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成分(一般名) シメチジン
製品例 タガメット錠200mg~400mg、タガメット細粒20% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 消化性潰瘍用剤/H2遮断薬/H2受容体拮抗剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 胃酸の分泌をおさえるお薬です。胃炎や胃潰瘍の治療に用います。
作用

【働き】

胃酸は、本来、胃腸に侵入してくる“ばい菌”を殺菌する大切な役目をしています。けれど、胃壁が弱っていると、胃粘膜を荒らし、胃炎や胃潰瘍(胃粘膜の傷)の原因にもなります。

このお薬は、胃酸の分泌を強力におさえます。結果的に、胃炎や潰瘍の治りがよくなり、痛みもやわらぎます。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを防ぐのにも用います。

【薬理】

胃粘膜のヒスタミン受容体(H2)を遮断することで、胃酸の分泌をおさえます。胃酸による胃粘膜への刺激が弱くなるので、胃炎や胃潰瘍の治癒につながります。
特徴
  • ヒスタミン受容体拮抗薬に分類されます。一般的には、H2拮抗薬とかH2ブロッカーと呼んでいます。同系としてもっとも歴史が古く、この薬の開発により、胃潰瘍の治癒率が大きく向上しました。
  • この系統は、各科で広く用いられています。現在でも、消化性潰瘍の治療に第一選択されます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えましょう。

【注意する人】

腎臓の悪い人や、高齢の人は、薬の排泄が遅れがちです。少量を用いるなど、服用量、服用間隔などに配慮が必要です。薬でアレルギーを起こしたことのある人も慎重に用います。

  • 注意が必要なケース..腎臓病、肝臓病、薬でアレルギーを起こしたことのある人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • いろいろな薬の血中濃度を上昇させ、その作用を強める可能性があります。たとえば、抗凝血薬のワルファリン、喘息の薬のテオフィリン(テオドールなど)、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)、高血圧の薬のβ遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗不整脈薬、抗うつ薬・・これらとは慎重に併用します。
  • 胃酸が少なくなる関係で、逆に、他の薬の吸収を悪くすることもことも考えられます。服用中の薬は市販薬も含め、必ず医師に報告しておきましょう。
  • 飲酒は控えてください。この薬の影響でアルコールの代謝が悪くなり、ひどく悪酔いするおそれがあります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。症状、年齢、製剤によって飲み方が違います。症状が重いときは多めになりますし、逆に軽い胃炎では半分の量になります。
  • 食後のほか、寝る前に飲むことも多いです。夜間の胃酸分泌による潰瘍生成を防ぐためです。
  • 自分だけの判断で飲むのをやめてはいけません。急にやめると反発的に胃酸の分泌が増え、潰瘍が悪化したり再発するおそれがあります。中止するときは、医師の判断で、徐々に減量しなければなりません。
  • 潰瘍に非常によい効果を発揮する反面、やめると再発しやすいという欠点があります。潰瘍の場合、症状がよくなった後も、再発予防のため少量を続けることがあります。

【検査】

長期に続けるときは、定期的に血液や肝機能の検査が必要です。

【備考】

潰瘍の多くは、胃に住み着く「ピロリ菌」が原因。ピロリ菌を除菌すれば、難治性の潰瘍でも、たいてい完治できます。再発を繰り返す場合は、医師と相談のうえ除菌療法を試みるとよいでしょう。
効能

【効能A】

胃潰瘍、十二指腸潰瘍。

【効能B】

吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)。

【効能C】

次の疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善//急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。

【応用】

医師の判断で別の病気に応用されることがあります(膵炎、じん麻疹、帯状疱疹など)。
用法

【効能A】

通常成人はシメチジンとして1日800mgを2回(朝食後及び就寝前)に分割して経口服用する。また、1日量を4回(毎食後及び就寝前)に分割もしくは1回(就寝前)服用することもできる。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【効能B】

通常成人はシメチジンとして1日800mgを2回(朝食後及び就寝前)に分割して経口服用する。また、1日量を4回(毎食後及び就寝前)に分割して服用することもできる。なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には、通常注射剤で治療を開始し、内服可能となった後は経口服用に切りかえる。

【効能C】

通常成人はシメチジンとして1日400mgを2回(朝食後及び就寝前)に分割して経口服用する。また、1日量を1回(就寝前)服用することもできる。なお、年齢・症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。人によっては、肝機能値に異常があらわれたり、便秘がちになったりします。また、多めの量を長く飲んでいると、男性の乳首が腫れて痛むことがあります。

まれですが、不安感や無気力感、混乱や幻覚、けいれんなど精神神経系の副作用を生じる可能性があります。とくに、もともと腎臓の悪い人や高齢の人は注意してください。

特異な副作用として、白血球や血小板が減少する血液障害も知られています。そのほか、肝障害、腎炎、皮膚障害などの報告もあります。これらは、きわめてまれな副作用ですが、定期的な検査でチェックする必要があります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • アナフィラキシー・ショック..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、冷汗、顔が白くなる、手足のしびれ、脈が弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 心臓の伝導障害..胸が苦しい、脈がとぶ、脈が遅い(50/分以下)、めまい、ふらつき、失神。
  • 意識障害、けいれん..意識の乱れ、筋肉のぴくつき、筋肉の硬直、手足けいれん、全身けいれん。

【その他】
  • 便秘
  • 発疹、肝機能値の異常
  • 乳首の腫れや痛み、生理不順、乳汁分泌、勃起障害
  • 眠気、頭痛、めまい、不安感、無気力感
  • 混乱状態、幻覚

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。