概説 |
血圧を下げるお薬です。高血圧症に用います。 |
作用 | 脳に働きかけて、体の交感神経を抑制します。交感神経がゆるむと、血管が広がり血圧が下がります。
血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。 |
特徴 | 中枢性交感神経抑制薬と呼ばれる系統です。最近は処方されることが少ないのですが、心臓や腎臓が弱っている人や、糖尿のある人にも使用できます。また、妊娠中の高血圧には、使用実績が豊富なこの薬がよく使われます。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- 肝臓の悪い人は控えます。服用により、病状が悪化するおそれがあります。高齢の人も副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬があります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。
- 他の降圧薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。とくにβ遮断薬との併用では、脈が遅くなったり眠気が強まる可能性があります。
- パーキンソン病の薬のレボドパと併用すると、降圧作用が強まることがあります。
- 飲酒は控えてください。めまいや眠気、精神症状の副作用がでやすくなります。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を守ってください。
- ふつう、少量で開始し、ゆっくり血圧を下げていきます。
- 他の降圧薬や利尿薬と併用することがあります。
- 自分だけの判断で、量を減らしたり、飲むのをやめてはいけません。急に中止すると、反発的に症状が悪化するおそれがあります。

- 【検査】

- 血液検査を定期的に受ける必要があります。肝機能や血液の成分に異常がないか調べます。
 【食生活】
- とくに飲みはじめに、めまいや立ちくらみを起こしやすいです。急に立ち上がらないで、ゆっくり動作するようにしましょう。また、車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
- 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
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効能 |
高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧 |
用法 |
メチルドパとして、通常成人初期1日250〜750mgの経口服用から始め、適当な降圧効果が得られるまで数日以上の間隔をおいて1日250mgずつ増量する。通常維持量は1日250〜2000mgで1〜3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多いのは、めまいや脱力感、眠気などです。これらは、徐々に慣れてくるものですが、ひどいときは早めに受診してください。
重い副作用はめったにありませんが、肝炎や血液障害、SLE様症状(下記)などが報告されています。念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- SLE様症状..筋肉や関節が痛む、体や顔が赤くなる、赤い斑点ができる、発熱、手足や首の付け根のリンパ節が腫れる。
 【副作用】
- だるい、めまい、立ちくらみ、徐脈
- 眠気、不眠、悪い夢、気分がしずむ
- 手足のふるえ、動作が鈍る
- 性欲減退、性機能障害、男性の乳房がふくらむ、乳汁が出る、生理不順
- 吐き気、食欲不振、口の渇き、鼻づまり、発疹
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