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成分(一般名) イプラトロピウム臭化物
製品例 アトロベントエロゾル20μg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 気管支拡張剤・他/抗コリン薬/抗コリン性気管支収縮抑制剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 気管支を広げるお薬です。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用います。
作用

【働き】

気道の閉塞にもとづく病気に「気管支喘息」と「慢性閉塞性肺疾患」があります。喘息では気管支が炎症で過敏になり、発作的にせき込んだり、ゼーゼー・ヒューヒューと息苦しくなったりします。一方、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は可逆性に乏しく、慢性的な気道閉塞障害による体動時の呼吸困難が特徴的です。

この吸入薬の有効成分イプラトロピウムは気管支拡張薬の一種です。気管支の収縮をおさえ、気道の通りをよくして呼吸を楽にします。同系としては作用時間が短い短時間型です。気管支喘息をはじめ、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患の治療に用いられています。

【薬理】

気管支の収縮でかなめになるのがアセチルコリンという神経伝達物質です。つまり、肺の副交感神経系から遊離するアセチルコリンが、気管支平滑筋にあるムスカリン受容体に結合し、その刺激を受けて収縮するのです。この薬の有効成分のイプラトロピウムは、ムスカリン受容体と結合し、アセチルコリンの結合を競合的に阻害します。結果的に気管支の収縮が抑制され、気管支拡張作用をもたらすわけです。このような作用から、抗コリン薬(抗アセチルコリン薬)、または作用する受容体の名前にちなみムスカリン受容体拮抗薬もしくはムスカリン性アセチルコリン受容体遮断薬などと呼ばれています。
特徴
  • 抗コリン薬に分類される古くからの気管支拡張薬(SAMA)です。短時間型で作用時間はあまり長くありません。細い気管支を拡張するβ刺激薬に対し、抗コリン薬は太い気管支によく作用します。β刺激薬に比べ、効力、速効性ともやや劣りますが、効き目が落ちることがなく副作用も比較的少ないです。
  • 気管支喘息では、定時または発作時に補助的に用いる程度で、処方される機会は少なくなりました。β刺激薬が副作用で使いにくい場合、あるいはCOPD合併例などに処方されることがあります。
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)においては第一選択されます。ただし、維持管理薬としては新薬の長時間作用性の吸入薬(スピリーバ等)に処方が移っています。短時間型なので、早期の軽い息切れ症状に頓用したり、β2刺激薬で効果不十分な呼吸困難時に追加・併用するといった使い方になっています。
注意
【診察で】
  • 緑内障や前立腺肥大症など、持病のある人は医師に伝えておいてください。
  • 正しい吸入方法の説明を受けておきましょう。

【注意する人】
  • 閉塞隅角緑内障のある人は禁止です。前立腺肥大症で尿の出の悪い人も使用できません。
  • 開放隅角緑内障や不整脈(上室性不整脈)のある人、高齢の人で痰を出す力の弱っている人は慎重に用います。

【使用にあたり】
  • 用法・用量は指示どおりにしてください。年齢や症状により吸入量が異なります。
  • 息をはいたあと、噴霧と吸入のタイミングを合わせてゆっくり深く吸い込み、数秒間息をとめるようにします。詳しい使用方法や吸入方法は説明書にならってください。
  • 目に入らないように注意してください。
  • 吸入後、うがいをし口をすすぎましょう。
  • 決められた回数を吸入しても、喘息発作がおさまらない場合や、たびたび起こる場合は、それ以上使わないで すぐに受診してください。

【食生活】

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の第一の原因はタバコ。タバコの煙が肺や気管支を傷つけ機能を悪くするのです。禁煙が治療の第一歩です。
効能 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
  • 気管支喘息
  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫
用法 専用のアダプターを用いて、通常、1回1〜2噴射(イプラトロピウム臭化物として20〜40μg)を1日3〜4回吸入投与する。なお、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。まれに、口の乾燥、吐き気、頭痛、一過性の動悸(ドキドキ感)などがみられます。かえって、痰が出にくくなるときは、医師と相談してください。重い副作用はまずありませんが、動悸がひどいときや長く続くときは医師に連絡してください。

万一誤って薬剤が目に入り、充血や目の痛み、かすみ、視覚の異常、視力低下などがあらわれたら、すぐに眼科を受診してください。緑内障発作につながるおそれがあります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
  • 重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。

【その他】
  • 口内乾燥、痰が出にくい
  • 吐き気、頭痛、排尿困難、動悸(ドキドキ感)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。