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成分(一般名) テルミサルタン
製品例 ミカルディス錠20mg~40mg~80mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 降圧剤/A-U拮抗剤(ARB)/胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカー

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 血圧を下げるお薬です。高血圧症に用います。
作用血圧を上げる「アンジオテンシンU」という体内物質をおさえる作用があります。これにより、体の血管が広がり、また水分や電解質が調整されて血圧が下がります。心臓や腎臓の負担を軽くする効果も期待できます。

おもに高血圧症の治療に使用されています。病状にもよりますが、心臓病(心不全など)や腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも有効と考えられます。血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。
特徴
  • アンジオテンシンU受容体拮抗薬と呼ばれる新しいタイプの降圧薬です。略称をARBといいます。作用的には、従来のACE阻害薬に近いです。高血圧の治療に、この系統が処方されることが増えてきました。国内で5番目のARBとなります。
  • ACE阻害薬に多くみられる“咳”の副作用がほとんどありません。その他の副作用も比較的少なく、長期維持療法に適します。持続性があるので1日1回の服用で済むのも利点です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中の人は医師に伝えてください。また、服用中に妊娠した場合は、すぐ医師に報告してください。
  • 服用中の薬は、医師に伝えておきましょう。

【注意する人】

重い肝臓病や虚血性の腎臓病、高カリウム血症のある人は、その病状により使用できないことがあります。糖尿病がある人で、別の高血圧の薬のアリスキレン(ラジレス)を飲んでいる人も原則的に控えるようにします。また、血液透析を受けている人、減塩療法中の人、利尿薬を服用中の人、高齢の人などは血圧の下がり過ぎに注意が必要です。妊娠中は使用できません。

  • 適さないケース..重い肝臓病、胆汁の分泌がきわめて悪い人、糖尿病の人でアリスキレン(ラジレス)を服用している場合、妊娠している人。
  • 注意が必要なケース..腎動脈狭窄など虚血性腎臓病のある人、高カリウム血症、重い腎臓病、肝臓病、脳卒中を起こしたことのある人、血液透析中、減塩療法中、脱水時、手術前、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。

  • 別の血圧降下薬や利尿薬と飲み合わせるときは、血圧の下がりすぎに注意が必要です。利尿薬を服用中に この薬に変更または追加すると、思いのほか血圧が下がることがあるので、少量から始めるようにします。
  • 血圧降下薬のアリスキレン(ラジレス)と併用するのなら、腎障害や高カリウム血症、低血圧などの発現に十分注意する必要があります。とくに重い腎臓病や糖尿病のある人は、どうしても必要な場合を除き勧められません。併用により副作用が増強し、かえって悪い結果をまねくおそれがあるためです。
  • カリウム補給薬のスローケー、またはエプレレノン(セララ)やスピロノラクトン(アルダクトン)などカリウム保持性降圧利尿薬(抗アルドステロン薬)と併用するさいは、血液中のカリウム分の増えすぎに留意しなければなりません。少量の併用でしたら、それほど心配ないでしょう。
  • 高カリウム血症をまねく飲み合わせとして、ほかにも、降圧薬のACE阻害薬、月経困難症治療薬のドロスピレノン・エチニルエストラジオール(ヤーズ)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)などがあります。
  • 強心薬のジゴキシン、また気分安定薬のリチウムとの併用により、それらの血中濃度が上昇したとの報告があります。
  • 抗炎症・鎮痛薬(NSAIDs)との併用により、この薬の降圧作用が弱まる可能性があります。また、もともと腎臓の悪い人では、病状を悪化させるおそれがあります。
  • 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方、服用量を守ってください。ふつう、少量で開始し、ゆっくり血圧を下げていきます。十分に血圧が下がるまでに、1〜2週間かかるかもしれません。
  • 他の降圧薬や利尿薬といっしょに飲むことも多いです。とくに少量の利尿薬との併用は効果的と考えられています。

【検査】

血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウムの値や、腎機能、肝機能値などに異常がないか調べます。腎機能が多少悪化しても、一過性であれば心配いりません。

【妊娠・授乳】

妊娠中には用いません。中期以降に飲み続けると、胎児の発育に悪い影響をおよぼすおそれがあるためです。もし、妊娠の可能性がでてきましたら、すぐに受診し確定検査を受けてください。

【食生活】
  • とくに飲みはじめに、めまいや立ちくらみを起こしやすいです。急に立ち上がらないで、ゆっくり動作するようにしましょう。また、車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
  • 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
効能 高血圧症。
用法 通常、成人はテルミサルタンとして40mgを1日1回経口服用する。ただし、1日20mgから服用を開始し漸次増量する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大服用量は80mgまでとする。
  • 注意:肝障害のある患者に投与する場合、最大投与量は1日1回40mgとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 体のだるさ、めまい感、頭痛などがみられます。これらは、徐々に慣れてくることが多く、それほど心配いりません。ひどいときは早めに医師に相談してください。類似薬(ACE阻害薬)に多かった”咳”の副作用はほとんどみられまらせん。

もともと腎臓の悪い人では、飲み始めに腎機能が一時的に悪化することがあります。この場合、「高カリウム血症」にも注意が必要です。定期的に血液検査を受けて、重くなる前に予防することが大切です。

重い副作用はまずありませんが、薬が効きすぎると、血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こします。失神など一過性の意識消失も報告されていますので、とくに高齢の人、血液透析中、厳重な減塩療法中、夏季脱水時、また利尿薬など他の薬と併用するときなどに注意してください。

まれに肝臓が悪くなることもあります。定期的に肝機能の検査を受けたほうがよいでしょう。そのほか、顔や口が腫れあがる重篤な血管浮腫(下記)も報告されています。万一のことですが、飲み始めに念のため注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 過度の血圧低下..めまい・ふらつき、立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 血管浮腫..顔や唇、舌、喉がひどく腫れる、飲み込みにくい、息がしにくい、手足が腫れる。
  • 急性腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ。
  • 高カリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。

【その他】
  • だるい、めまい、ふらつき、立ちくらみ、低血圧
  • 頭痛、頭重感、動悸
  • 腎機能の一過性の悪化
  • 吐き気、腹痛、味覚異常
  • 肝機能値の異常、咳、発疹、かゆみ

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。