概説 |
便通をよくするお薬です。また、胃酸を中和する働きもあります。 |
作用 | 
- 【作用-1】

- 腸内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させます。また、便増大による間接的な刺激で腸の運動が活発になり便通がつきます。

- 【作用-2】

- 胃の粘膜が弱ると、“胃酸”の刺激で胃炎や胃潰瘍を起こしやすくなります。このお薬には制酸作用があり、“胃酸”をおだやかに中和します。そうすることで、胃炎や胃潰瘍の治りをよくします。
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特徴 |
- 酸化マグネシウムは、昔からある古典的な薬ですが、今なお広く処方されています。通称「カマ」とか「カマグ」と呼ばれています。薬価が安価でコスパにも優れます。
- 慢性便秘症に第一選択されることが多いです。増量性・非刺激性の塩類下剤になります。腸を直接刺激する刺激性便秘薬と異なり、習慣性が少なく、長く続けても効きめが落ちません。多めの水で服用するのがポイントです。
- 利便性の高い錠剤と、用量の微調整ができる粉薬があります。
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注意 |
 【診察で】
- 腎臓病など持病のある人は医師に伝えてください。
- 服用中の薬は、医師に伝えましょう。

- 【注意する人】

- 大量のマグネシウムは心臓によくありません。また、腎臓が悪いとマグネシウムが体にたまりやすいです。そのため、心臓病や腎臓病のある人は、用量に注意するなど慎重に用いるようにします。高齢の人も高マグネシウム血症の発現に注意が必要です。
- 注意が必要なケース..心臓病、腎臓病、高マグネシウム血症のある人、下痢を起こしている人、高齢の人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 同時服用により、他の薬の吸収をじゃまする性質があります。たとえば、テトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌薬、セフェム系抗生物質のセフジニル(セフゾン)、骨の薬のビスホスフォネート系薬剤、強心薬のジギタリス製剤・・これらの薬効を減弱させるおそれがあります。服用時間を2〜3時間あければ大丈夫です。
- 骨粗鬆症の薬のビタミンD3製剤(ワンアルファ、アルファロール)との併用により、高マグネシウム血症を起こしやすくなります。とくに、腎臓の悪い人は注意が必要です。
- カルシウム(Ca:1日1g以上)や、牛乳(1日1リットル以上)の大量摂取は控えましょう。この薬の影響で、ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)を起こすおそれがあります。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。症状によって飲み方が違います。
- 便秘症の場合、寝る前に飲むことも多いです。できるだけ多めの水(コップ一杯)で飲むとよいでしょう。
- 長期服用時に、嘔吐、徐脈、筋力低下や傾眠などがあらわれたなら、服用を中止し、直ちに受診してください。高マグネシウム血症の疑いがあるためです。

- 【検査】

- 長期服用時は、必要に応じ血清マグネシウム濃度を測定します。腎臓病のある人、高齢の人など、高マグネシウム血症に要注意です。
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効能 |

- 【効能A】

- 便秘

- 【効能B】

- 下記疾患における制酸作用と症状の改善
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)
- 上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)

- 【効能C】

- 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防
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用法 |

- 【効能A】

- 緩下剤として使用する場合..酸化マグネシウムとして、通常成人1日2g(2000mg)(細粒83%として2.4g)を食前又は食後の3回に分割経口服用するか、又は就寝前に1回服用する。

- 【効能B】

- 制酸剤として使用する場合..酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0g(500〜1000mg)(細粒83%として0.6〜1.2g)を数回に分割経口服用する。

- 【効能C】

- 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合..酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6g(200〜600mg)(細粒83%として0.24〜0.72g)を多量の水とともに経口服用する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
安全性の高いお薬ですが、服用量が多いときなど、人によっては便がやわらかくなったり軽い腹痛を起こすことがあります。症状によっては、服用量の調整が必要ですので、早めに受診し医師と相談してみるとよいでしょう。
長期服用時は「高マグネシウム血症」に念のため注意してください。とくに腎臓の悪い人や高齢の人、あるいは骨の薬のビタミンD3製剤と併用しているときに起こりやすいです。吐き気、嘔吐、脈が遅い、力が入らない、意識がぼんやりするなど いつもと違う症状があらわれたら、飲むのをやめて、すぐに医師に診てもらってください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 高マグネシウム血症..だるい、吐き気、吐く、立ちくらみ、めまい、口が渇く、皮膚発赤、まぶたが下がる、筋力低下、眠気、血圧低下、徐脈、息苦しい、意識がうすれる。
 【その他】
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