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成分(一般名) エストラジオール
製品例 ジュリナ錠0.5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 卵胞ホルモン,黄体ホルモン/エストラジオール系/経口エストラジオール製剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 女性ホルモンの“卵胞ホルモン”を補うお薬です。更年期障害をはじめ、骨粗鬆症、不妊治療などに用いられます。
作用更年期障害は、閉経時、女性ホルモンの急速な低下に体がついていけない状態です。のぼせ、汗、冷え、動悸、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、不眠、イライラ・・程度も症状もまちまちですが、人によっては耐えがたい苦痛になります。

このお薬は、女性ホルモンとして働く「卵胞ホルモン薬」です。閉経前後に少量を用いることで、更年期障害にともなう不快な症状を改善します。とくに、のぼせや発汗など血管運動神経症状に効果が高いです。また、泌尿生殖器の萎縮にともなう膣の乾燥感や尿失禁などにも有効と考えられます。長期に続けることで骨粗鬆症の予防効果も期待できます。

さらに、不妊治療(生殖補助医療)においても薬事承認され保険がきくようになりました。たとえば、調節卵巣刺激の開始時期の調整に用いられます。治療前周期に この薬を一定期間使用、その後中止して消退出血(月経様出血)を誘導することにより、生殖補助医療を行う周期の開始時期を適切に調節することができるのです。また凍結融解胚移植においては、子宮内膜を肥厚させ、さらに黄体ホルモン薬を併用することにより妊娠の成立や維持に適した子宮内膜を形成できます。
特徴
  • 有効成分は生理活性の高い17β-エストラジオール。天然型の卵胞ホルモン(エストロゲン)の一種です。いわゆる女性ホルモン補充療法(HRT)として、更年期障害の治療に用います。
  • 飲み薬として初めての経口エストラジオール製剤になります。既存の貼付剤で皮膚炎などを起こし継続できない場合に、その代替品として使用可能です。
注意
【診察で】
  • 血栓症など持病や、アレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • とくに長期使用が必要な場合、その利点だけでなく不利益についても説明を受けてください。医師とよく話し合い、納得のうえで治療にあたることが大切です。

【注意する人】

卵胞ホルモンによって悪化する乳がんや子宮がんがある場合は使用禁止です。もし、原因不明の性器出血があるなら、子宮がんでないことを確認したうえで使用する必要があります。血栓性静脈炎や心筋梗塞など、血栓性疾患のある人も使用できません。

  • 適さないケース..血栓性静脈炎、肺塞栓症、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、乳がん、乳がん既往歴、子宮内膜がん、未治療の子宮内膜増殖症、重い肝臓病、妊娠中。
  • 注意が必要なケース..子宮筋腫、子宮内膜症、乳がん家族素因、乳房結節、乳腺症、高血圧、心臓病、腎臓病、肝臓病、糖尿病、片頭痛、てんかん、全身性エリテマトーデス、手術前、寝たきり、長期に体を動かせない状態にある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 飲み合わせによっては、この薬の作用が増強されるおそれがあります。たとえば、マクロライド系抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)やクラリスロマイシン(クラリス)、トリアゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、抗エイズウイルス薬のリトナビル(ノービア)などに注意が必要です。
  • 逆に、この薬の作用を弱めるものもあります。抗結核薬のリファンピシン(リファジン)、抗けいれん薬のやカルバマゼピン(テグレトール)やフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、フェノバルビタール(フェノバール)、ステロイド薬などがこれに当たります。
  • セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないでください。この薬の作用を弱めるかもしれません。

【使用にあたり】
  • 治療目的によって飲み方が違います。更年期障害では黄体ホルモン薬との併用が原則です。周期的投与法など変則的になることがありますので、指示どおりに正しくお飲みください。
  • 飲み始めの乳房痛や子宮出血、吐き気などは、徐々になくなることが多いです。気になるときは、医師とよく相談してください。

【検査】
  • 服薬に先立ち、乳房と子宮に異常がないかを調べます。治療開始後も乳房検診や婦人科検診を定期的に実施する必要があります。
  • 骨粗鬆症で用いている場合、効果の確認のために骨密度の測定をおこなうことがあります。

【食生活】

たとえば長時間飛行や車中泊など、体を動かせない状態が長く続くと、血栓症のリスクが少し高まるかもしれません。水分を多くとり、できるだけ体、ことに足をこまめに動かすようにしましょう。

【備考】
  • ホルモン補充療法(HRT)には、いくつかの方法があります。卵胞ホルモン薬と黄体ホルモン薬を併用するのが基本ですが、子宮を摘出している場合は卵胞ホルモン単独でおこないます。また、連続的に使用する方法と、休薬期間を設け周期的に用いる方法があります。周期的投与法では、生理のような出血が起こります。自然な生理がまだある場合と、そうでない場合、また本人の意向もふまえて投与方法が決められます。
  • 数年単位の長期使用により子宮がんになる割合が増えますが、黄体ホルモン薬との併用によりむしろ減少するという報告があります。
  • 乳がんになる率がわずかに増えることも知られています。定期的な乳房検診でチェックをするようにしましょう。
  • 晩期エストロゲン欠乏症状という観点から、動脈硬化や心臓病、さらにはアルツハイマー病などに対するHRTによる予防効果が期待されていました。けれども、最近おこなわれた大規模な臨床試験において、そのような効果は否定され、かえって悪影響になることが分かりました。とくに、高齢者に対するホルモン補充療法は利益よりも不利益のほうがはるかに大きいことが示されています。安易な老化予防を目的とした長期使用は避けたほうがよいでしょう。
効能

【効能A】

更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状

  • 血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)
  • 腟萎縮症状

【効能B】

閉経後骨粗鬆症

【効能C】

生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整

【効能D】

凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期
用法

【効能A】

通常、成人はエストラジオールとして1日1回0.5mgを経口服用する。なお、増量する場合は、エストラジオールとして1日1回1.0mgを経口服用することができる。

【効能B】

通常、成人はエストラジオールとして1日1回1.0mgを経口服用する。

【効能C】

通常、エストラジオールとして1日1回0.5又は1.0mgを21〜28日間経口服用し、服用期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。

【効能D】

通常、エストラジオールとして1日0.5〜4.5mgを経口服用し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始して、妊娠8週まで本剤の服用を継続する。なお、1回服用量は2.0mgを超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用で多いのは、乳房の張りや痛み、生理予定外の出血、吐き気や腹痛、腹部膨満などです。これらは、2〜3カ月して体が慣れてくればたいてい軽快しますので、それほど心配ないと思います。つらいようでしたら、早めに受診し医師とよく相談してください。

重い副作用はまずありませんが、念のため注意が必要なのは「血栓症」です。血液の固まりで血管が詰まることで起こります。生じる所はいろいろです。手足、とくにふくらはぎの痛みやシビレ、突然の息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、めまい、急に視力が落ちるといった症状が前触れとなります。万一のことですが、そのような症状があらわれたら、すぐ医師に連絡してください。

そのほか、すぐに起こる副作用ではありませんが、長期間のホルモン補充療法により、乳がんの発現リスクが少し高まる可能性があります。このへんのことも含め、治療上の不利益についてもよく聞いておくとよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 血栓症..手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる。

【その他】
  • 乳房が張る、乳房痛
  • 予定外の性器出血、下腹部痛、おりもの
  • 吐き気、食欲不振、腹痛、腹部膨満

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。