概説 |
ビタミンAを補給するお薬です。 |
作用 | ビタミンAは、皮膚や粘膜の代謝にかかわっています。「目のビタミン」とも言われ、欠乏すると、夜盲症(とり目)になったり目が乾燥したりします。
このお薬の有効成分は、ビタミンAです。ビタミンAの不足で起こる目の症状や、皮膚の角化症を改善します。ニキビの治療にも用いるかもしれません。ただ、近年は本当の欠乏症は少なく、処方頻度はそれほど多くありません。 |
注意 |
 【診察で】
- 市販薬を含め服用中の薬を医師に報告してください。
- 妊娠中やその可能性のある人、また、妊娠出産を希望されている人は、必ず医師に話してください。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 乾癬治療薬のエトレチナート(チガソン)など、ビタミンA誘導体とは併用できません。ビタミンAの過剰症状を起こすおそれがあるためです。
- 飲み合わせの悪い薬..エトレチナート(チガソン)、トレチノイン(ベサノイド)、タミバロテン(アムノレイク)、ベキサロテン(タルグレチン)
 【使用にあたり】
- 症状により服用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
- 脂溶性ビタミンですので、とりすぎもいけません。
 【妊娠・授乳】
- 多めに飲むと、おなかの赤ちゃんに悪い影響をおよぼすおそれがあります。そのため、ビタミンA欠乏症を除き、妊娠3カ月以内の1日5千単位以上の使用は禁止されています(チョコラA錠:1錠1万単位)。もし、それ以上の服用中に妊娠した場合は、すぐに中止してください。
- いくつもの疫学調査や症例報告などから、妊娠中のビタミンAの多量摂取が奇形の発現率を高めることが分かっています。どの程度の量からかは必ずしもはっきりしませんが、1995年に1日1万単位以上とする報告がされ論議をよびました。高めの報告としては、1日4万単位以上とする研究もあります。食べ物のなかにもビタミンAがたくさん含まれるものがあります。とくに、レバーは一食分でも1万単位を超えてしまうものです。妊婦初期の3カ月間くらい、レバーだけは控えめにしたほうがよいでしょう。逆に、ビタミンAや葉酸の不足も赤ちゃんによくないことが分かっています。どちらにしても、普通に食事をとっていれば心配するようなことはないでしょう。

- 【食生活】

- 普通に食事がとれれば、ビタミンAが欠乏することはまずありません。ビタミンA(またはカロチン)を多く含む食品には、レバー、うなぎ、卵、牛乳、バター、マーガリン、黄緑野菜(人参、かぼちゃ、パセリ)、果物などがあります。なお、黄色野菜や果物に含まれるカロチンは必要な量だけビタミンAに変換されますので、とりすぎの心配はありません。栄養はいろいろな食べ物からバランスよくとることが大切です。
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効能 |
 【錠】
- ビタミンA欠乏症の治療..夜盲症、結膜乾燥症、角膜乾燥症、角膜軟化症。
- 次の疾患のうち、ビタミンAの欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合..角化性皮膚疾患。
 【末】
- ビタミンA欠乏症の予防および治療..夜盲症、結膜乾燥症、角膜乾燥症、角膜軟化症。
- ビタミンAの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給..妊産婦、授乳婦、乳幼児、消耗性疾患など。
- 次の疾患のうち、ビタミンAの欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合..角化性皮膚疾患。
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用法 |

- 【錠】

- 治療の目的には、ビタミンAとして通常成人1日10、000(1錠)〜100,000ビタミンA単位(10錠)を経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。なお、ビタミンAとして通常用量は成人1日3,000〜100,000ビタミンA単位である。

- 【末】

- 補給の目的には、通常成人、1日0.2〜0.4g(ビタミンAとして、2,000〜4,000ビタミンA単位)を3回に分けて経口服用する。なお、年令により適宜減量する。治療の目的には、通常成人、1日0.3〜10g(ビタミンAとして、3,000〜100,000ビタミンA単位)を3回に分けて経口服用する。なお、年令、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。ただ、脂溶性ビタミンですので、過剰に飲みすぎると体内に蓄積され、吐き気や嘔吐、発疹、皮がむける、髪が抜けるといったいろいろな中毒症状がでるおそれがあります。ビタミン剤だからと油断せず、決められた用量を守ることが大切です。
- 発疹
- 長期大量服用でビタミンA過剰症..だるい、吐き気、吐く、腹痛、めまい、頭痛、肝臓の腫れ、肌荒れ、脱毛。
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