概説 |
狭心症の発作を予防するお薬です。 |
作用 | 狭心症は、いわゆる心臓発作の一つです。心筋に供給される血液が不足するのが原因で、胸に圧迫感を感じたり、しめつけられるように痛みます。
このお薬は、冠動脈拡張薬です。心臓をとりまく冠動脈を強力に広げるので、心筋に血液がたくさん届くようになります。心筋の血液不足が解消されれば、狭心発作もおさまります。
ただし、狭心症の原因そのものを治すことはできません。ふつう、予防薬として定期的に毎日使用することになります。なお、速効性ではありませんので、起きている発作を止めるのには適しません。 |
特徴 |
- 硝酸エステルのニコチン酸誘導体で、硝酸薬(ニトロ)に近いお薬です。狭心症状をよくおさえ、低血圧などの副作用も少ないので、広く処方されています。硝酸薬に見られる効果の減弱も比較的少ないとされます。
- 長期予後の検証は十分とはいえませんが、シグマートの追加処方により心筋梗塞などの重い症状の発症が17%減少したという報告がされています(IONA)。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- 肝臓の悪い人や緑内障のある人は慎重に用います。
- 注意が必要なケース..肝臓の悪い人、緑内障、高齢の人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 勃起障害や肺高血圧症の治療に用いるシルデナフィル(バイアグラ、レバチオ)やバルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)、あるいはリオシグアト(アデムパス)との併用は禁止です。併用により血圧が急激に下がるおそれがあり危険です。
- 飲酒は控えましょう。アルコールは、めまいや頭痛の副作用を強めます。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を守ってください。自分だけの判断でやめてはいけません。
- 発作止めにはなりません。発作時には、他の速効性の舌下錠や舌下スプレーを用います。
- 湿気を避けて涼しいところに保管しましょう。
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効能 |
狭心症。 |
用法 |
ニコランジルとして、通常、成人1日量15mgを3回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
安全性が高く、重い副作用はほとんどありません。人によっては、頭痛がするかもしれません。そのほか、めまい、顔のほてり、動悸などもみられます。頭痛は、続けているうちにたいてい軽くなりますが、ひどいときは医師に相談してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 血小板減少..鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
- 口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍..口内の発赤や痛み、排便時の痛みや出血、胃痛・腹痛、下血(黒いタール状の血液便)、吐血(コーヒー色のものを吐く)。
 【副作用】
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