概説 |
細菌をおさえる塗り薬です。皮膚感染症(おでき、とびひ)やざ瘡(ニキビ)の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き-1】

- 表皮ブドウ球菌などの細菌類が毛穴で増殖して起こるのが毛包炎(表在性皮膚感染症)、尋常性毛瘡(深在性皮膚感染症)、ざ瘡といった皮膚感染症です。赤みや腫れを生じ、ときに痛みをともない、あばた状の跡が残ることもあります。
このお薬は抗菌薬を含有する抗菌外用剤です。皮膚感染症の原因菌であるブドウ球菌やアクネ菌を殺菌・除去することにより、赤みや腫れを改善します。いわゆる おでき、とびひ、赤ニキビを含め、細菌による皮膚感染症の治療に用いられます。

- 【働き-2】

- 尋常性ざ瘡は いわゆるニキビのことです。ホルモンバランスの変化による皮脂の過剰分泌が原因のひとつとされ、毛包内の皮脂貯留と角化異常を特徴とします。さらに、アクネ菌やブドウ球菌などの細菌類が増殖すると、赤みや腫れがいっそうひどくなります。
このお薬は抗菌薬を含有する抗菌外用剤です。ニキビを悪化させるアクネ菌やブドウ球菌を殺菌・除去することで、赤みや腫れを改善し炎症性皮疹(赤ニキビ)を減少させます。このような作用から、細菌による化膿性炎症をともなう尋常性ざ瘡の治療に用いられます。

- 【薬理】

- 主成分のナジフロキサシンは、キノロン系の抗菌薬です。細菌のDNAの複製を妨げ、殺菌的に作用します。

- 【臨床試験】

- 尋常性ざ瘡のある患者さん134人を対象に、別系統のクリンダマイシン外用抗菌剤(ダラシンT)と効果を比較する試験がおこなわれています。67人はこの薬を、別の67人はクリンダマイシンを使用し、1カ月後の炎症性皮疹(赤ニキビ)数の減少率を調べます。
その結果、この薬を使用していた人達の炎症性皮疹の減少率は平均45%、クリンダマイシンの人達で53%でした。クリンダマイシンと比べ減少率は低めでしたが、大きく劣ることはなく同等程度の有効性が期待できるわけです(統計学的にクリンダマイシンの優越性は示されていません)。
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特徴 |
- 既存の外用剤とは異なるキノロン系の抗菌外用剤です。アクネ菌や表皮ブドウ球菌をふくめ、グラム陽性菌、陰性菌および嫌気性菌に対し強い抗菌力を発揮します。
- 軟膏、クリーム、ローションの3種類の製剤が販売されています。ざ瘡(ニキビ)に適応するのはクリームとローションです。この2剤は軽度から中等度の炎症をともなうざ瘡(赤ニキビ)によく処方されます。結節や嚢腫をともなう重症例では、内用抗生物質と併用することがあります。
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注意 |

- 【診察で】

- アレルギーのある人は、医師に報告しておいてください。

- 【注意する人】

- 赤ちゃんや子供は慎重に用いるようにします。乳・幼児への使用実績が少なく、安全性が確立していないためです。
 【使用にあたり】
- 通常、適量を1日2回、患部に塗布します。ニキビの場合は、洗顔後に塗ってください。
- 使用期間は医師の指示どおりにしてください。基本的に、炎症がひき、赤みや腫れがとれたら中止するようにします。漫然と長期に続けることは好ましくありません。ニキビの場合、4週間使用して効果のない場合は、中止することになっています。

- 【備考】

- ニキビは病気というより、ひとつの生理現象といえるかもしれません。軽いものが数個程度でしたら、洗顔を中心としたセルフケアで対処可能です。けれど、人によっては大きく赤く腫れたニキビがたくさんできて、あばた状の跡を残してしまうことがあります。このような場合は、外用抗菌剤(この薬)や過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)、またはアダパレン(ディフェリンゲル)などによる治療がお勧めです。
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効能 |

- 【適応菌種】

- 本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
 【適応】
- 軟膏..表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症
- クリーム..表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
- ローション..ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
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用法 |
- 軟膏..本品の適量を1日2回、患部に塗布する。
- クリーム..本品の適量を1日2回、患部に塗布する。なお、ざ瘡に対しては洗顔後、患部に塗布する。
- ローション..本品の適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
塗り薬ですので、副作用はほとんどありません。かえって赤みがひどくなったり、かゆみがでてきたら、早めに受診してください。
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