概説 |
排便するお薬です。 |
作用 | グリセリンが含まれる浣腸液の下剤です。肛門ないし直腸の粘膜を刺激して、排便をうながします。ただちに排便効果がえられます。 |
特徴 | 速効性のグリセリン浣腸液です。すみやかに排便したいときや、硬結便(硬く固まった便)のある場合に用います。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人、また妊娠中の人は医師に伝えてください。
- 正しい使用方法の説明を受けておきましょう。

- 【注意する人】

- 急性腹症(虫垂炎、腹膜炎等)や腸管内出血など腸の病気によっては使用できません。体の弱っている人や、小さい子供、高齢の人、また硬結便(硬く固まった便)のある場合も慎重に用います。とくに高齢の人は、脱水を起こしやすいので、使用量に注意が必要です。
 【使用にあたり】
- 製品により使用方法が少しずつ違います。事前に説明書をよく読んでおいてください。
- 浣腸液は、お湯につけて40度くらいまで加温しておくとよいでしょう。少量の内容液でチューブの先端部を潤すか、オリブ油またはワセリンを塗布しておくと挿入しやすくなります(はじめから潤滑剤が塗布されている製品もあります)。
- 挿入時の体位は左側を下に横向きに寝て、ひざを軽くお腹の方に曲げてやや前屈の姿勢にします。立った状態での浣腸は危険ですのでやめてください。
- 準備ができたら、肛門内にチューブをゆっくり挿入してください。挿入の目安は、大人で5〜7cm、子供は3〜4cmくらいです。深く入れ過ぎるとチューブの先端が直腸壁にぶつかり、直腸粘膜を傷つけるおそれがあります。
- 浣腸液は少しずつゆっくりと注入します。注入後、チューブを静かに抜き取り、肛門部をティッシュなどで押さえ、便意が強くなってから排便してください。
- 挿入時あるいは注入中に抵抗感や不快感を感じたときは、無理をしないで、いったん中止し医師と相談してください。
- グリセリン浣腸液の長期常用は好ましくありません。頓用するか、できるだけ短期間にとどめましょう(医師の指示どおりに)。

- 【食生活】

- 薬にだけ頼るのではなく、食生活の改善をおこない規則正しい排便習慣をつけることが大切。便秘薬は、どうしても便通のないときにワンポイントで使用したり、排便のリズムをとり戻すために一定期間だけ使用するのが原則です。
- 排便習慣..朝食後、便意がなくても必ずトイレへ。朝おきたときに、冷たい水や牛乳を飲んでおくとよい。
- 運動..とくに腹筋を使う運動、からだの反り・ねじりなど腹部の体操が効果的。
- 食物繊維と乳酸菌食品..野菜、果物、海藻、きのこ、豆、ヨーグルト、乳酸菌飲料などを積極的にとる。
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効能 |
便秘、腸疾患時の排便。 |
用法 |
通常、1回10〜150mLを直腸内に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
使用直後に少し腹痛がするかもしれません。一時的でしたら心配ないでしょう。長く続けていると、体が下剤に頼りがちになり自然な排便が困難になってしまいます。安易な常用は避けてください。
とくに、高齢の人や食事が十分にとれないなど体の弱っている人では、過度の瀉下作用により脱水症状を起こすおそれがあります。そのような場合は、必要性をよく検討したうえで、少量から開始するなどの配慮が必要です。
- 腹痛、ゴロゴロする、肛門部・直腸不快感、残便感
- 血圧変動、脱水
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