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成分(一般名) タカルシトール
製品例 ボンアルファ軟膏2μg/g、ボンアルファクリーム2μg/g、ボンアルファローション2μg/g、ボンアルファハイ軟膏20μg/g、ボンアルファハイローション20μg/g ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の外皮用剤/ビタミン剤/活性型VD3角化症治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 皮膚の角質をおさえる塗り薬です。乾癬(かんせん)や角化症の治療に用います。
作用

【働き】

尋常性乾癬(一般的な乾癬)は比較的よくみられる皮膚病です。皮膚が作られるのが速くなり、角質が増え炎症をともないます。見た目が悪く、皮膚にわずかに盛り上がった赤い斑ができ、そこにフケのような垢や銀白色のカサブタ‘鱗屑(りんせつ)’ができてきます。はっきりした原因は不明で、よくなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。

このお薬は乾癬をはじめとする皮膚の角化症状を治療する塗り薬です。有効成分は活性型ビタミンD3のタカルシトールです。活性型ビタミンD3には、皮膚が作られる周期を正常化し、角質が多くなるのをおさえる作用があります。これを塗布することにより、皮膚の新陳代謝が改善され、炎症や紅斑、鱗屑といった皮膚症状が改善されるのです。

【薬理】

表皮の角化細胞にあるビタミンD受容体と結合して、細胞増殖亢進、分化(角化)異常、皮膚免疫細胞の異常などを正常化します。
特徴
  • 乾癬の治療に汎用される活性型ビタミンD3外用剤です。低濃度(2μg/g)と高濃度(20μg/g)の製剤が販売されています。低濃度製剤は軽い乾癬に用いるほか、掌蹠角化症をふくめいろいろな角化異常症に適用可能です。高濃度製剤の適応症は尋常性乾癬に限られます。
  • 低濃度製剤には軟膏とクリーム、ローションの3種類があります。高濃度製剤は軟膏とローションの2種類です。これらを、重症度や病変部位、使い勝手などを考慮して使い分けます。軟膏はどのような症状にも無難に使えます。クリームは伸展性があり塗りやすいです。ローションは浸透力が強いのですが、塗布時に刺激症状を起こしやすいです。おもに頭部の皮疹に用いられます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬を含め使用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

腎臓病のある人は高カルシウム血症を発現しやすいので慎重に用いるようにします。とくに高濃度製剤を広範囲に用いる場合は十分な注意が必要です。低濃度製剤はそれほど心配ないと思います。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、血清カルシウム値が上昇し高カルシウム血症があらわれやすくなります。たとえば、骨粗鬆症の治療に用いる飲み薬の活性型ビタミンD3製剤や免疫抑制薬のシクロスポリンなどです。低濃度製剤はそれほど心配ありません。

  • 飲み合わせに注意..骨粗鬆症治療薬(活性型ビタミンD3)、シクロスポリン、カルシウム薬、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、降圧利尿薬など。

【使用にあたり】
  • 清潔な手で適量を患部に塗ってください。通常、低濃度製剤は1日2回、高濃度製剤は1日1回です。医師から指示された範囲内で使用してください。
  • 高濃度製剤は1日に10gを超えてはいけません。また、低濃度製剤と高濃度製剤を患部により使い分ける場合は、タカルシトールとして1日200μgまでとします。
  • 決められた患部以外には塗らないようにしましょう。目や粘膜、傷口は避けてください。
  • 使用後はよく手を洗い、軟膏が目や口、傷口などに付着しないようにしましょう。また、使用直後の入浴やシャワーは避けてください。
  • 誤用のないように、子供の手の届かないところで、高温・多湿を避けて保管してください。
  • 治療期間は医師が症状をみて決めます。安易に漫然と使用することなく、そのときどきの症状に応じたきめ細かな指導を受けるとよいでしょう。
  • 乾癬そのものは治せません。対症療法薬になりますので、症状を上手におさえながら、気長に根気よく治療を続ける必要があります。

【検査】

必要に応じ、血清カルシウム値や腎機能の検査をおこないます。とくに腎臓病のある人、高濃度製剤を広範囲に用いる場合は大事です。
効能

【一般(低濃度)】

乾癬、魚鱗癬、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹

【ボンアルファハイ(高濃度)】

尋常性乾癬
用法

【一般(低濃度)】

通常1日2回適量を患部に塗布する。

【ボンアルファハイ(高濃度)】

通常1日1回適量を患部に塗布する。

  • 注意(高濃度):1日の使用量は本剤として10gまでとする。ただし、他のタカルシトール外用剤と併用する場合には、1日の投与量はタカルシトールとして200μgまでとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 塗り薬ですので、適量を用いるかぎり副作用の心配はそれほどありません。塗布時の軽い刺激感は心配ないと思います。もしも、赤みやカユミがひどくなるようでしたら早めに受診してください。

全身性の副作用で重要なのが高カルシウム血症です。とくに腎臓病のある人や高濃度製剤を広範囲に用いているときは要注意です。このような場合は、定期的に検査をおこなう必要があります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 高カルシウム血症..だるい、脱力感、食欲不振、吐き気、吐く、口の渇き、腹痛、頭痛、めまい、いらいら感、かゆみ、筋力低下、筋肉痛。

【その他】
  • かゆみ、発赤、刺激感、ヒリヒリ感
  • 血清カルシウム上昇

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。