概説 |
血圧を下げるお薬です。高血圧症に用います。 |
作用 | 2種類の有効成分からできている高血圧症治療薬です。成分の1つは、ARBことアンジオテンシンU受容体拮抗薬のカンデサルタン(ブロプレス)です。これは新しいタイプの降圧薬で、血圧を上げる「アンジオテンシンU」という体内物質をおさえる作用があります。そして、体の血管が広がり、また水分や電解質が調整されて、血圧が下がります。
もう一つの配合薬は、古くからあるチアジド系降圧利尿薬のヒドロクロロチアジドです。こちらは、体の余分な水分を塩分とともに尿に排出して血圧を下げます。近年、同系の利尿薬は処方される機会が少ないのですが、大規模臨床試験で寿命を延ばすことが証明されている良薬です。少量であれば副作用も少なく、併用薬としても優れています。
これらの2成分がいっしょに作用することで、降圧効果が高まり、十分血圧が下がるようになります。また、心臓や腎臓の負担が軽くなる効果も期待できます。日々の血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぎ、より長生きにつながります。 |
特徴 |
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と少量利尿薬との合剤です。利尿薬のヒドロクロロチアジドの含量が6.25mgと通常量の1/4ほどで、副作用が出にくいです。ARBのカンデサルタンはLDが4mg、HDが8mgとなります。持続性があるので通常1日1回、服用錠数も1錠で済みます。
- 基本的に第一選択薬とはせず、他の標準薬で効果不十分な場合に使用するようにします。今後、第二選択薬として処方される機会が増えてくると思います。
|
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中の人は医師に伝えてください。また、服用中に妊娠した場合は、すぐ医師に報告してください。
- 使用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 腎臓や肝臓の悪い人は、病状により使用できないことがあります。また、糖尿病や痛風、脱水や電解質失調のある人、減塩療法中の人、また高齢の人などは、副作用の発現に注意するなど慎重に用います。
- 適さないケース..急性腎不全、無尿、透析療法中、明らかな低ナトリウム・低カリウム血症、妊娠中の人など。
- 注意が必要なケース..腎臓病、腎臓の動脈が狭い人、肝臓病、動脈硬化症、高尿酸血症、痛風、糖尿病、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、脳卒中を起こしたことのある人、脱水・電解質失調(水分摂取不十分、過度の発汗、下痢、嘔吐)、減塩療法中、手術前、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬がいろいろあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。
- 他の降圧薬や利尿薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意が必要です。
- エプレレノン(セララ)やスピロノラクトン(アルダクトン)などカリウム保持性降圧利尿薬(抗アルドステロン薬)と併用するときは、血液中のカリウム分の増えすぎに注意します。少量の併用でしたら、それほど心配ないでしょう。
- ステロイド薬やグリチルリチン製剤、一部の漢方薬と飲み続けるときは、低カリウム血症に注意が必要です。
- 糖尿病の薬の作用を弱めるおそれがあります。
- 心臓の薬のジギタリス薬と併用するときは、ジギタリス中毒の副作用に十分注意します。
- 鎮痛薬との併用により、この薬の降圧作用が弱まる可能性があります。
- 気分安定薬のリチウム(リーマス)と併用するときは、リチウム中毒の発現に注意が必要です。
- 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

- 【使用にあたり】

- 決められた飲み方を守ってください。ふつう、1日1回朝食後に1錠飲みます。尿量が増えるので、夕刻以降は避けるのが一般的です(夜間トイレで起きないように)。

- 【検査】

- 各種の検査を定期的に受ける必要があります。カリウム値など電解質の検査のほか、尿酸、血糖、腎機能、肝機能などに異常がないか調べます。腎機能が多少悪化しても、一過性であれば心配いりません。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠中は用いません。中期以降に飲み続けると、胎児の発育に悪い影響をおよぼすおそれがあります。
 【食生活】
- とくに飲みはじめに、めまいや立ちくらみを起こしやすいです。急に立ち上がらないで、ゆっくり動作するようにしましょう。また、車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
- 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
|
効能 |
高血圧症 |
用法 |
成人は1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mg)を経口服用する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
比較的多いのは、体のだるさ、めまい、頻尿、頭痛などです。検査でよく見つかるのは尿酸値の上昇です。血糖値は上がりぎみですが、糖尿病治療中の人は低血糖症にも注意が必要です。カリウム値は上がることも、逆に下がることもあります。
もともと腎臓の悪い人では、飲み始めに腎機能が一時的に悪化することがあります。この場合、カリウム値の上昇に十分注意しなければなりません。定期的に血液検査を受けて、重篤な「高カリウム血症」になる前に予防することが大切です。
重い副作用はまずありませんが、薬が効きすぎると、血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こします。失神など一過性の意識消失も報告されていますので、とくに高齢の人、厳重な減塩療法中、また他の薬と併用するときなどに注意してください。
まれに肝臓が悪くなることもあります。定期的に肝機能の検査を受けたほうがよいでしょう。そのほか、特異な副作用として、顔や口が腫れあがる重篤な血管浮腫も報告されています。飲み始めに念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 過度の血圧低下..強いめまい・ふらつき、強い立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。
- 血管浮腫..顔や唇、舌、喉がひどく腫れる、息がしにくい。
- 腎不全..だるい、吐き気、むくみ、尿の濁り、血尿、尿が少ない・出ない。
- 高カリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん。
- 低ナトリウム血症..だるい、口が渇く、吐き気、嘔吐、意識もうろう、意味不明な言動、けいれん。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
- 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、手足に力が入らない、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
- 肺障害(間質性肺炎など)..息切れ、息苦しさ、から咳、痰、発熱。
- 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
 【その他】
- だるい、めまい、立ちくらみ、頻尿、頭痛
- 腎機能の一過性の悪化
- 低カリウム血症(だるい、筋力低下、動悸、便秘)、高カルシウム血症
- 血糖値の上昇、糖尿病の悪化
- 尿酸値の上昇、痛風の悪化(発作誘発)
- 肝機能値の異常、発疹、光線過敏症
|