概説 |
血圧を上げるお薬です。低血圧症の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 血管にある交感神経を刺激し、血管を収縮させて血圧を上げます。おだやかに長く効きます。本態性低血圧や、起立性低血圧(立ちくらみ)の治療に使われています。

- 【薬理】

- 血管平滑筋の交感神経α1受容体を刺激することで、血管を収縮させます。α1受容体に選択的に作用するので、選択的α1受容体刺激薬と呼ばれています。
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特徴 |
- おもに、骨格筋や内臓の血管に作用します。心臓や脳血管への影響が少ない点が特徴です。低血圧にともなう立ちくらみや、めまいの症状によく処方されます。
- 腹圧性尿失禁の補助薬として応用されることがあります。尿道平滑筋を収縮させ、尿道閉鎖圧を高めることで尿もれを防ぎます。
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注意 |

- 【診察で】

- 持病のある人は医師に伝えておいてください。

- 【注意する人】

- 甲状腺機能亢進症や高血圧の人では、さらに血圧が上がってしまうおそれがあります。心不全など心臓の悪い人も医師と相談してください。
- 適さないケース..甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、褐色細胞腫またはパラガングリオーマ。
- 注意が必要なケース..重い心臓病、血行障害、重い腎臓病、高血圧、前立腺肥大のある人など。

- 【使用にあたり】

- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。

- 【食生活】

- 本態性低血圧は、他にこれといった病気がなく、もともとの体質や日頃の生活習慣が原因となります。十分な食事と、少し多めの塩分、そして軽い運動が効果的です。日常生活に大きな支障がなければ、薬による治療は必要ありません。
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効能 |

- 【適用】

- 本態性低血圧、起立性低血圧

- 【応用】

- 腹圧性尿失禁
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用法 |
成人はミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減する。ただし、重症の場合は1日8mgまで増量できる。小児はミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高量は6mgとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。もし、横に寝ると頭痛がするときは、頭部を高くして寝ると、やわらぐようです。ひどいときや長く続くときは、早めに医師に相談してください。重い副作用はほとんどありません。
- 頭痛、動悸
- 吐き気、腹痛
- ほてり感、発汗、尿が出にくい
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