後、抜歯、外傷後、硬膜外カテーテル留置中、脊椎・硬膜外麻酔、腰椎穿刺)、腎臓病のある人、高齢の人、低体重の人。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり出血を起こしやすくなります。逆に効力が落ちてしまうこともあります。他の病院や他の診療科にかかる場合は、この薬を飲んでいることを必ず医師に伝えてください。
- 飲み合わせが禁止されるのは、イトラコナゾールなどアゾール系抗真菌薬(イトリゾール、ブイフェンド、フロリード、ノクサフィル等)、エイズの治療に用いるHIVプロテアーゼ阻害薬(ノービア、カレトラ、レイアタッツ、プリジスタ、レクシヴァ)やコビシスタット含有薬(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)、新型コロナの薬のニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)とエンシトレルビル(ゾコーバ)などです。併用により、この薬(リバーロキサバン)の血中濃度が上昇し出血の危険性が増大するためです。
- 抗凝固薬のワルファリンとの併用は原則おこないません。どちらかへの切り替えは、薬効の発現時間または消失時間を考慮のうえ慎重におこないます。この薬からワルファリンに切り替えるさい一時併用することになります。
- 抗血小板薬と併用する場合は、効きすぎによる出血に十分な注意が必要です。抗血小板薬には、アスピリン(バイアスピリン、バファリン、タケルダ)、チクロピジン(パナルジン)、クロピドグレル(プラビックス)、シロスタゾール(プレタール)、EPA(エパデール、ロトリガ)などがあります。
- 弱いながら抗血栓作用をあわせ持つロキソプロフェン(ロキソニン)やジクロフェナク(ボルタレン)などの鎮痛薬(NSAIDs)、パキシルやジェイゾロフト、トレドミンやサインバルタなど ある種の抗うつ薬(SSRI、SNRI)も出血の危険性を高めます。市販の鎮痛薬や解熱薬をふくめ併用のさいは医師もしくは薬剤師とよく相談してください。
- マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)やエリスロマイシン(エリスシン)、抗真菌薬のフルコナゾール(ジフルカン)との併用により、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。併用のさいは必要に応じこの薬の減量を考慮します。
- 一方、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)は、この薬の血中濃度を低下させ抗血栓作用を弱めます。抗けいれん薬のフェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)やカルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)、さらには健康食品のセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)などにも同様の性質があります。
 【使用にあたり】
- 病気や年齢により服用量が違います。決められた飲み方を厳守してください。
- 心房細動では、通常、1日1回食後に1錠(15mg)です。腎臓の悪い人は、少なめ(10mg)になることがあります。ワルファリンから切り替えるさいは、決められた服薬スケジュールにしたがい正確に服用してください。
飲み忘れや、飲み違いにも注意しましょう。万一飲み忘れた場合は直ちに服用してください。ただし、2回分の同時服用は避け、次の服用まで12時間以上あけてください。 - 静脈血栓塞栓症の場合、発症後3週間は初期強化療法として1日2回の服用になります。それ以降は1日1回に減らします。初期3週間は高用量になりますので、効きすぎによる出血に十分注意してください。
飲み忘れや、飲み違いにも注意しましょう。初期強化療法中に飲み忘れた場合は、服用間隔にかかわらず直ちに服用し、2回分を同日中に済ませてください。この期間に限り1度に2回分(2錠)を飲んでもかまいません。その後1日1回服用時に飲み忘れた場合は、気付いたときに直ちに服用してください。このときは2回分の同時服用は避け、次の服用まで12時間以上あけてください。 - 末梢動脈疾患では、より少量(2.5mg)を1日2回服用します。アスピリン(バファリン81mg〜バイアスピリン100mg/日)と併用する必要があります。
服用を忘れた場合は、忘れた分は服用せず、次の服用時刻に再開するようにしてください。2回分を一度に飲んではいけません。 - 出血に気付いたら、すみやかに医師に連絡してください。たとえば、鼻血、歯ぐき出血、血痰、皮下出血、血尿、血便などです。とくに飲み始めは要注意です。出血がひどければ、特別な中和剤(オンデキサ)で止血します。

- 【検査】

- 処方に先立ち、腎機能を確認しておく必要があります。また、必要に応じて血液検査や便潜血検査をおこない、出血や貧血の兆候がないか確かめます。なお、用量調節のための血液凝固能検査は特に必要としません。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠中は飲めません。動物実験で悪い影響が報告されているためです。妊娠を希望している場合は、早めに医師と相談しておくとよいでしょう。
 【食生活】
- わずかな傷や打ち身でも、血が止まりにくくなるかもしれません。歯磨きや鼻かみは、あまり力を入れないでやさしくしてください。また、運動や危険な作業をおこなう場合は、ケガをしないように十分注意しましょう。もしも、ひどいケガをしたときは、直ちに受診してください。
- 健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)の飲食は避けたほうがよいでしょう。飲み合わせにより、この薬の効果が減弱するおそれがあるためてす。
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効能 |
 【錠10mg~15mg、細粒】- <効能A:成人>

- 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
- <効能B:成人>

- 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
[注意1]成人では、ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な肺血栓塞栓症患者、若しくは血栓溶解療法又は肺塞栓摘除術が必要な肺血栓塞栓症患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていないので、これらの患者に対してヘパリンの代替療法として本剤を投与しないこと。
[注意2]下大静脈フィルターが留置された患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていない。
- <効能B:小児>

- 静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制
[注意1]小児では、本剤は急性期への適切な初期治療(ヘパリン投与等)が5日以上なされた後に投与すること。
[注意2]下大静脈フィルターが留置された患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていない。
- <効能C:小児>

- Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制
 【ドライシロップ小児用】- <効能B:小児>

- 静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制
[注意1]本剤は急性期への適切な初期治療(ヘパリン投与等)が5日以上なされた後に投与すること。
[注意2]下大静脈フィルターが留置された患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていない。
- <効能C:小児>

- Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制
 【錠2.5mg】- <効能D:成人>

- 下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制
- <効能C:小児>

- Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制
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用法 |
 【錠10mg~15mg、細粒】- <効能A:成人>

- 通常、成人はリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口服用する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。
[注意1]クレアチニンクリアランス30〜49mL/minの患者には、10mgを1日1回服用する。
[注意2]クレアチニンクリアランス15〜29mL/minの患者には、本剤服用の適否を慎重に検討した上で、服用する場合は、10mgを1日1回服用する。
- <効能B:成人>

- 通常、成人は深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口服用し、その後は15mgを1日1回食後に経口服用する。
- <効能B:小児>

- 通常、体重30kg以上の小児はリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口服用する。
[注意]体重30kg未満の小児等に服用する場合は、リバーロキサバンドライシロップを使用すること。体重30kg以上で本剤(錠剤)の服用が困難な小児は、錠剤以外の剤形を選択すること
- <効能C:小児>

- 通常、体重50kg以上の小児にはリバーロキサバンとして10mgを1日1回経口服用する。
[注意]体重20kg未満の小児等に投与する場合は、リバーロキサバンドライシロップを使用し、体重20kg以上50kg未満の小児等に投与する場合は、リバーロキサバン錠2.5mg又はドライシロップを使用すること。また、体重50kg以上で本剤(錠剤)の服用が困難な小児には、錠剤以外の剤形を選択すること。

- 【ドライシロップ小児用(効能B)】

- 静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制においては、通常、体重2.6kg以上12kg未満の小児は下記の用量を1回量とし、1日3回経口服用する。体重12kg以上30kg未満の小児はリバーロキサバンとして5rを1日2回、体重30kg以上の小児は15mgを1日1回経口服用する。いずれも空腹時を避けて服用し、1日1回、2回及び3回服用においては、それぞれ約24時間、約12時間及び約8時間おきに服用する。
- 2.6kg以上3kg未満→1回量0.8mgを1日3回(1日2.4mg)
- 3kg以上4kg未満→1回量0.9mgを1日3回(1日2.7mg)
- 4kg以上5kg未満→1回量1.4mgを1日3回(1日4.2mg)
- 5kg以上7kg未満→1回量1.6mgを1日3回(1日4.8mg)
- 7kg以上8kg未満→1回量1.8mgを1日3回(1日5.4mg)
- 8kg以上9kg未満→1回量2.4mgを1日3回(1日7.2mg)
- 9kg以上10kg未満→1回量2.8mgを1日3回(1日8.4mg)
- 10kg以上12kg未満→1回量3.0mgを1日3回(1日9.0mg)
- 12kg以上30kg未満→1回量5mgを1日2回(1日10mg)
- 30kg以上→1回量15mgを1日1回(1日15mg)

- 【ドライシロップ小児用(効能C)】

- Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制においては、通常、2歳以上の小児には、体重に応じて下記の用量を1回量とし、1日2回又は1日1回経口服用 する。1日1回及び2回服用においては、それぞれ約24時間及び約12時間おきに服用 する。
- 7kg以上8kg未満→1回量1.1mgを1日2回(1日2.2mg)
- 8kg以上10kg未満→1回量1.6mgを1日2回(1日3.2mg)
- 10kg以上12kg未満→1回量1.7mgを1日2回(1日3.4mg)
- 12kg以上20kg未満→1回量2.0mgを1日2回(1日4.0mg)
- 20kg以上30kg未満→1回量2.5mgを1日2回(1日5.0mg)
- 30kg以上50kg未満→1回量7.5mgを1日1回(1日7.5mg)
- 50kg以上→1回量10mgを1日1回(1日10mg)
 【錠2.5mg】- <効能D>

- 通常、成人はリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回経口服用する。
[注意1]アスピリン(81〜100mg/日)と併用すること。なお、患者の状態に応じて本剤又はアスピリンの中断等を考慮すること。
[注意2]下肢血行再建術施行後の初期治療において抗血小板剤2剤併用療法が必要な場合は、アスピリンとクロピドグレルを使用すること。クロピドグレルの使用期間は必要最低限にとどめること。
[注意3]本剤の投与は、下肢血行再建術が成功し、止血が確認できた後、早期に開始すること。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
出血したり、血が止まりにくくなることがあります。もしも、出血がみられたら、医師と連絡をとり指示をうけてください。たとえば、鼻血、歯ぐきの出血、血痰、皮下出血、血尿、血便などです。重症化することはまれですが、消化管出血や脳出血など重い出血を起こす危険性がないともいえません。とくに、静脈血栓塞栓症における初期3週間の高用量服用時は十分な注意が必要です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い出血(消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血)..鼻血、歯ぐき出血、血痰、皮下出血(血豆・青あざ)、血尿、吐血、血便(赤〜黒い便)、息苦しい、頭痛、めまい、手足のしびれ・まひ、うまく話せない。
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 間質性肺疾患..息切れ、咳、息苦しい、息が荒い、呼吸困難、血痰、発熱。
- 血小板減少..鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
 【その他】
- 鼻血、歯肉出血、皮下出血(血豆・青あざ)、結膜出血、血尿
- 貧血
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