概説 |
胃酸の分泌を抑えるお薬です。胃炎や胃潰瘍の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 胃酸は、本来、胃腸に侵入してくる“ばい菌”を殺菌する大切な役目をしています。けれど、胃壁が弱っていると、胃粘膜を荒らし、胃炎や胃潰瘍(胃粘膜の傷)の原因にもなります。
このお薬は、胃酸の分泌を強力におさえます。結果的に、胃炎や潰瘍の治りがよくなり、痛みもやわらぎます。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを防ぐのにも用います。
 【薬理】
- 胃粘膜のムスカリン受容体(M1)を遮断することで、胃酸の分泌をおさえます。胃酸による胃粘膜への刺激が弱くなるので、胃炎や胃潰瘍の治癒につながります。
- 胃酸の分泌を促進するホルモンの一種“ガストリン”をおさえます。
- 胃粘膜の血流をよくすることで、胃酸に対する防御機能を高めます。
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特徴 |
- ムスカリン受容体拮抗薬に分類されます。とくにこの薬は、胃に選択的に作用するので、他の臓器への影響が少ないです。
- 強力な潰瘍治療薬(H2ブロッカー、PPI)による高ガストリン血症を予防するのに適します。
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注意 |

- 【診察で】

- 持病のある人や、服用中の薬は医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 緑内障の人や、前立腺肥大などで尿の出にくい人は慎重に用います。

- 【使用にあたり】

- 決められた飲み方を守ってください。ふつう、1日3〜4回飲みます。他の薬と併用することも多いです。

- 【食生活】

- 目がまぶしくなったり、ぼやけて見えることがあります。車の運転や危険な作業、高所での仕事には十分注意してください。

- 【備考】

- 潰瘍の多くは、胃に住み着く「ピロリ菌」が原因。ピロリ菌を除菌すれば、難治性の潰瘍でも、たいてい完治できます。再発を繰り返す場合は、医師と相談のうえ除菌療法を試みるとよいでしょう。
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効能 |
- 次の疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、付着粘液)並びに消化器症状の改善//急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍。
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用法 |
通常、成人は1回1錠(ピレンゼピン塩酸塩無水物として25mg)を、1日3〜4回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。人によっては、口が渇いたり、便秘がちになることがあります。重い副作用はまずありません。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 無顆粒球症..発熱、のどの痛み、口内炎、咳、だるい。
- アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
 【その他】
- 口の渇き、便秘
- 尿が出にくい、目のちらつき・かすみ
- 発疹
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