概説 |
弱った胃の働きをよくするお薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- いろいろな成分を含む胃腸薬です。胃酸を中和する「制酸薬」、消化を助ける「消化薬」、食欲を増進する「薬用植物(生薬)」などが配合されます。胃もたれ、食欲不振、胸やけ、吐き気などの胃腸症状に広く用いられています。
 【薬理】
- 炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム..胃酸を中和する制酸薬です。炭酸水素ナトリウムは速効性です。
- 乾燥水酸化アルミニウムゲル..胃酸を中和する持続性の制酸薬です。胃の粘膜を保護する作用もあります。
- ジアスメン..炭水化物(でんぷん)を消化します。
- カンゾウ末..炎症をしずめたり、胃の粘膜を保護します。
- ケイヒ末、ウイキョウ、ニガキ末、オウバク末、ショウキョウ末..これらの薬用植物(生薬)の芳香、苦味、辛味成分が胃腸粘膜を刺激し、唾液や胃液の分泌を促進します。胃腸の運動もよくなり、食欲もでてきます。
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特徴 | 古くからある胃腸薬です。いわゆる健胃散と呼ばれる部類です。胃の粘膜に異常のない慢性胃炎(機能性胃腸症)に向きます。鎮痛薬など他の薬による胃腸症状を予防するのに、いっしょに処方されることもあります。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 塩分が含まれるので、塩分摂取制限の必要な人には向きません。心臓や腎臓の悪い人も慎重に用いる必要があります。
- 適さないケース..塩分摂取制限の必要な人、透析を受けている人、高カルシウム血症、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症のある人。
- 注意が必要なケース..重い消化管潰瘍、心臓病、腎臓病のある人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 同時服用により、他の薬の吸収をじゃまする性質があります。たとえば、テトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌薬・・これらの薬効を減弱させるおそれがあります。服用時間を2〜3時間あければ大丈夫です。
- 骨粗鬆症の薬のビタミンD3製剤(ワンアルファ、アルファロール)との併用で、高カルシウム血症を起こす可能性があります。とくに、腎臓の悪い人は注意が必要です。
- カルシウム(Ca:1日1g以上)や、牛乳(1日1リットル以上)の大量摂取は控えましょう。この薬の影響で、ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)を起こすおそれがあります。

- 【使用にあたり】

- 指示どおりにお飲みください。ふつう、1日3回飲みます。多めの水で飲むとよいでしょう。

- 【食生活】

- 機能性胃腸症では、薬だけに頼るのでなく、食生活の改善も大切。暴飲暴食を避け、腹八分目。消化のよい物をとるようにしましょう。アルコールやタバコもよくありません。
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効能 |
下記消化器症状の改善
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用法 |
通常、成人は1回1.0〜1.3gを1日3回食後に経口服用する。なお、症状に応じ適宜増量する。小児は年齢に応じて減量する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありませんが、人によっては服用時にむかついたり、便秘がちになることがあります。症状がよくならないときや、かえって胃腸の調子が悪くなるときは、早めに受診してください。
多めの量を飲み続けると、体内の塩分が増えて、血圧が上がり、むくみを生じる可能性があります。もともと心臓病や腎臓病のある人、また血圧が高めの人は注意してください。
長期大量服用時、とくに腎臓の悪い人や高齢の人は、高マグネシウム血症や尿路結石にも念のため注意してください。定期的に検査を受けていれば大丈夫です。
- 一過性の吐き気、おなかの膨満感
- 便秘
- 血圧上昇、むくみ
- 腎結石、尿路結石..排尿時の痛み、下腹部・横腹・腰・背中の激しい痛み、尿の濁り、血尿。
- 高マグネシウム血症..だるい、吐き気、吐く、口が渇く、皮膚発赤、まぶたが下がる、筋力低下、眠気、血圧低下、徐脈、息苦しい、意識がうすれる。
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