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成分(一般名) マクロゴール4000/塩化ナトリウム/炭酸水素ナトリウム/塩化カリウム
製品例 モビコール配合内用剤LD~HD ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 下剤,浣腸剤/その他の配合剤/慢性便秘症治療薬

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 便通をつけるお薬です。便秘症の治療に用います。
作用

【働き】

便秘は、十分量かつスムーズな排便ができず、排出すべき便が大腸内に留まっている状態です。排便回数の減少、便の硬さ、排便困難感、残便感などにより診断され、主な症状として腹痛や膨満感なども伴います。便秘は発症経過や期間から急性(一過性)便秘と慢性便秘に分かれ、さらに腸管通過に影響する器質的病変の有無により機能性便秘と器質性便秘に大別されます。

このお薬は便秘薬です。腸管内の水分を増やし、便をやわらかくして排便を促します。また、腸管内の水分増加により、便の通りが滑らかになり、排便が楽になります。機能性の慢性便秘症に広く用いられるほか、別の病気からくる症候性便秘や薬剤性便秘にも使えます。ただし、腫瘍などによる器質性便秘には向きません。

【薬理】

主成分のマクロゴール(ポリエチレングリコール)の浸透圧効果により、腸管内の水分量が増加します。それに伴い、便の水分含有量が増え柔軟化、便容積が増大することにより、生理的に大腸の蠕動運動が活発化します。また、腸管内の水分増加により、排便がより滑らかになると考えられます。なお、マクロゴールのほかに、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩化カリウムが配合されるのは、腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持するためです。

【臨床試験】

慢性便秘症に対する効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験が行われています。参加したのは、自発排便回数が週に平均3回未満の状態が半年以上続いている慢性便秘症の患者さん156人。このうち80人はこの薬を、残りの76人はプラセボを服用し、服薬第2週の自発排便回数がどれだけ増えるか調べます。

その結果、排便回数の変化量は、この薬を飲んだ人達で週あたり平均4.3回増加(1.6→5.9回/週)、プラセボの人達で1.6回増加(1.4→3回/週)しました。この薬のほうが、プラセボよりも週2.7回ほど排便回数が増えたわけです。また長く続けても、その効果は維持され減弱しませんでした。安全性については、下痢や腹痛が一定の割合で見られましたが、いずれも軽度で、減量など適切な処置により回復しました。なお、小児を対象とした別の試験でも同様の有効性と安全性が示されています。
特徴
  • マクロゴール4000を主成分とするポリエチレングリコール製剤です。作用機序から、浸透圧性下剤(増量性下剤)に分類される慢性便秘症治療薬になります。なお、マクロゴール4000は日本薬局方収載品であり、海外で使用されているポリエチレングリコール3350と同等です。
  • 海外での使用実績が豊富です。安全性が高く、小児を含めた慢性便秘症に対する有望な治療選択枝となります。刺激性下剤で問題視される耐性や習慣性の心配がなく、効き目が落ちることもありません。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中またはその可能性のある人は、医師に報告してください。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。薬が原因の便秘も少なくありません。

【注意する人】

腫瘍やヘルニアなどで腸閉塞のある人は使用できません。

  • 適さないケース..腸閉塞、腸管穿孔、重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、中毒性巨大結腸症等)のある人。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。年齢や症状により用法・用量が違います。通常、少量で開始し、症状に応じて2日以上間隔をあけて増量します。
  • 飲む時間は決まっていません。排便のタイミングや生活リズムを考慮し、1日1〜3回、朝、昼または夕食前後などにします。学校や職場で昼間の服薬が難しければ、1日2回朝夕にすればいいでしょう。
  • 1包あたりコップ3/1程度(約60mL)の水に溶かして飲みます。溶解液の作り置きは勧められませんが、やむを得ない場合は、冷蔵庫に保存のうえ、できるだけ早く服用してください。
  • 飲み忘れたら、気づいたときに飲んでください。ただし、次の服用時間が近ければ、1回分抜かし、次の時間に1回分飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 比較的安全に長期服用が可能です。ただし、腹痛や下痢を起こすことがあるので、症状に応じ減量、休薬または中止を考慮する必要があります。治療方針もなく、ただ漫然と続けるのは好ましくありません。

【妊娠・授乳】
  • 危険性が高いわけではありませんが、妊娠中における安全性はまだ確立されていません。このため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り使用されることになります。
  • 乳汁中の服用は、母乳栄養の有益性を考慮のうえ、授乳継続が可能かどうか医師が決めます。

【食生活】

薬にだけ頼るのではなく、食生活の改善をおこない規則正しい排便習慣をつけることが大切。便秘薬は、どうしても便通のないときにワンポイントで使用したり、排便のリズムをとり戻すために一定期間だけ使用するのが原則です。

  • 排便習慣..朝食後、便意がなくても必ずトイレへ。朝おきたときに、冷たい水や牛乳を飲んでおくとよい。
  • 運動..とくに腹筋を使う運動、からだの反り・ねじりなど腹部の体操が効果的。
  • 食物繊維と乳酸菌食品..野菜、果物、海藻、きのこ、豆、ヨーグルト、乳酸菌飲料などを積極的にとる。
効能 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
用法 本剤は、水で溶解して経口服用する。

通常、2歳以上7歳未満の幼児は初回用量としてモビコール配合内用剤LD(以後LD)1包を1日1回経口服用する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口服用、最大服用量は1日量としてLD 4包又はモビコール配合内用剤HD(以後HD)2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。

通常、7歳以上12歳未満の小児は初回用量としてLD 2包又はHD 1包を1日1回経口服用する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口服用、最大服用量は1日量としてLD 4包又はHD 2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。

通常、成人及び12歳以上の小児は初回用量としてLD 2包又はHD 1包を1日1回経口服用する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口服用、最大服用量は1日量としてLD 6包又はHD 3包まで(1回量としてLD 4包又はHD 2包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 2包又はHD 1包までとする。
  • [適用上の注意1]調製時:本品6.8523g(モビコール配合内用剤LD 1包)あたりコップ1/3程度(約60mL)又は本品13.7046g(モビコール配合内用剤HD 1包)あたりコップ2/3程度(約120mL)の水に溶解する。溶解後は速やかに服用すること。
  • [適用上の注意2]保存時:やむを得ず保存する必要がある場合は、冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに服用すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的多いのは、効き過ぎによる腹痛と下痢です。多くは軽度でそれほど心配いりませんが、早めに受診し減量や休薬をふくめ医師とよく相談してください。ほとんど吸収されないので、全身的な副作用はまずありません。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。

【その他】
  • 下痢、腹痛、吐き気、腹部膨満、吐き気
  • 発疹

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。