概説 |
前立腺を小さくするお薬です。前立腺肥大症に用います。 |
作用 | 前立腺は膀胱のすぐ下にある臓器です。前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、尿の勢いが悪くなります。そのため、排尿に時間がかかり、残尿感や頻尿といった症状がでてきます。このような状態が「前立腺肥大症」です。
前立腺肥大症には男性ホルモンが関係しています。このお薬は、男性ホルモンをおさえて前立腺を小さくします。もとの大きさの7割くらいに縮小する可能性があります。ただし、病気の原因そのものは治せないので、中止すると元に戻ってしまうことが多いです。 |
特徴 | 合成黄体ホルモン薬です。高用量でアンドロゲン(男性ホルモン)をおさえるので、薬効分類的に抗アンドロゲン薬(抗男性ホルモン薬)ということもできます。 |
注意 |
 【診察で】
- 肝臓病など持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 市販薬を含め服用中の薬を医師に教えてください。薬のなかには、病状を悪化させるものがあります(備考参照)。

- 【注意する人】

- 重い肝臓病のある人は使用できません。この薬により病状が悪化するおそれがあるためです。
- 適さないケース..重い肝臓病。
- 注意が必要なケース..心臓病、腎臓病、ポルフィリン症。
 【使用にあたり】
- ふつう、1回1錠を1日2回朝夕食後に飲みます。
- 服用の目安を4カ月間とします。その後の継続は効果や副作用を考慮して決められます。

- 【検査】

- 事前に前立腺がんでないことを各種検査で確認し、さらに服用開始後も定期的にその診断をおこなわなければなりません。
 【備考】
- 前立腺の大きさや症状によって治療方法が違います。初めのうちは薬で症状をおさえることができます。けれど、薬で前立腺肥大そのものを治すことはできません。病状がすすんでいる場合は、根治的な手術が必要です。最近では、温熱療法もおこなわています。医師とよく相談のうえで、治療方針を決めましょう。
- ある種の薬の影響で、症状が悪化することがあります。カゼ薬をはじめ、アレルギーの薬、胃腸薬、安定剤、抗うつ薬、パーキンソン病の薬、不整脈の薬などに注意が必要です。他の病気で診察を受けるときは、前立腺肥大症があることを必ず伝えておきましょう。
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効能 |
前立腺肥大症 |
用法 |
通常、成人はアリルエストレノールとして1回25mg(1錠)を1日2回経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用でわりと多いのは、勃起障害など性的機能の低下です。まれに、胸が大きくなることもあります。気になることがあれば、医師とよく相談してください。
- 勃起障害、性欲低下、乳房がふくらむ
- むくみ、体重増加
- 吐き気、胃の不快感
- 発疹、肝機能の異常
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