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成分(一般名) ルビプロストン
製品例 アミティーザカプセル12μg~24μg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 下剤,浣腸剤/その他/クロライドチャネルアクチベーター

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 便通をつけるお薬です。便秘症に用います。
作用

【働き】

便秘は、便が大腸内に留まり排便がスムーズにできない状態です。排便回数の減少、便の硬さ、排便困難感、残便感などにより診断され、腹痛や膨満感なども伴います。

このお薬は便秘薬です。小腸で腸液の分泌を増やし、便の水分量を増やします。便が柔らかくなるので、便の移動がスムーズになり便通がよくなるというわけです。一般的な慢性便秘症(機能性便秘)に広く用いられるほか、別に病気がある症候性便秘や薬剤性便秘にも使えます。ただし、腫瘍など器質的疾患による便秘には向きません。

【薬理】

腸管粘膜上のClC-2クロライドイオンチャネルを活性化し、小腸腸管内腔へのCl-輸送により浸透圧を生じさせ腸液の分泌を促進します。その結果、便の水分含有量が増え柔軟化、腸管内輸送がうながされ便秘が改善します。

【臨床試験】

便秘症状の改善効果をプラセボ(にせ薬)と比較する臨床試験が行われています。参加したのは、自発排便回数が週に平均3回未満の状態が半年以上続いている慢性便秘症の患者さん124人。うち62人はこの薬を、別の62人はプラセボを飲むようにクジ引きで分けます。効果の判断基準は、服薬第1週の自発排便回数の変化量です。

その結果、排便回数の変化量は、この薬を飲んだ人達で約3.7日の増加(1.7日→5.4日/週)、プラセボの人達で1.3日増でした(1.7日→3日/週)。この薬を飲んでいた人達のほうが、プラセボの人達に比べ1週間あたり2.4日ほど排便回数が増えたわけです。また、飲み始めて24時間以内に排便があった人の割合は、この薬を飲んだ人達で58%(36/62人)、プラセボの人達で31%(19/62人)でした。さらに、初回排便までの平均時間(中央値)は、この薬で約13時間、プラセボの人達で約29時間でした。
特徴
  • 新しい作用機序をもつ便秘症治療薬です。上皮機能変容薬あるいはクロライドチャネルアクチベーターと呼ばれ、ClC-2クロライドイオンチャネルを活性化することで、腸管内への水分分泌を促進します。古くからの大腸刺激下剤や塩類下剤とは効き方が異なり、便秘症に対する新たな治療選択肢になると期待されています。なお、アメリカでは少量を便秘型過敏性腸症候群の治療にも適用されます。
  • プルゼニドやアローゼンなど刺激性下剤で問題視される耐性や習慣性の心配がなく、効き目が落ちることもないようです。また、電解質異常や大腸黒皮症(メラノーシス)の副作用もなく、比較的安全に長期服用ができるものと考えられています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中またはその可能性のある人は、医師に報告してください。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。薬が原因の便秘も少なくありません。

【注意する人】

がんやヘルニアなどで腸閉塞のある人は使用できません。重い肝臓病や腎臓病のある人は用量に注意するなど慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..がんやヘルニアなどで腸閉塞のある人また疑いのある人、妊娠中の人など。
  • 注意が必要なケース..中等度以上の肝臓病や重い腎臓病のある人。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。ふつう、1日2回、朝食後と夕食後に1回1錠(24μg)を飲みます。肝臓病や腎臓病のある人は、減量したり、1日1回にすることがあります。
  • 比較的安全に長期服用が可能です。ただし、治療方針もなく、ただ漫然と続けるのは好ましくありません。医師と相談のうえですが、症状に応じて減量、休薬または中止することも考慮しましょう。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中は禁止です。はっきりしたことは分かっていませんが、おなかの赤ちゃんに悪い影響をしたり、流産を起こす危険性が否定できないのです。このため、妊娠の可能性のある女性は、服用前に妊娠検査などをおこない妊娠していないことを確認する必要があります。また、この薬を飲んでいるあいだは、妊娠しないように適切な方法で避妊してください。もし、服用中に妊娠が確認された場合または疑われる場合は、直ちに医師と連絡をとりましょう。
  • 乳汁中へ薬が移行しますので、服用中は授乳を避けてください。

【食生活】

薬にだけ頼るのではなく、食生活の改善をおこない規則正しい排便習慣をつけることが大切。便秘薬は、どうしても便通のないときにワンポイントで使用したり、排便のリズムをとり戻すために一定期間だけ使用するのが原則です。

  • 排便習慣..朝食後、便意がなくても必ずトイレへ。朝おきたときに、冷たい水や牛乳を飲んでおくとよい。
  • 運動..とくに腹筋を使う運動、からだの反り・ねじりなど腹部の体操が効果的。
  • 食物繊維と乳酸菌食品..野菜、果物、海藻、きのこ、豆、ヨーグルト、乳酸菌飲料などを積極的にとる。
効能 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
用法 通常、成人はルビプロストンとして1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口服用する。なお、症状により適宜減量する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 ときどき起こるのは、効き過ぎによる下痢や腹痛、吐き気や嘔吐などの胃腸症状です。重症化することはまずありませんが、早めに受診し薬の減量をふくめ医師とよく相談してください。

非常にまれな副作用として、呼吸困難が報告されています。飲みはじめに急に発現し、通常は3時間以内に消失するようです。万一、息苦しさや息詰まりを自覚するようなことがあれば、医師と連絡をとり指示をあおいでください。

  • 下痢、腹痛、吐き気、腹部不快感、嘔吐
  • 呼吸困難(息苦しさ、息詰まり)、胸部不快感

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。