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成分(一般名) デュタステリド
製品例 アボルブカプセル0.5mg、デュタステリドカプセル0.5mgAV「xx」、デュタステリド錠0.5mgAV「xx」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他のホルモン(抗ホルモン含む)/その他/5α還元酵素阻害薬

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 前立腺を小さくするお薬です。前立腺肥大症に用います。
作用

【働き】

前立腺は膀胱のすぐ下にある臓器です。前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、尿の勢いが悪くなります。そのため、排尿に時間がかかり、残尿感や頻尿といった症状がでてきます。このような状態が「前立腺肥大症」です。

前立腺肥大症には男性ホルモンが関係しています。このお薬は、男性ホルモンをおさえて前立腺を小さくします。もとの大きさの7割くらいに縮小する可能性があります。前立腺の縮小とともに、排尿困難や頻尿といった諸症状も改善します。

【薬理】

男性ホルモンのテストステロンは、5α還元酵素の作用を受け、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このジヒドロテストステロンは活性度が高く、前立腺の肥大に強く関与します。

このお薬は、1型と2型の5α還元酵素を阻害し、高活性物質のジヒドロテストステロンへの変換を抑制します。その結果、前立腺は縮小し、諸症状の改善をもたらします。ただし、病気の原因そのものは治せませんので、中止すると元に戻ってしまう可能性があります。
特徴
  • 5α還元酵素阻害薬(5-ARI)と呼ばれる新しいタイプの前立腺肥大症治療薬です。広義の抗アンドロゲン薬(抗男性ホルモン薬)ともいえますが、既存のホルモン系薬剤とは作用のしかたが違います。
  • 対症療法薬のα遮断薬とは異なり、肥大した前立腺そのものを小さくします。また、従来の抗アンドロゲン薬に比べ、副作用の軽減がはかれるのでは、と期待されています。
注意
【診察で】
  • 肝臓病など持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬を含め服用中の薬を医師に教えてください。薬のなかには、病状を悪化させたり、飲み合わせに注意が必要なものがあります。

【注意する人】

重い肝臓病のある人は使用できません。肝臓での代謝が遅れ、血中濃度が上昇するおそれがあるためです。適用のない女性と子供は、むやみにカプセルに触らないようにしましょう。

  • 適さないケース..重い肝臓病、女性、子供。
  • 注意が必要なケース..肝臓病。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。たとえば、エイズの薬のHIVプロテアーゼ阻害薬(リトナビル、その他)、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)やエリスロマイシン(エリスロシン)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)などに注意が必要です。

【使用にあたり】
  • ふつう、1日1回1錠だけ飲みます。食事の影響はそれほど受けません。
  • カプセルを噛んだり開けたりしないで、そのまま多めの水で飲み込んでください(カプセル内容物には刺激性があります)。
  • 皮膚から吸収されやすい性質があります。万一、カプセルから薬剤が漏れ、女性や子供が触れた場合は、その部分を直ちに石鹸と水で荒い流してください。
  • 治療効果を評価するためには、通常6ヶ月間の治療が必要です。その後の継続は効果や副作用を考慮して決められます。

【検査】

事前に前立腺がんでないことを各種検査で確認し、さらに服用開始後も定期的にその診断をおこなわなければなりません。なお、この薬はPSA(血清前立腺特異抗原)値に影響を与えるので、その点に十分留意する必要があります(服用6ヶ月後で50%減少)。

【備考】
  • 前立腺の大きさや症状によって治療方法が違います。初めのうちは薬で症状をおさえることができます。けれど、薬で前立腺肥大そのものを治すことはできません。病状がすすんでいる場合は、根治的な手術が必要です。最近では、温熱療法もおこなわています。医師とよく相談のうえで、治療方針を決めましょう。
  • ある種の薬の影響で、症状が悪化することがあります。カゼ薬をはじめ、アレルギーの薬、胃腸薬、安定剤、抗うつ薬、パーキンソン病の薬、不整脈の薬などに注意が必要です。他の病気で診察を受けるときは、前立腺肥大症があることを必ず伝えておきましょう。
効能 前立腺肥大症
用法 通常、成人はデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 人によっては、ホルモン関連の副作用があらわれます。乳房のふくらみ、乳首の痛み、性的機能の衰えなどです。これらは危険な副作用ではありませんが、つらいときは早めに受診し医師とよく相談してください。重い副作用として、まれに肝機能障害を起こすことがあります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 乳房が大きくなる、乳首の腫れや痛み
  • 性的機能の衰え(勃起力低下、性欲減退、その他)
  • 肝機能異常

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。