概説 |
肝臓病に用いる総合栄養剤です。栄養状態を改善し、肝性脳症を予防します。 |
作用 | 体のタンパク質は肝臓で作られます。肝硬変などで肝臓の働きが低下すると、タンパク質が不足し栄養状態が悪くなります。アミノ酸のバランスもくずれ、肝臓で代謝されるべき芳香族アミノ酸が増加し、筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸が減少してきます。そして、肝硬変に特徴的な肝性脳症や腹水をもたらすのです。
このお薬は、肝臓病に用いる特別な栄養剤です。ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類の分岐鎖アミノ酸を中心に、糖質、脂質、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が配合されています。不足がちな分岐鎖アミノ酸などを補給し栄養状態を改善するとともに、肝性脳症や腹水の軽減効果も期待できます。肝性脳症を起こすような重い肝臓病で栄養状態が悪いときに用います。 |
特徴 | 肝臓病用の総合栄養剤で、アンモニアの解毒やタンパクの合成にかかわる分岐鎖アミノ酸が配合されるのが特徴です。肝臓食との併用で、タンパク代謝を改善しつつ、体重1kgあたり1.3gのタンパク補給が可能です。肝臓病の治療補助薬として広く用いられています。 |
注意 |
 【診察で】
- 牛乳アレルギーのある人は、医師に報告してください。
- 調製方法や注意点について、よく説明を受けておきましょう。

- 【注意する人】

- 牛乳アレルギーのある人は使用できません。また、糖尿病を合併している人は、他の食事を含め、摂取カロリーに注意が必要です。
 【使用にあたり】
- 水またはぬる湯(熱湯は避ける)に溶かして飲みます。溶解後は冷蔵庫に保存し、10時間以内に使用してください。
- フルーツ味とコーヒー味があります。飲みにくければ、医師と相談してください。水の量を増やし、薄めにすると飲みやすくなるかもしれません。ただし、水分制限が必要な場合は、水を減らし濃度を高くしなければなりません。

- 【食生活】

- 1日量(150g)で補充されるタンパク質量は40.5g、総カロリーは639kcalです。残りの必要量は食事より摂取する必要があります。決められた食事療法も守ってください。
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効能 |
肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善 |
用法 |

- 【用法】

- 通常、成人に1回量として1包(50g)を約180mLの水又は温湯に溶かし(約200kcal/200mL)1日3回食事と共に経口摂取する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。

- 【調製方法】

- アミノレバンEN1包(50g)を約1kcal/mLに調製する場合、容器に水又は温湯(約50℃)を約180mL入れ、アミノレバンEN1包を加えて溶かす。この場合、溶解後の液量は約200mL(約1kcal/mL)となる。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
栄養剤ですので、副作用はほとんどありません。人によっては、下痢ぎみになったり、お腹が張ることがあるかもしれません。ひどいときは、早めに受診し医師と相談してください。
もともと糖尿病のある人は、血糖値の変動にも注意する必要があります。血糖値の上昇のほか、逆に、血糖が異常に低下する重い低血糖症の報告もあるようです。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
 【その他】
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