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成分(一般名) ホルモテロール フマル酸塩水和物
製品例 オーキシス9μgタービュヘイラー28吸入~60吸入 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 気管支拡張剤・他/β刺激剤/ドライパウダー吸入式気管支拡張剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 気管支を広げるお薬です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用います。
作用

【働き】

「慢性閉塞性肺疾患」いわゆるCOPDは、慢性的な気道の閉塞症状をともなう肺疾患の総称です。これには従来からの慢性気管支炎と肺気腫が含まれます。少し動くだけで息切れするなど体動時の呼吸困難を特徴とし、慢性的な咳や痰をともなうことが多いです。

このお薬は、気管支を広げ空気の流れをよくする気管支拡張薬です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対し長期管理薬として定期吸入することで、呼吸を楽にし息切れ症状をやわらげます。吸入後すみやかに効果が発現し、約12時間持続します。

【薬理】

気管支平滑筋にある交感神経の「β2受容体」を刺激して気管支を広げます。このとき拡張するのは気管支の細い部分です。β2選択性が高いため、心臓など循環器系への悪影響が少ない気管支拡張薬です。

【臨床試験】

慢性閉塞性肺疾患の患者さんをクジ引きで分け、199人はこの薬を、別の208人はプラセボ(にせ薬)を使用し、その効果を比較する試験がおこなわれています。効果の判定は3ヶ月後の肺活量(FEV1:1秒間呼気量)でおこないます。肺活量は、慢性閉塞性肺疾患の重症度を客観的にとらえる重要な指標です。

その結果、この薬を吸入していた人達の肺活量は平均1.31(L)、プラセボの人達で1.25(L)でした。 使用前に比べ、この薬を使用していた人達は10%以上高まりましたが、プラセボの人達はほとんど変わりませんでした。また、呼吸や咳のでかたをふくめた健康関連の生活の質の程度を点数化した評価においても、6点以上改善することが確かめられました。
特徴
  • β2刺激薬に分類される気管支拡張薬(LABA)です。同類薬のうち、β2選択性が高い第3世代に分類されます。速効性と持効性を兼ね備え、また安全性が高いのが特徴です。同類のサルメテロール(セレベント)に比べ作用発現時間が早く、すみやかな治療効果が期待できます。
  • 長時間作用型なので、1日2回の吸入で24時間効果が持続します。このため、維持管理薬として定期的に吸入するようにします。単独で用いるほか、抗コリン吸入薬などと併用することがあります。
  • 薬剤肺到達率の高いドライパウダー吸入式です。効率よく吸入できる専用の吸入器具(タービュヘイラー)を採用しています。なお、同一成分の経口剤としてアトックが、また配合吸入剤としてシムビコートタービュヘイラーが発売済みです。
注意
【診察で】
  • 高血圧や心臓病など、持病のある人は医師に伝えておいてください。
  • 正しい使い方と吸入方法の説明を受けておきましょう。

【注意する人】

交感神経刺激作用から、高血圧や心臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などを悪化させるおそれがあります。これらの病気のある人は、病状の変化に注意してください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 同一成分を含むブデソニド・ホルモテロール配合吸入薬(シムビコート)、あるいは長時間作動型の同類薬サルメテロール(セレベント)やインダカテロール(オンブレス)とは同時に吸入しないでください。
  • アドレナリン(ボスミン)や、イソプレナリン(ストメリン、イソメニール、プロタノール)などカテコールアミン製剤との併用により動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。また、短時間作用型のβ2刺激吸入薬は、症状悪化時に頓用する場合以外、過度に併用しないようにしましょう。
  • テオフィリン(テオドール)、ステロイド薬、利尿薬などとの併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあります。定期的に検査をするなど慎重に用います。
  • β遮断薬はこの薬の作用を弱めます。Β遮断薬は高血圧や不整脈に用いるほか、点眼薬として緑内障の治療にも使いますから注意してください。
  • 不整脈を起こしやすい薬剤との併用に注意が必要です。たとえば、一部の抗不整脈薬や三環系抗うつ薬などがこれにあたります。

【使用にあたり】
  • 維持管理薬として毎日規則的に吸入する必要があります。説明書をよく読み、過不足なく決められた吸入回数を必ず守ってください。ふつう、1回1吸入、1日2回朝と夜に吸入します。
  • 吸入し忘れた場合は、気がついたときにできるだけ早く1回分を吸入してください。2回分を一度に吸入してはいけません。
  • 症状悪化時に他の速効性の吸入薬を使うよう指示されている場合は、その吸入薬を直ちに吸入してください。
  • タービュヘイラー使用後は必ずキャップ(カバー)を閉めて保管してください。また、マウスピースの外側を週に1〜2回乾燥した布で清拭しておきましょう(水洗いはしないこと)。

【検査】

とくに高血圧や心臓病のある人は、定期的に血圧測定や心電図検査をおこない、副作用がでていないかチェックします。また、必要であれば血液検査をおこない、カリウム値などに異常がないか調べます。

【食生活】

慢性閉塞性肺疾患の第一の原因はタバコ。タバコの煙が肺や気管支を傷つけ機能を悪くするのです。禁煙が治療の第一歩です。

【備考】

慢性閉塞性肺疾患の治療の主役は気管支拡張薬。長時間作用性の抗コリン薬もしくはβ2刺激薬が第一選択され、効果不十分な場合には両者による吸入療法がおこなわれます。それでも増悪をくり返す場合、さらに吸入ステロイド薬を追加することもあります。いずれも対症療法薬ですので病気そのものは治せませんが、症状悪化による悪循環を断ち、進行をおさえて予後を改善するものと期待されるのです。
効能 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
用法 通常、成人には1回1吸入(ホルモテロールフマル酸塩水和物として9μg)を1日2回吸入投与する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 正しく使用するかぎり副作用の心配はほとんどありません。ただし、過剰使用により頭痛や動悸、手のふるえ、さらには低カリウム血症や重い不整脈を引き起こすおそれがあります。そのような副作用を避けるためにも、決められた用法・用量を守ることが大事です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。

【その他】
  • 動悸(ドキドキ感)、頻脈、不整脈、血圧上昇
  • 指や手のふるえ、筋肉けいれん
  • 頭痛

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。