概説 |
ビタミンを補給する総合ビタミン薬です。 |
作用 | ビタミンは、体のさまざまな代謝のメカニズムにかかわっています。健康で元気な体を維持するのに欠かせません。ホルモンと異なり、体で作ることができないので、食事からとる必要があります。ビタミンが欠乏すると、それぞれのビタミンに特異な症状があらわれます。
このお薬は、いろいろなビタミンが配合される総合ビタミン薬です。食事が十分にとれないときや、ビタミンの需要が増えているときに用います。1g中に以下のビタミンが含まれます。
- ビタミンA(レチノール 2500単位)
- ビタミンB1(チアミン硝化物 1mg)
- ビタミンB2(リボフラビン 1.5mg)
- ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩 1mg)
- ビタミンB12(シアノコバラミン 1μg)
- ビタミンC(アスコルビン酸 37.5mg)
- ビタミンD(エルゴカルシフェロール 200単位)
- ビタミンE(トコフェロール 1mg)
- パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)(5mg)
- ニコチン酸アミド(10mg)
- 葉酸(0.5mg)
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注意 |
 【診察で】
- 市販薬を含め服用中の薬を医師に報告してください。
- 妊娠中やその可能性のある人、また、妊娠出産を希望されている人は、必ず医師に話してください。
 【使用にあたり】
- 症状により服用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
- 脂溶性のビタミンAとDが含まれますので、むやみに飲みすぎてもいけません。
- 尿が黄色くなっても、薬の色なので心配いりません。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠を予定している人は、妊娠の1カ月くらい前から妊娠初期の3カ月間くらいまで、十分な葉酸をとることが勧められています。アメリカでは、穀物類に葉酸の添加が義務化されています。葉酸添加が義務化された1999年には、生まれつき障害のある赤ちゃんが、以前より19%減少したそうです。ふだんから、バランスのよい食事を十分にとるようにしましょう。
- ビタミンAが含まれますので、多めに飲むと、おなかの赤ちゃんに悪い影響をおよぼすおそれがあります。そのため、ビタミンA欠乏症を除き、妊娠3カ月以内の1日2g以上の使用は禁止されています(ビタミンAとして5000単位以上)。もし、それ以上の服用中に妊娠した場合は、すぐに中止してください。
- いくつもの疫学調査や症例報告などから、妊娠中のビタミンAの多量摂取が奇形の発現率を高めることが分かっています。どの程度の量からかは必ずしもはっきりしませんが、1995年に1日1万単位以上とする報告がされ論議をよびました。高めの報告としては、1日4万単位以上とする研究もあります。食べ物のなかにもビタミンAがたくさん含まれるものがあります。とくに、レバーは一食分でも1万単位を超えてしまうものです。妊婦初期の3カ月間くらい、レバーだけは控えめにしたほうがよいでしょう。逆に、ビタミンAや葉酸の不足も赤ちゃんによくないことが分かっています。どちらにしても、普通に食事をとっていれば心配するようなことはないでしょう。
 【食生活】
- 普通に食事がとれる健康な人では、ビタミンが不足することはありません。バランスのよい食事を十分にとることがなによりです。栄養剤としてビタミンの補給が必要となるのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人、またビタミンの需要が増えているときです。たとえば、ひどいやけど、高熱や下痢が続いているとき、胃腸の手術後、肝臓の悪い人、あるいは妊娠中や授乳中で食事が十分にとれないときなどです。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
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効能 |
本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)。なお、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。 |
用法 |
通常成人1日1〜2gを経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。ただ、脂溶性ビタミンが含まれますので、過剰に飲みすぎると体内に蓄積され、吐き気や嘔吐、頭痛など、いろいろな中毒症状がでるおそれがあります。ビタミン剤だからと油断せず、決められた用量を守ることが大切です。
- ビタミンA過剰症(吐き気、頭痛、肝臓の腫れ、皮膚荒れ、脱毛)
- ビタミンD過剰症(口の渇き、食欲不振、多尿、便秘)
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