PR 人気の薬系書籍ベスト30 「くすり本NAVI 」 おくすり 110番

成分(一般名) チアマゾール
製品例 メルカゾール錠2.5~5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 甲状腺,副甲状腺ホルモン/抗甲状腺ホルモン/抗甲状腺剤

スポンサード リンク 投げ銭コ-ナ-
概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 甲状腺ホルモンを抑えるお薬です。バセドウ病など甲状腺機能亢進症に用います。
作用

【働き】

甲状腺ホルモンが多すぎると、体の代謝が異常に高まります。暑がり、汗をかく、微熱が続く、手の震え、心臓のドキドキ、イライラ、食べても食べてもやせる・・といった症状があらわれます。放っておくと、心臓を弱らせてしまうこともあります。このような甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気が「バセドウ病」です。

このお薬は、抗甲状腺薬です。甲状腺ホルモンの合成をおさえて、その分泌を減らします。結果的に、甲状腺機能亢進症のいろいろな症状が改善されます。

【薬理】

甲状腺のペルオキシダーゼという酵素を阻害して、甲状腺ホルモンの生合成を抑制します。
特徴代表的な抗甲状腺薬です。効き目が早く副作用も少ないので、第一選択されることが多いです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠出産を希望される人は、事前に医師と相談しておくとよいでしょう。
  • 副作用や注意点についてよく説明を受けてください。

【注意する人】

肝臓病や血液に病気のある人は注意して用います。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

抗凝血薬のワルファリンやジギタリス系の強心薬と相互作用を起こす可能性があります。

【使用にあたり】
  • そのときどきの症状によって飲む量が違います。発症時には多めに飲む必要があります。その後、改善度を見ながら徐々に減らしていきます。
  • 特有の症状がよくなるのに1〜2カ月かかります。甲状腺の腫れや目の症状がとれるまでにはさらに時間がかかります。
  • 症状が落ち着いても、少量の維持量をしばらく続けることになります。指示された期間、根気よく続けましょう。
  • 一般的に治療期間は数年単位になります。中止する時期は、甲状腺の検査結果などで慎重に判断されます。

【検査】

定期的に決められた検査を受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。とくに飲み始めの2カ月間は、2週に1回、血液検査をおこなわなければなりません。

【食生活】
  • 薬を飲みはじめたら、食べ過ぎないようにしてください。
  • しばらくは、激しい運動を避け過労にならないようにしましょう。

【備考】

副作用で抗甲状腺薬が使えないときは、手術や放射性ヨードによる治療をおこないます。一時的にヨウ素薬(ルゴール、ヨウ化カリウム丸)でしのぐこともあります。
効能 甲状腺機能亢進症。
用法
  • チアマゾールとして、通常成人は初期量1日30mgを3〜4回に分割経口服用する。症状が重症のときは、1日40〜60mgを使用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1〜4週間ごとに漸減し、維持量1日5〜10mgを1〜2回に分割経口服用する。
  • 通常小児は初期量5歳以上〜10歳未満では1日10〜20mg、10歳以上〜15歳未満では1日20〜30mgを2〜4回に分割経口服用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1〜4週間ごとに漸減し、維持量1日5〜10mgを1〜2回に分割経口服用する。
  • 通常妊婦は初期量1日15〜30mgを3〜4回に分割経口服用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1〜4週間ごとに漸減し、維持量1日5〜10mgを1〜2回に分割経口服用する。正常妊娠時の甲状腺機能検査値を低下しないよう、2週間ごとに検査し、必要最低限量を服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 わりと多いのは、飲み始めの「皮膚症状」です。発疹やじん麻疹がでたり、皮膚がかゆくなります。このようなときは、一時中止し継続の可否を医師に判断してもらってください。そのほか、甲状腺ホルモンの低下にともない一時的に甲状腺が腫れたり、筋肉痛や筋肉のつりを起こすことがあります。

重い副作用はまれですが、注意すべき副作用に「血液障害」があります。白血球など血液の成分が異常に減少し、体の抵抗力がひどく落ちたりします。多くは飲み始めの数週間から数カ月間に出現します。もしも、高熱がでて喉が痛くなってきたら、ただちに医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 多発性関節炎..あちこちの関節の腫れや痛み。
  • SLE様症状..筋肉や関節が痛む、体や顔が赤くなる、赤い斑点ができる、発熱、手足や首の付け根のリンパ節が腫れる。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 血管炎症候群..発熱、血尿、尿の濁り、咳、喀血、息苦しい、皮膚潰瘍、皮下出血(青あざ)。
  • 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。

【副作用】
  • 発疹、じん麻疹、発赤、かゆみ
  • 筋肉痛、関節痛、脱毛

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
スポンサード リンク 投げ銭してネ !
おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。