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成分(一般名) フロセミド
製品例 ラシックス錠10mg~20~40mg、フロセミド細粒4%「EMEC」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 利尿剤/ループ利尿薬/利尿降圧剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 「むくみ」をとり、血圧を下げるお薬です。浮腫や高血圧症のほか、心不全の治療にも用います。
作用

【働き】

心臓や腎臓、あるいは肝臓の働きが悪くなると、体に水分がたまり浮腫(むくみ)を生じます。心不全では、肺に水がたまり呼吸が苦しくなることもあります。

このお薬は、強力な利尿薬です。腎臓に作用して尿量を増やし、体にたまった余分な水分をとり除きます。その結果、むくみがとれて血圧が下がります。同時に心臓の負担も軽くなり、体が楽になります。

おもに、浮腫の治療に用います。心臓病や腎臓病、肝臓病にともなうもの、また、女性では生理前のむくみの治療にもよく使われます。

【薬理】

腎臓の尿細管での塩分と水分の再吸収を抑え、尿の量を増やします。血液の無駄な水分が減ることと、血管壁のナトリウムが減ることにより血圧が下がります。
特徴ループ利尿薬に分類され、その代表的な薬です。ループという名前の由来は、尿細管がループ状に曲がっている部分(ヘンレ係蹄上行脚髄質部)に作用することによります。この系統は、もっとも作用の強い利尿薬です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えてください。

【注意する人】

重い腎臓病や肝臓病では慎重に用います。また、糖尿病や痛風を悪化させるおそれがあります。高齢の人も副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。

  • 適さないケース..無尿、肝性昏睡、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している人など。
  • 注意が必要なケース..重い冠硬化症・脳動脈硬化症、重い肝臓病、重い腎臓病、痛風、糖尿病、全身性エリテマトーデス、減塩療法中の人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。

  • 男性の夜間頻尿にデスモプレシン(ミニリンメルト)を使用している場合は併用できません。併用により低ナトリウム血症を起こすおそれがあるためです。
  • 他の降圧薬と併用するときは、用量等に注意し、血圧が下がりすぎないようにします。
  • 抗生物質の組織内濃度が上昇し、副作用が増強する可能性があります。とくにアミノグリコシド系抗生物質による聴覚障害、セファロスポリン系抗生物質の腎毒性に注意が必要です。
  • 心臓の薬のジギタリス薬と併用するときは、効きすぎによるジギタリス中毒に十分注意します。
  • 気分安定薬のリチウム(リーマス)と併用するときは、リチウム中毒の発現に注意しなければなりません。
  • 血糖降下薬のSU薬やインスリン注射薬の作用が弱まる可能性があります。
  • 糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬(スーグラ、ルセフィ、フォシーガ、アプルウェイ、デベルザ、カナグル)との併用により、利尿作用が増強するおそれがあります。また、メトホルミン(メトグルコ)と併用する場合は、乳酸アシドーシスの副作用に注意が必要です。
  • ステロイド薬やグリチルリチン製剤、一部の漢方薬と飲み続けるときは、低カリウム血症に注意します。
  • 鎮痛薬との併用により、この薬の利尿作用が弱まる可能性があります。
  • 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方、服用量を守ってください。
  • ふつう、朝1回、場合によっては朝とお昼の2回に服用します。尿量が増えるので、夜の服用は避けるのが一般的です。

【検査】

血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウム、ナトリウム、尿酸値などに異常がないか調べます。

【食生活】
  • 尿量やトイレの回数が増えます。外出時は注意してください。
  • 血圧が下がり、めまいを起こすことがあります。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作、高所作業のさいは十分に注意してください。
  • くだものや野菜類をたくさんとるとよいでしょう。不足しがちなカリウム分が補えます。
  • 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
効能
【効能】
  • 高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧
  • 心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、末梢血管障害による浮腫
  • 月経前緊張症
  • 尿路結石排出促進

【応用】

医師の判断で別の病気に応用されるかもしれません(メニエール病など)。
用法

【一般】

通常、成人にはフロセミドとして1日1回40〜80mgを連日又は隔日経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。

【持効製剤(オイテンシン)】

通常、成人1回1カプセル、1日1〜2回(フロセミドとして40〜80mg)を経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 薬が効きすぎると、脱水を起こしたり血圧が下がりすぎて、ひどい脱力感やめまいを起こします。とくに高齢の人、また他の降圧薬と併用するときに注意してください。

血液中のカリウム分やナトリウム分が減ってしまう電解質失調も多いほうです。だるい、力が入らない、のどが渇くといった症状がでてきます。定期的に血液検査を受けるようにしましょう。

そのほか、まれに尿酸値が上昇したり、一時的に耳が聞こえにくくなったりします。重い副作用はほとんどありませんが、いつもと違う症状があらわれたら、早めに受診してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 不整脈..動悸、脈の乱れ。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。

【その他】
  • だるい、脱力感、めまい、ふらつき
  • 低カリウム血症(だるい、筋力低下、動悸、便秘)
  • 低ナトリウム血症(だるい、のどが渇く、意識もうろう)
  • 尿酸値の上昇
  • 吐き気、頭痛、耳鳴り、聞こえにくい
  • 発疹、発赤、光線過敏症、かゆみ

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。