概説 |
胃腸の働きをよくするお薬です。吐き気や食欲不振、胸やけなどに用います。 |
作用 | 
- 【働き-1】

- 弱った胃腸の運動を活発にして、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助けます。そうすることで、吐き気や嘔吐、食欲不振や膨満感、胸やけなどの症状を改善します。慢性胃炎をはじめ、器質的な病変のない機能性ディスペプシアの治療に広く用いられています。

- 【働き-2】

- 腸の運動を高め、内容物の輸送を促進します。腸管洗浄剤(ニフレック等)による結腸内の洗浄効果を増強し、さらに結腸内の水分重量を減少させます。バリウム注腸X線造影検査前処置の補助薬として有用です。

- 【薬理】

- 胃や十二指腸に存在するセロトニン5-HT4受容体を刺激して、アセチルコリンという物質を遊離させます。そのアセチルコリンの作用により、胃腸の運動が活発になります。
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特徴 |
- よく処方される胃腸薬です。薬理学的に「セロトニン作動薬(選択的セロトニン5-HT4作動薬)」の部類です。薬効分類的には「消化管運動促進薬」または「消化管運動賦活薬」あるいは「胃腸機能調整薬」「胃腸機能改善薬」などに分類されます。
- 胃腸にだけ作用するので、旧来の同類薬にみられるホルモン異常や不整脈の副作用がほとんどなく、また飲み合わせの心配も少ないです。このため、販売中止となった同系のシサプリド(アセナリン)に変わり広く処方されるようになりました。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に報告しておきましょう。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 胃腸の痛み止めの抗コリン薬といっしょに飲むと、お互いの作用が減弱する可能性があります。
 【使用にあたり】
- 指示どおりに飲んでください。ふつう、1日3回食前もしくは食後に飲みます。
- 一定期間(通常2週間)服用後、医師が胃腸症状の改善について評価し、継続の必要性について検討します。長期にわたり漫然と続けるべきではありません。

- 【食生活】

- 慢性胃炎(機能性胃腸症)では、薬だけに頼るのでなく、食生活の改善も大切。暴飲暴食を避け、腹八分目。消化のよい物をとるようにしましょう。アルコールやタバコもよくありません。
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効能 |

- 【効能A】

- 慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)

- 【効能B】

- 経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助
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用法 |

- 【効能A】

- 通常、成人は、モサプリドクエン酸塩として1日15mgを3回に分けて食前または食後に経口服用する。

- 【効能B】

- 通常、成人は、経口腸管洗浄剤の服用開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを経口腸管洗浄剤(約180mL)で経口服用する。また、経口腸管洗浄剤服用終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。人によっては、腹痛や下痢があらわれます。症状がよくならないときや、かえって胃腸の調子が悪くなるときは、早めに受診してください。
重い副作用として、肝機能障害が報告されています。万一のことですが、ひどい倦怠感、食欲不振、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色といった症状に注意し、そのような場合はすぐに医師に連絡してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
 【その他】
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