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成分(一般名) ヒドロクロロチアジド
製品例 ヒドロクロロチアジド錠12.5mg~25mg、ヒドロクロロチアジドOD錠12.5mg、(旧・ダイクロトライド) ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 利尿剤/チアジド系/降圧利尿剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 尿の量を増やし、血圧を下げるお薬です。
作用

【働き】

体の余分な水分を塩分とともに尿に排出します。その結果、むくみがとれて血圧も下がります。同時に心臓の負担も軽くなります。

おもに、高血圧症の治療に使用されています。血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。

【薬理】

腎臓の遠位尿細管で塩分(ナトリウム)と水分の再吸収を抑え、尿の量を増やします。そして、血液の余分な水分を減らして血圧を下げ、また心臓の負担を軽くします。なお、腎性尿崩症においては近位尿細管での水分の再吸収促進作用が優勢となりかえって尿量が減少します。
特徴チアジド系の利尿薬です。日本では処方される機会が少ない系統ですが、海外のいくつもの臨床試験で、寿命を延ばすことが証明されています。少量であれば副作用もほとんどなく、併用薬としても優れています。また、古くからある薬で、値段(薬価)が安いというメリットがあります。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えてください。

【注意する人】

尿がまったく出ないときや急性腎不全には用いません。重い腎臓病や肝臓病のある場合も向きません。また、糖尿病や痛風を悪化させるおそれがあります。高齢の人も副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。

  • 適さないケース..無尿、急性腎不全、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している人。
  • 注意が必要なケース..糖尿病、痛風、腎臓病、肝臓病、重い動脈硬化症、高カルシウム血症、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。

  • 男性の夜間頻尿にデスモプレシン(ミニリンメルト)を使用している場合は併用できません。併用により低ナトリウム血症を起こすおそれがあるためです。
  • 他の降圧薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。とくにACE阻害薬という系統と併用するときは、ごく少量を用いるようにします。
  • β遮断薬との併用は、血糖値が高くなりやすいです。
  • 糖尿病の薬の作用を弱めるおそれがあります。
  • 気分安定薬のリチウム(リーマス)と併用するときは、リチウム中毒による副作用に注意が必要です。
  • 心臓の薬のジギタリス薬と併用するときは、ジギタリス中毒の副作用に十分注意します。
  • カルシウム剤やビタミンD製剤など骨の薬と併用するときは、血液中のカルシウム値の増えすぎに注意します。
  • ステロイド薬やグリチルリチン製剤、一部の漢方薬と飲み続けるときは、低カリウム血症に注意します。
  • 鎮痛薬との併用により、この薬の降圧作用が弱まる可能性があります。
  • 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方、服用量を守ってください。
  • ふつう、朝1回、または朝とお昼の2回に服用します。尿量が増えるので、夜の服用は避けるのが一般的です。
  • 少量(半錠〜1錠)を用いて、ゆっくり血圧を下げていきます。他の降圧薬と併用することも多いです。

【検査】

血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウム、カルシウム、血糖、尿酸値などに異常がないか調べます。

【食生活】
  • 血圧が下がり、めまいを起こすことがあります。車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
  • くだものや野菜類をたくさんとるとよいでしょう。不足しがちなカリウム分が補えます。
  • 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
効能
【適用】
  • 高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧
  • 心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫
  • 月経前緊張症
  • 薬剤(副腎皮質ホルモン、フェニルブタゾン等)による浮腫。

【応用】

腎性尿崩症
用法 通常、成人はヒドロクロロチアジドとして1回25〜100mgを1日1〜2回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、高血圧症に用いる場合には少量から服用を開始して徐々に増量すること。また、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 少量であれば、副作用はほとんどでません。飲み始めの体のだるさは、徐々に慣れてくるものです。

服用量が多いと、脱水を起こしたり血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こすことがあります。とくに高齢の人、また他の薬と併用するときに注意してください。

長期に多めの量を飲み続けると、血液中のナトリウムやカリウム分が減ってしまったり、逆に、カルシウム、血糖、尿酸値などが増えてくることがあります。定期的に血液の検査を受けることが大切です。

もし、日光にあたった部分に発疹ができたら、早めに医師に申し出てください。まれに光線過敏症を起こすことがあります。そのほか重い副作用はまずありませんが、再生不良性貧血が報告されているようです。念のため注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 再生不良性貧血..だるい、動悸、息切れ、発熱、喉の痛み、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉からの出血。
  • 低ナトリウム血症..だるい、吐き気、嘔吐、意識もうろう、意味不明な言動、けいれん。
  • 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
  • 急性近視、閉塞隅角緑内障..急激な視力の低下、目が痛い、見えにくい、かすんで見える(光の回りに虹の輪)、充血、頭痛、吐き気。

【その他】
  • だるい、めまい、ふらつき、立ちくらみ
  • 低カリウム血症(だるい、筋力低下、動悸、便秘)
  • 血糖値の上昇、糖尿病の悪化
  • 尿酸値の上昇、痛風の悪化(発作誘発)
  • 発疹、光線過敏症

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。